想い・思い・おもい ver.2

***つなぎ、つながり、つなげあう***
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第542回 個の支援?世帯の支援?

2010-08-11 01:46:20 | 実践
妻(Aさん)は、透析のため、帰宅後は調理をすることができません。
また夫(Bさん)も要介護状態にあるため、自力で調理することは困難です。

そこで、Aさんの透析日のみ、夕方にAさん、Bさんそれぞれ1時間ずつの生活援助により
調理を依頼していました。
(Aさんいは、透析患者さん向けに、若干の調理の手間がかかります。)

それが、Aさんの体調不良のため、透析から戻られてから、自宅に入られるまでの間に介助が必要となり、
透析帰宅直後から、ヘルパーさんにサービスにはいってもらうことになりました。
Aさんの希望は、下の図のようなものです。


そこで、困ったのが金曜日です。
介護保険制度、サービスの利用のための契約は個人ごとになっています。
従って、ご本人が自宅にいらっしゃらないときは、サービスを提供することができません。

そのため、制度に則って、素直にサービスを調整すれば、

このようになります。
すると、金曜日は、Aさん透析宅直後から1時間、妻の分の調理を行ってもらい、
Bさんのデイサービスの帰宅にあわせ、ヘルパーさんに再度訪問してもらい、夫の分の調理に1時間のサービスを
お願いする・・・ということになります。
これは、どう考えても、非効率です。
Aさんからは、
「これでは、かえってヘルパーさんに迷惑がかかる。そんなことは私の気がおさまりません」
「私も、主人も身体が不自由で頼んでいるのに、私たちの生活の方が、制度に合わせなくてはいけいのは納得がいきません」
と、おっしゃられます。
まったく、その通りです。

そこで、Aさんの透析帰宅後の介助を優先させ、デイサービスのかたとも相談し、
デイサービスを通常より短い時間にしてもらってはどうか?と提案しました。

すると、Aさんは、「夫には、通常の利用時間でデイサービスにいってもらいたい」と、
「(利用票*に)納得できまでん。はんこはおせません」とおっしゃいます。
  *利用票は、利用者さんが利用するサービスの月間スケジュールとその費用が書かれたものです

もう一つ、夫のデイサービスの帰宅時間にあわせ、
Aさんの透析病院からの帰宅時間を遅くするという方法もありますが、
「イヤです」と、検討の余地はありません。

そして「もう疲れました。帰って下さい」とそっぽを向かれてしまい、交渉決裂です。

もちろん、そのまま、そこにいるわけにはいかず、
「利用票にはんこをもらわないと、ヘルパーさんにサービスを依頼することができません。
利用者さんと、サービス事業者の接点を探すのが私の仕事。
どうすればいいか、考えてきます」と、
「また、会わなくてはいけないんですか」というAさんに、
「はい。お願いします」と言い残し、その場を退散 
まぁ、こういうこともあるでしょう・・・と想定範囲内の面接。
そうして、時間をおいて、サービスの調整にあたるのことで、うまくいくこともありです
一度の面接でうまくいかないからと、めげてはいけません。

事務所にもどり、透析病院に透析での除水の状況や透析後の様子を確認したり、
透析直後のヘルパーさんの介助の様子を確認し、
もう一つ、案を考えました。

それは、透析帰宅直後に、その透析後の介助のみをお願いし、
時間を変えて、もう一度、調理をしに、ヘルパーさんにきてもらう方法です。
ヘルパーさんには、面倒をかけますが、
透析帰宅直後の介助も、Aさんの体調がよくなれば、終了できるサービスです。
現に、先週までは車いすでの介助が必要でしたが、今は、杖歩行が可能になってきてるということです。

午後、しばらくして、別件での用事があったので、Aさんに電話をしました。
そして、Aさんから「金曜日の件はどうなりましたか?」と聞かれたので、
上記の案をお話ししました。
すると、やはり「一度来てもらって、もう一度、訪問し直してもらうのは、私の気が済みません」と。

そして、「透析のあとは、少しずつ身体も動いてきています。いつまでも人に頼るわけにはいかない」と
金曜日に限り、調理時間の確保を優先させることし、
透析帰宅直後に介助なしで部屋にもどり、ヘルパーさんが来るのを待っていただく事としました。
そして、やっぱり都合が悪ければ、その時には、また対応方法を考えると・・・

そして、利用票を確認してもらうために
今月の最終週に、お会いすることを約束して、電話を終了しました。

ふ~っ。なんとか、なんとかです。
さて、この間の午前中と、電話での利用者さんや関係機関とのやりとりの締めて、3時間分を
どう記録するか。
これも、一仕事です


そういえば、午前中、Aさん宅に訪問する前に、2年目のケアマネさんに、
「どりーむさんは、Aさんに、どうやって、サービスの説明をするんですか?やっぱり、懇切丁寧に?」と
聞かれました。

私は
「う~ん。気をつけていることは、ペースをあわせることかな。
それと、説得はしない。納得してもらえるところを、会話の中で探すようにしてるかな?」と。
ケアマネジャーは、他のケアマネジャーがどのように利用者と話をしているかを、
なかなか、見る機会がありません。
それなので、研修等でのロールプレイは、面接の勉強にはよい機会となりますね。

それと、
PPTをJPGに保存して、アップする方法を覚えたので、
こういった週間スケジュールを示しての記事が書きやすくなりました。
利用者さんや関係機関への提示も、
図表を上手く活用することで、説明が楽になることがありますね。


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