*Priority シート にて

先日、電車に乗っていたときのお話　ガタン　ゴトン

いつもどおり混雑している車内。

私は、優先席の前に立ちながら『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を読んでいた

目の前にはズデンと態度もボディもでっかいおばちゃん。
隣で小さくなっている疲れきったサラリーマン。
さらにその隣には、居眠り中のツルピカヘッドなおいちゃん。

魔法の世界に入り込む私。

ふと、何かが落ちるのを視界の端でとらえた。

ん？

気のせいかな？

そして私は再び、魔法の世界にもどる。


ピチャッ

ん？

今「ぴちゃ」って聞こえた？


あたりをよくよく見回すと・・・

ん　


輝かんばかりのおいちゃんの頭から、雫がぁ～！！



何事かと頭上を見ると、そこには一部湿った紙袋。
中の何かが漏れたのだろう・・・

あちゃ～～～。

おいちゃん、気づかず、爆睡中



ポタポタたれる雫

しばらくすると、かすかな異臭・・・

す、すっぱいにおい？

あたりは騒然。

のっそりと立ち上がるサラリーマン。

凝視しているおばちゃん。

くすくす笑い出す女子高校生。

笑いをこらえるのに必死の私。



ようやく異変に気づいて起きる、おいちゃん。

したたる汁に焦る！焦る！



本来降りるべき駅なのかどうかは定かではないが、
（多分違うだろうな・・・）
すごい勢いで荷物を降ろし、次の駅で下車しましたとさ


チャンチャン