愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

迷いに迷って…

2009-09-29 21:46:18 | 日記
☆手術はしたほうがいいのか?
 先週の土曜日、シェラの足の腫物について病院で詳しい説明を受けた。専門的で半分くらいしか理解できなかった。
 
 ・腫物の中の体液を顕微鏡でのぞいたかぎり、現状ではそれほど心配しなくてもいい
 ・ただ、レントゲンを撮って肺に腫瘍がないかを確認したい
 ・血液検査もやっておく
 
 そういうことで、レントゲンと血液検査を行った。
 いつもは、緊張のあまり診察室でおとなしくしているシェラたちだが、この日は異変を察知したのか、シェラが診察室のドア(引き戸)を鼻先で開けて二匹そろって三回も待合室に逃げ出そうとした。明らかにムギも一緒にパニクっている。
 
 シェラがレントゲン室へと連れて行かれるとムギの緊張が高まった。やがて、診察室の奥からシェラの悲しげな声が聞こえてくる。あとで教わったところによると、寝かされ、身体を固定されたときに上げた声だという。
 
 シェラの声に、ムギが耳をピンと立て、短く吠えてシェラを助けに奥へ飛び込んでいこうとする。この二匹はすでに親子以上の絆で結ばれている。
 それにしても、ムギのような弱虫わんこが見上げたものだと感心した。

<写真=行きつけの園芸店でもらったレリーフ。まるでシェラとムギのようだと家人が門扉に取り付けた>
  
 およそ10数分後、結果が出た。レントゲンに異常は認められない。つまり肺はきれいだという。血液検査も大きな問題はない。手術にも支障はない。 
 肝心な種物だが、手術するか様子を見るかは飼い主次第だという。医師の立場からは、患部が足の裏だけに切除したほうがいい。これが、もし、背中などだったらしばらく様子を見る選択肢もあるという説明だった。
 
 ぼくたちの心配は手術の方法だった。やはり全身麻酔でおこなうという。神経が集まっている場所なので慎重に施術しなくてはならないので、やや大がかりになるらしい。
 出血も多くなるし、通常なら1週間程度で抜糸のところだが、2週間後。術後、ひと晩入院になるのは、直後は包帯の交換などをこまめにしなくてはならないからだとのこと。
 
☆老体への負担をどう考えるか 
 ぼくはすっかり手術をするつもりになっていたが、家人に迷いが生じた。

 レントゲンと血液検査の結果を待つ間、待合室で後ろ足が麻痺して自力では歩けなくなったコーギーがきていた。椎間板ヘルニアの手術が原因だという。どこの病院でやったのかは聞きそびれた。
 
 その子を見て、「もし、シェラが歩けなくなってしまったら……」という不安に家人がとらわれた。もっと恐れたのは全身麻酔だった。
 元気とはいえ、シェラはすでに14歳、まもなく15歳になる。人間でいえば70代のなかばに相当する。全身麻酔のリスクは低くない。
 翌日、家人はシェラの手術をしたくないとぼくに訴えた。
 
 手術をした場合、切除した腫持は病理検査に出し、悪性か良性かを調べる手はずになっている。もしかしたら悪性かもしれないから手術をして切除しておいたほうがいいというのがぼくの結論だった。
 ただ、もし悪性なら、切除してもほかに転移する可能性が捨てきれないのだが……。
 
 「ねぇ、見て。小さくなっているから……」
 家人の目に、腫物は少し小さくなって映ったらしい。ぼくの目に大きさはまったく変わっていないが黙っていた。
  
 意見が割れたところで、しばらく様子を見ることにした。高齢のシェラの身体に負担をかけたくない。ただそれだけの理由である。
 これが凶出るか吉と出るかは神のみぞ知るだけど、ぼくは楽観している。

 なんでもないさ、だいじょうぶさ――。
 

その後のシェラの足

2009-09-24 23:23:55 | 日記
   

 シェラの足のデキモノの結果が出た。脂肪のかたまりだそうである。
 「な~んだ……」と安心してはいられないようだ。ムギの“オデキ”のときのように簡単に切除するわけにはいかないらしい。
 
