愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

短い避暑で思う

2009-08-27 21:54:47 | 日記
☆真夏のキャンプへ
 

 突然、思い立ってキャンプに出かけた。真夏のキャンプは“危険”がいっぱいなのでとりわけ8月は避けてきた。どこへ行こうと日中は暑いし、カ、ダニ、ハチ、ブユなどの凶暴な虫たちに襲われるリスクが高いからだ。それ以上、マナー知らず、ルール破りの凶悪な人間たちとの遭遇を覚悟しなくてはならない。
 
 結論から言うと、今回の2泊3日は吸血昆虫による多大の被害をこうむり、どうしようもない、救いがたい人間たちに不愉快な思いをさせられた。
 それでも木陰のサイトは涼しく、つかの間、わんこたちを暑さから解放してやることができた。
 
 人間のほうは虫刺されでひどいめにあったけど、わんこたちが被害にあわなかったのが救いである。シェラもムギも適度に運動をして、涼しい風にふかれながらたっぷり昼寝をむさぼっていた。

☆アウトドア犬として
 シェラもムギもわが家にきて、ものごころついたときにはテントで寝かされていた。
 数回キャンプを経験してキャンプに慣れしまったシェラは、自分の夕飯が終わるとすぐにテントに入りたがった。テントの入口までいって、中に入りたい前足でテントを引っかいた。テントの中にいれば、ひとりであっても安心して寝ていた。
 キャンプではテントの中が巣穴だと認識したのだろう。 
 
 ムギの行動はシェラとはだいぶ違った。
 ふだんはいっときとしてシェラのそばから離れないのに、キャンプへきてシェラが早々とテントに入ってしまったあともムギは外へ出てサイトの一角にいて見張りをするのだ。キャンプのときだけ“シェラ離れ”ができた。
 リードを長くしておいてやると、サイトの周囲をパトロールしていた。コーギーのDNAがそうさせているだろうと感心したものだ。

☆いつまで一緒にキャンプへ行かれるかな
 わんこたちと一緒のキャンプは楽しいばかりではない。なにかとせわしないし、気疲れが半端じゃない。だが、それでもやっぱり一緒にいる充実感と幸せを実感できる。わんこたちにとっては迷惑なだけかもしれないが……。

 この幸せがもうすぐ終わる現実に、ぼくも女房も目をそむけずにいようと努力している。
 あとどれだけ一緒にキャンプに行かれるのだろう――心の中でいつも自問し、ときおり話し合っては覚悟を新たにしている。
 
 もし、シェラがクルマでの長距離の移動に耐えられなくなったら、もうキャンプなんかに行くことはできない。それはそれでいいだろう。だが、もし、シェラかムギのどちらかでも虹の橋を渡ってしまったら、ぼくたちはキャンプに行く気にはなれない。行けば寂しくて、寂しくて……。
 それがわかりすぎるほどわかっているから、いまというこのときを大切にしたい。

【写真=(上から)テントの外で流し場から帰ってくるママを待つ。(中)木の根を枕に昼寝のシェラ。(下)フィールドへ出るとコーギーの血が騒ぐ?】


神様がくれた犬

2009-08-17 22:48:36 | 日記
☆ブサイクだけど愛敬のある顔
 わが家のシェラは正統派の雑種である。何が正統派かというと、いろんなDNAがほどよく混じっていて、あえてこの犬種とこの犬種の間に生まれたと特定しがたいからだ。捨てられた子なので親犬の情報はおろか、正確な誕生日さえわかっていない。

 シェラとの出会いは当時住んでいた埼玉・与野市(現大宮市)のペット病院だった。
 休日の朝、ひとりで散歩していたぼくは、玄関のドアに「子犬差し上げます」と書かれていた札を目にして迷わずもらいにいった。檻から出されたのは、丸々太った真っ黒な小熊のようなメスの子犬だった。
 檻から抱き上げられたとたん、病院スタッフの女性から、「わぁ、のけぞってるわ」と笑われたくらい元気な子犬だった。ぼくに渡されても、きょとんとして逃げる様子もない。

 顔はお世辞にも美形とは言いがたい。小さな目なのに垂れている。
 「おまえ、ブサイクな器量だけど愛敬あるよな」
 ぼくは心の中で語りかけながら、ひと目で気に入ってしまった。ぼくに抱かれて動じないところに運命を感じた。

☆ぼくを受け入れてくれたシェラ
 前日、見ず知らずの女性が、「捨てられていてかわいそうだから、だれかもらってくれる人を探してください」と言って病院へ持ち込んだという。院長は、「あの奥さんが飼い主だと思う」と言っていたが、おそらくそうだろう。
 院長は、子犬の月齢を「3か月くらい」と言った。はじめて抱いたとき、母犬の乳のにおいがした。直前まで授乳していたと思える。それだけで憐れを感じた。

