どぅかさんちのあまの尺

たとえばぼくがまちがっていても。。しゃ~ないじゃん。。
心に勝手な物差しがあるんだから・・・・

ときには星の下で眠る

2017-10-01 10:46:25 | ことば


TBS系の新ドラマ「陸王」って
まさかのバイクの開発物語か?!と思いきや、
おなじ「足」でもランニングシューズの物語とは、ね。

ま、バイクの方だと陸王はハーレーのライセンス生産だから、
ドラマにはならないか。


で、表題の「ときには星の下で眠る」は
片岡義男さんの小説、オートバイの詩シリーズ・秋編のタイトル。

この小説の登場人物にちゃんと「足」がある。
片岡さんの小説ってどこか漂っている感があることもあるから、一応。

亡くなったバイクショップのオーナーエンジニアのために
集まってくる仲間たちのそれぞれの物語が過去から現在を行き来する。
その本の中で最も忘れられなかったのは
そのオーナーが生前、知人の若い女性とできたばかりの峠のヒュッテを訪れたとき、
その彼女に話した昔話。

戦時下、高射砲に撃ち落とされたアメリカ軍機のエンジンオイルが欲しくて
手斧でボディを割き、被弾対策の為に生ゴムで覆われたオイルタンクに苦心して穴をあける。
瞬間、流れ出るオイルのあまりに良質で美しい様に言葉が出ず、ただただ流れ出るのを呆然と見送る。
エンジニアであった彼がいままで一度もみたことの無い極めて質の高いオイル....

「天気のいい日でね。空が青くて、明るい陽が照っていた。あのときのオイルの色は、
いつまでたっても忘れられないね。きらきらした感じや粘りぐあい、それから香り。
きらきら輝きながら、畑の土のうえにこぼれていくんだ。」

今日の陽射しを眺めながら思い出していました。


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