 ぼくが説明を聞いたわけではないので細かいニュアンスまではわからないのだが、ポイントはふたつ。
  ・悪性か良性かは、今後、検査してみないとわからない
  ・切除する場合、全身麻酔になるか、部分麻酔になるか検討の要あり
 ということだ。
 もしかしたら入院になるかもしれないそうである。
 
 う~ん、なんだか大ごとになってきちゃったよなぁ。
 もともとこうした脂肪ができやすい体質の子だった。3歳くらいで背中に1円玉大の脂肪のかたまりができて切除している。その後も、主として背中に脂肪のかたまりができて、いつのまにか消えたりしている。
 いまもお腹にはポニョポニョした大きなふくらみを抱えたままである。
 
 背中のことがあるから足の脂肪もしばらく様子を見たいところだが、場所がよろしくない。大きくなって歩きにくくなったらかわいそうだし、歩くことで皮膚が破けて可能でもしたらもっとかわいそうだ。

 それに老犬になるとこうしたデキモノができやすくなるということは、放っておいて消える可能性は低いということになるのかも知れない。

 老犬だけに、いくら涼しさとともに元気になっているとはいえ、やっぱり身体への負担になるような全身麻酔は避けたい。ドクターは一般論として全身麻酔での手術や入院の可能性を述べたに過ぎないのだろう。
 
 年齢とともに治療ひとつもあれこれ考えて結論を出さなくてはならないのは人間も変わらない。ついそこにある明日のわが身である。



白樺の森から帰って

2009-09-24 16:41:31 | 日記
    

 19日から22日までの4日間を信州の白樺の森で過ごした。標高は1300メートル。9月だというのに10月も半ば過ぎの冷え込みだった。20日の夜は4℃まで下がった。
 シェラは寒さにはめっぽう強い。毎日、森の中をよく歩いた。
 
 ムギはキャンプへ来るとたちまちコーギーらしくなる。
 いつもシェラにはりついているのに、キャンプでは単独で行動しようとする。テントの外に出て見張りにつくのもそのひとつである。使役犬の血が騒ぐのか、ちゃんと番犬の役目を果たすわけだ。

 昼間だって日なたで平気で寝ている。暑さに呼吸を荒くしながらだ。こちらが心配になって木陰に移してやる。

 暑さにはからっきし弱いシェラの場合、昼間は木陰で寝て、夕方になるとさっさとテントの中に入り込んでしまう。キャンプ歴14年のキャンプにかけてはヘタな人間よりもベテランである。

 フィールドでの洞察力にかけては人間などはるかに及ばない実力を発揮する。天候の変化、野生動物の接近、同じフィールドにいる人間の行動の可能性などである。

 夕方、テントの中に自分から入ると、シェラは丸めてある寝袋の上にに寝ようとする。何が快適なのかよくわかっている。
 だが、昼間、干して空気をたっぷり吸いこんだ寝袋は中の空気が動いてなかなかシェラたちが寝やすくなる形にはなってくれない。
 それでも根気よくかきまわし、やがて“巣作り”が完成する。
 
 「おいおい、泥足のままオレの寝袋を……。ひどいじゃないか」と思うけど、無理やりキャンプにつきあってもらっているから強く言えない。やりたいようにやらせている。
 
 しょせんキャンプでだ。泥の汚れなんかどうでもいい。ぼくもまた野性味を備えないとね。



しつけができなかったムギの現在(いま)

2009-09-16 22:41:33 | 日記
☆10歳過ぎて憶えたシェラのハイタッチ
 わんこの“芸”のひとつに「お手」がある。
 ほかに「お座り」「伏せ」「待て」などが一般的だけど、こうしたわんこ芸を嫌う方々も少なくない。わが家はというと、大好きである。というより、ぼくが好きなのであって、わんこたちがどう思っているかわからないのは言うまでもない。
 
 なぜ好きなのかというと、家の中で軽く遊ぶのにこれらを混ぜるととっても楽しいからだ。床に座ったままでわんことじゃれるのはとっても楽しい。前足や後足を触ったり、背中や胸を撫でたり、耳をつまんだり、一緒に転がったり……。
 