 引き取るための手続きを終え、ぼくは子犬を抱いて外へ出た。晴れてはいたが、まだ、肌寒さの残る1995年4月22日だった。
 ぼくは子犬をブルゾンの中に入れた。ふわふわの毛の黒い塊は、嫌がるどころか、ブルゾンの内側の奥へと進み、背中で落ち着いてしまった。どうやらぼくを全面的に受け入れてくれたらしい。
 ぼくはひとりほくそえみながら帰路を急いだ。犬との生活がはじまるのがうれしくてならなかった。

 出逢いこそが運命だ。どんな性格の犬であっても心からかわいがってやろう――ぼくはかたく決心していた。

☆必然の出逢い
 ほどなく、ぼくとぼくの家族は、シェラの心の哀しみを知ることになる。生まれてまだ3か月にして、犬といえども捨てられた恐怖に支配されているらしいことを……。

 さらに、ぼくたちとシェラはやっぱり運命的な出逢いだったとまもなく思い知ることなる。やがてぼくたちの身にふりかかる残酷なまでの現実を乗り越えるために神様がそっと送ってくれたとさえ思えるのだが、むろん、そのときはすぐそこに待ち受けている辛い試練を予想もできないでいた。
 【写真=あくびをするシェラ。これは最近のもの。子犬のころの写真を見つけ次第アップ予定】
 


「お帰りなさい」のいろいろ

2009-08-13 21:45:27 | 日記
☆定時で帰ると
 ぼくの毎日の帰宅時間は一定していないが、それでも午後8時から9時まで、つまり午後8時台の1時間に集中している。むろん、7時台のときもあれば、10時、11時、あるいはそれより遅くなることも珍しくない。
 
 シェラもムギもお約束の8時台をちゃんと心得ており、この時間帯に帰るとふたりでドアのところで出迎えてくれる。
 ぼくがドアの外に立つ前にもうドアの内側でムギが激しく吠えている。
 ドアを開けると、そこにふたりで立ち、ムギは吠えつづけ、シェラは尾を振ってうれしそうな表情で歓迎してくれる。この時間帯ならそっと帰っても同じようにすぐ気づいてくれる。一日の疲れが取れる瞬間である。
 
 シェラの頭を撫で、相変わらず吠えつづけているムギを「うるさい!」と叱り飛ばしてリビングルームへ向かう。
 床へカバンを置くと、追ってきたシェラがすぐに飛びついてくる。ぼくはソファーへ腰を下ろすとシェラの頭を撫でて彼女のやさしいキスを受ける。その間、ムギはずっと横で吠えつづけている。
 【写真=「お帰りなさ~い!」と喜んで玄関へ駆けつけたらカメラを向けられて「え?」】
 
 ひとしきりシェラの挨拶を受けてからムギにも微笑みかけ、手を伸ばす。シェラとぼくとの間へと強引に割って入ってきたムギは、ぼくの手に飛びつき、前脚をかけてからぼくへキスをする。短足のためにそうしないと届かないのである。
 このキスが実に激しい。
 
 背後でシェラが動きはじめるとムギが吠えながらあわてて追っていく。寝室に隠しているガムをシェラに奪われまいとして追いかけるのである。いつもは、ガムのに伏せて番をしている。
 
☆定時を外すと
 この時間帯を外すと反応が少し変わる。
 
>いつもより早く帰ると――
 ドアに鍵を差し込むまでまるで気づかない。外の足音にぜんぜん注意を払っていないのがわかる。
 ドアを開けると、ムギが吠えながら飛び出してくる。ぼくの姿を確認すると、今度は奥へと走っていく。どうやら、「父ちゃんが帰ってきたよ」とシェラに知らせているらしい。 リビングのほうからシェラが尾を振りながら小走りに出てくる。ここから先は定刻のときと同じだが、いつもより喜び方が大きい。
 わんこでも、父ちゃんが早く帰るとうれしいらしい。
 
>いつもより遅く帰ると――
 もうシェラは玄関の近くにはおらず、リビングルームでくつろいでいる。ムギが玄関とガムを隠している寝室の中間点にいて、ぼくの気配をうかがいつづけているらしい。
 外を誰かが通るたびに激しく吠えているという。だから、かなり離れた位置からぼくの足音で吠えはじめる。
 ドアを開けると奥へ知らせに走り、シェラが尾を振り、ゆったりとした足取りで出てくる。「遅かったじゃない」といわんばかりの表情で……。
 
 あとは早く帰ったときと同じだが、ただ、シェラの反応が時間帯によって違う。遅ければ遅いほど歓迎のパフォーマンスがおざなりになる。遅いのが不満だとでも言うように……。
 
 12時を過ぎたりしていると迷惑そうな表情になっていて、出てはくるけどすぐに寝てしまう。
 だから、ぼくはいつもこう言う。
 「おまえなぁ、もうちょっと愛想よくしろよ」 
 決して女房へのあてつけで言っているのではない。



