パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

自公民の大談合で「決められる政治」を実現せよとNHK大越アナが

2012-06-08 22:17:51 | Weblog
 藤村官房長官が、自民との修正協議で、民主党のマニフェストを「棚上げ」の方向で調整していることに反発する議員に、「まだ法案を提出していないので、“棚上げ”という表現はあたらない」と言ったとか。

 これは福島原発の検証会議に呼ばれた前東電社長が「一部の社員は現場に残す“つもり”だったので、全面撤退すると決めたと言われて非難されるのは心外」と答えたのと、まったく同じレトリックだ。

 ふつふつと怒りが込み上げてくる。

 私は民主党のマニフェスト全部を支持しているわけではないけれど、マニフェストは全部口からでまかせの嘘でしたから白紙撤回しますなんて言われたら、賛成して投票したものの立つ瀬がないというか、そもそも、マニフェストが実現不可能なんて、誰が決めたのだ。

 一切,何の検証もなく、なんとなくマスコミが、財務省の言い分を真に受け、「ムリ」と言い続けているだけではないか。

 本当のことを言うと、マニフェストを掲げたときに、マニフェスト実現のために消費税を上げますと明言しておけばよかったのだ。

 ここは小沢の責任なのだが、選挙目当てに、政権を取ったら4年間は消費税を上げませんと言ったのが失敗だったのだ。

 最初から、まずいな、と思っていたのだ。

 社会保障をきちんとすれば、15パーセントくらいまでは可だろうと思っていた。

 しかし,今回の騒動で、NHK、朝日新聞をはじめとする大マスコミが、消費税増税先行を支持する理由が,なんと「決められない政治からの脱却」であるとわかって仰天した。

 しかも、「決められない政治が続くと、ヒトラーが現れるような危険もある」と言っていた。

 これほど無責任な発言はない。

 まさに今,貴様らが「決められる政治」として推薦する自公民の大談合政治がヒトラー政治の再来でなくてなんだというのだ!

 それはさて、今、消費税を上げたら,デフレがいっそう深刻になる。

 デフレは物価が下がるから貧乏人は助かるなんていう奴がいるが、デフレとは貨幣価値が上がることだから、金持ちに有利で、貧乏人に不利な事態となる。

 今、消費税増税にもっとも熱心なのは「財界」だが、財界の主要メンバーである大企業は、その結果、デフレが続いたとしても、デフレそのものが金を持っている自分たちに有利だし、「緊縮」を人々に要求することも、いかにも倫理的に正しい主張のように装うことができるから、それで財界は消費税増税を要求するのだろう。

 そんな風に考えると,今の「EU危機」の本質も見えてくる。

 緊縮政策を求めているのは富裕層、財閥で、それを政治家が支持しているのは、富裕層の富が,実質的に「国の富」だからだ。

 しかしギリシャ国民が緊縮策を受け入れそうにないので、ギリシャの富豪たちは銀行預金を国外に持ち出している。

 これは、緊縮政策が、富裕層の利益のための政策であることの傍証となるだろう。

 一方、現金をもたない貧困層は、「地域通貨」で対抗する動きが出始めているらしい。

 要するに、勝手に商品交換券をつくって、生活必需品を交換し合っているというか、流通させているわけだ。

 日本国内で使われている現金通貨は4兆円と言われている。

 ということは、4兆円分の地域通貨で日本国民の生活は動くことができる、ということではないのか。

 通貨のことはよくわからないのだけれど、原発の再稼動について言えば、再稼動しないと日本の電力需要がまかなえないから再稼動が必要という問題ではないことは、野田や枝野や藤村らの言動を分析すれば、確かだ。

 だとしたら,何故、再稼動が必要なのか?

 これは、原発企業の自己都合なのだ。

 それを、まるで一般大衆の生活を盾に取ったかのごとき言い草で再開を迫る。

 一般大衆に緊縮政策の受け入れを迫るのも,同じ手口にちがいない。

 このことは、結構難しい問題なので、よく考えた上でまた触れたいと思うのだが、「決められない政治」が続くとどうなるかというと、NHKの見立てでは、「諸外国の信用を失い、日本国債の暴落を招くかもしれない」だそうである。

 一方,日銀は,今、ニュースで報じていたが、ギリシャ危機に備えて、資金供給を実施する準備があると、白川総裁が明言したそうである。

 これは、日本の円の価値が上がって嬉しくて、それで、その強い円で,国際社会の安定に寄与したいと思っているのだろうが、実際には、ギリシャの富裕層を助けることでしかない。

 その結果、貧困層も助けることになる、というのは、ちょっと前までの理屈だったが、今後はそれはできない話になる可能性が強いということを日銀総裁には言いたいね、西川口の片隅から。