 シェラが「ハイタッチ」を憶えたのは10歳を過ぎてからだった。遊んでいて、はしゃいでいて、はずみでやっただけのこと。
 「お手」のとき、こちらの手のひらを上に向けるのを、シェラのほうに手のひら向けて垂直に構え、「ハイタッチ」というと、シェラはすんなりハイタッチをやった。シェラにしてみれれば角度の違うお手をやっただけのことだろう。
 まさしく“はずみ”だった。
 以来、「ハイタッチ」がシェラの芸に加わった。
 
☆ムギの捨て身のハイタッチ
 一方、ムギに芸を仕込んだことがない。それでも、ムギはシェラと同じだけの芸をこなせる。
 わが家にきてからというもの、ムギの目の先にはいつもシェラしかいなかった。ムギはシェラしか見ていなかった。ぼくが何かしつけようとしてもシェラを探してぼくのことなど眼中にない。シェラも心配してぼくとムギの間に割り込んでくる。
 
 ぼくがムギに与えたコマンドをシェラが引き受けてしまう。ムギも喜んでシェラに飛びかかっていく。まるでしつけにならなかった。
 それでもムギはひととおりの芸を身につけた。シェラを見ていて憶えたのだ。
 人間の赤ちゃんでも成長の過程で“模倣”は必要不可欠なファクターである。ムギもまたシェラを模倣することで成長した。
 
 シェラにできてムギにできないのがハイタッチである。ハイタッチがどういうものなのかはわかっている。しかし、コーギーの宿命でできない。短足ゆえに前足を十分に上げることができないというわけだ。
 
 そこでムギは考えた。寝転がればハイタッチができると……。
 かくしてムギのハイタッチは捨て身の体勢(写真上)となった。

 シェラにないムギ独特の芸の個性――それが普通のお手である。
 お手をしながら、なぜかぼくの手をやさしく舐める。
 しつけは何もできなかったが、互いの心はしっかり重なっている。
 

包帯をしたシェラ

2009-09-15 20:31:47 | 日記
☆足の裏の異変
 日曜日の夕方だった。外出から帰り――当然、わんこたちも一緒の外出であるが――シェラの足を拭いているとき、左後足の裏にイボを発見した。

 かなり大きいが、肉球のすぐ隣という場所が場所だけに気づくのが遅れてしまった。かなりやわらかい。かろうじて歩くのに支障がない位置――つまり、地面には触れない角度にできているのが幸いだった。
 
 火曜日にぼくが休みをとる予定になっていたので、取り立てて何もせずに放っておいた。大きさから見て、昨日今日できたイボではない。シェラ自身が気にしていないのだし、歩く姿も正常なのだから問題ないだろうとの判断だった。
 
 数年前からシェラのお腹には脂肪の塊がある。老犬の宿命で、ひどい子になると背中にたくさんのイボを背負っている子もいると聞いたことがある。
 
 ムギも忘れたころにイボができて心配させられる。毎回、医者のすすめにしたがって病理検査をやってもらっている。むろん、毎回、異常なしで安堵する。
 だいぶ前だけど、そんな情報交換をネット上でやっていたとき、それを読んだ知人が、飼っているフラットのデキモノをあわてて病理検査に出したところ、ガンとわかって手術をした。そんな事件の記憶が生々しいので、念のために検査を頼んでいる。

☆包帯なんかなんのその
 今日、シェラをペット病院へ連れて行った。
 お医者さんは、患部を消毒したあと、注射針で突っつき、イボの中身を顕微鏡でのぞくためにプレパラートを作った。今日はこれでおしまい。一週間後に結果が出るという。
 
 診察台の上に乗せると、シェラはいつも緊張でかたくなる。決して先生に逆らったりしない。ぼくがシェラの首を抱え、顔を寄せて「大丈夫だからね」と囁きつづけてやるのは、シェラを少しでもリラックスさせてやるためである。
 
 診察台を降りるとき、シェラの足はきれいにテーピングされていた。
 「違和感があるから気にするかもしれません。2時間ほど経ったら外してもかまいませんよ」
 神経質な性格の犬だけにすぐに取ろうとするだろうと思って外へ出たが、シェラはまったく意に介さない。知らん顔で歩いている。公園に着いて芝生の上では走っていた。
 
 シェラの意外な一面を見た。