大雨の朝の散歩

2009-08-10 22:06:33 | 日記
☆寝苦しい朝
 未明から目が覚めてしまった。台風9号の接近で気圧が激しく変化したのかなんとも寝苦しい早暁だった。そのうち、激しい雨音が伝わってくる。
 不安に駆られたのだろうシェラがぼくのすぐ脇にきて息を荒くしている。
 「だいじょうぶだ。もうちょっと寝ような」
 手を伸ばして頭をなでてやる。その手を止めると「もっとなでて」とばかり前足でぼくの手を引っかいて催促する。 
 朝の散歩はずぶ濡れだな――うつらうつらしながら覚悟を決めていた。
 
 シェラとムギを連れて外へ出たのは雨が最高潮のときだった。雨のカーテンにさえぎられて、風景がかすんで見えるほどの降りだった。
 ぼくもわんこたちも雨具で身体を包み、川のように雨水が流れる道路へと踏み出した。バス停に並ぶ通勤客たちの下半身は誰もがずぶ濡れになっていた。
 
 「ひどい夏だよな……」
 思わずつぶやいていた。暦はすでに旧盆の休みに入っている。楽しかるべき夏休み真っ盛りなのにこの体たらくである。学校へ通っていた当時のぼくの記憶にこんなでたらめな夏はとんとなかった。

☆雨がなんだ!
 シェラもムギも雨だからといって雨具を使うことは、いつもならまずない。少々濡れてもタオルで拭いておしまいにしている。ふたりとも顔、とりわけ耳の辺りが濡れるのをとても嫌がるけど、雨そのものを嫌がるようになっては最低限の野性味まで失うことになる。
 だから、散歩のときは雨などものともせずにそのまま突入している。
 
 さすがに今朝だけは例外だった。
 慣れない雨具に戸惑いつつ、そして、激しい雨に気圧(けお)されながら、それでもなんとか近所をひとまわりして泳ぐような散歩が終わった。
 
 終わったとたん、雨脚が穏やかになった。
 「これが人生さ」
 ぼくは腐らなかった。


夏バージョン

2009-08-08 21:10:48 | 日記
 
       【風呂場へ連れ込まれバリカンで刈られて緊張に引きつるシェラ】

☆シェラちゃん、あなたのためだから――
 予定のない土曜日、かねてから気になっていたシェラの毛のカットとシャンプー&ブラッシングをやることができた。

 どう見ても生まれつき寒冷地仕様のシェラの毛だけにこの10年、夏になると短く刈り込んでやってきた。
 「どれだけ効果があるものか……」と、以前、世話になっていた獣医さんから言われたことがあったが、サマーバージョンに刈り込んでやると、やっぱりバテ方がまるで違う。

 本当はちゃんとトリマーさんにやってもらえばきれいに仕上がるのはわかっているけど、シェラは家族以外に触られるのを嫌う。そのストレスを考え、家庭用の電気バリカンを買ってきて、ずっとぼくが刈ってやっている。
 もちろん、きれいに仕上がるはずはなく、いつも、イヌがトラになる。つまり、トラ刈りのイヌになる。それでも、最近はずいぶんよくなったほうである。

 今年、シェラの刈り込みは二度目。いままでワンシーズンで二度刈ったことはない。一度目のとき、トラ刈りにならないようにとあまり短くしなかったので、効果が薄く思えて二度目のバリカンに踏み切ったのである。

 場所はいつも風呂場。
 今年のシェラは冬の下毛がまだたっぷり身体についたままである。ときどきブラシを当ててきたときにわかっていたが、バリカンが引っかかってどうしようもない。まずはシャンプーが先だと、バリカンを切り上げて洗いにかかった。
 ぬるま湯をかけただけで、先日、動物病院でイボの切除をしたときのような悲壮な声を上げて嫌がる。呆れてしまう。

☆やかましい!
 風呂場の外では、案の定、心配したムギが駆けつけてきてムギがけたたましく吠えつづけている。あまりにやかましいのでムギも引きずり込んで、両方ともシャンプーした。

 洗っている最中、シェラはなんとか逃げようと動きまわるし、思い出したように悲鳴を上げる。なんだかぼくが虐待しているみたいだ。
 その点、ムギはおとなしく洗われてくれる。観念してしまったかのように固まって動かない。とっても洗いやすい。

 風呂場から出て、タオルで身体を拭い、まだ湿ったままで部屋へ入れてやるともう大変! シェラは走りまわり、ベッドやらソファのヘリへ身体をこすりつけるから、そこに毛がこびりつく。
 ムギは床に転がって水分を取ろうとする。部屋中が修羅場と化す。

 ぼくは素早く着替えて二匹を外へ連れ出す。まだ生乾きのまま外の風に当てて乾かしてしまおうというわけである。
 今日は曇天で風もなく、蒸し暑いだけなので早々に帰ってこざるをえなかった。

 ある程度乾いたところで二匹をブラッシングして……。
 その2時間でヘトヘトに疲れてしまった。来年からは、やっぱりトリマーさんにお任せすることにしよう。