明日へのヒント by シキシマ博士

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「ALWAYS 三丁目の夕日'64」 かけがえのないもの

2012年02月10日 18時06分17秒 | 明日のための映画
このブログに映画のレビューを載せるのは久しぶりですね。
というより、父と母の訃報以外はブログ自体が休止状態でしたからね。
ブログより優先しなければならないことがいろいろあったのです。ご容赦ください。

久しぶりに映画のことを書きます。
で、何気なく左のカテゴリーのところを見てみたら、この投稿がちょうど100本目の映画レビューになるんですね。
その節目に、この作品「ALWAYS 三丁目の夕日'64」が巡って来たことをとても嬉しく思います。

以前のレビューにも書いたとおり、シリーズ1作目「ALWAYS 三丁目の夕日」の時には、山崎監督と一平役の小清水くんのお二人とお話する機会に恵まれ、2作目の「ALWAYS 続・三丁目の夕日」は、今は亡き母に11年ぶりに劇場で観せることができた映画でした。
そんなわけで、映画の内容もさることながら、私の個人的な事情からもとても思い入れの強いシリーズです。
3Dと2Dの同時公開ですが、まよわず3Dを選んで鑑賞しました。

(前作から5年後の)昭和39年。
オリンピック開催を控えて熱気に沸く東京。
夕日町三丁目に住む小説家の茶川は、ヒロミ・淳之介と3人で暮らしており、さらにもうすぐ家族が増えるという一見幸せそうな日々を送っている。
しかし新人作家の登場によって、茶川の少年誌の看板作家としての座は奪われつつあり、焦っていた。
そしてそんな彼に追い討ちをかけるように、ある電報が届く…
一方、鈴木オートも事業を軌道に乗せており、住み込み従業員の六子はすっかり一人前になっていて、今や鈴木オートに欠かせない存在。
そんな六子は、作業中に腕に負った火傷を診てもらったのをきっかけに、若き医師・菊池にひそかな恋心を抱く。
それを知ったタバコ屋のキンは温かく見守ろうとするが、菊池の悪い噂を耳にしてしまう…
そしてそんな折、ヒロミは茶川が隠していた電報を見つけてしまい……
(監督・山崎貴 142分)


玩具のグライダーの目線と俯瞰で見る東京タワーの先端が、さわれそうなくらい間近に迫って見えたのは、3Dならではの醍醐味でしたね。
でも、それ以外にはさほど3Dとしての見せ場はなくて、私はうっとうしくなり過ぎなくて良かったと思うんですが、これだけで3Dの追加料金を取られたのを良しとするか否かは、見解の分かれるところでしょう。

でも、そんなことはもうどうでも良くなるくらい、とにかく泣かされました。
まだ感動が新しいので冷静な評価になるかわからないけれど、シリーズ3本の中で、私的には一番好きかも知れないです。
正直、前作(2作目)は茶川とヒロミの話以外あまり感動が無かったですからね。
戦友会のエピソードやトモエの昔の恋人との再会などは、製作者側自身に具体的なイメージが無いのではと疑いたくなるくらい伝わるものが無かったし、あとはほどんどが1作目の蛇足みたいでしたから。

それが今作では、茶川と父親との確執も、茶川への義理と自分自身の夢の狭間でゆれる淳之介の気持ちも、その淳之介に対する茶川の思いも、六子を本当の娘のように思う則文とトモエの親心も、その他の人々の気持ちも、どれもこれもとても丁寧に描かれていると思いました。何度も泣かされましたよ。(とりわけ、茶川と父親の関係は、自分のそれに似ていたので身につまされました)
ご覧になった他の多くの方も言ってるとおり、ものすごくベタ、超オーソドックスな内容なんですけどね。
それがとても心地良くて、素直に受け入れられました。

なんのひねりも無いと指摘しているレビューも見かけるけれど、ひねりがあれば良いってものでもないでしょう。
このシリーズが一貫して描いている、人の繋がりの大切さやかけがえの無さっていうのは、ストレートに伝えるからこそ私たちの心に響くんだと思います。
昨年あれだけの災害を経験し、今も不安や心細さを抱え、あらためて自らの価値観と向き合わなければならない私たち日本人なら尚更でしょう。

逆に最近は、小手先のテクニックには長けていても、こういう王道を真正面から描き切れる人って少ないんじゃないでしょうか。
山崎監督にはぜひ、これからもこういうストレートに心に届く映画を撮り続けて欲しいです。

それにしても、須賀くんと小清水くん、すっかり大きくなっていたなあ。
子供の成長ってほんとに早いなあ。


いや~、本当に良い映画を観せてもらいました。
でも…、その感動をもう母とは共有できないんだなと思うと、やはりちょっとだけ切ないです。


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