謹賀新年
2016年は無線運用は低調でだったが、Blogを通じて更に交流も拡大し充実した1年だった。
今年は運用も充実させたいと思っている。
さてさて、ハムフェア以降はコリニアに関する問い合わせも多く製作に関する相談を行ってきた。
けれど自分自身はここ半年本格的なコリニアを製作していなかったので、年の締めに相応しく?コリニアを製作してみた。
今回は、通常使用では十分すぎる430MHz用10段の製作だ。
調整は屋内で行う。
フィールドで使用すると0.5-1MHz周波数が高くなることを織り込んで調整する。
1.同軸カット
フジクラ製同軸が80mほど余っており外皮が硬く加工しにくいがこれを使うことにした。
236mm長の1/2λエレメント10本と120mm長の位相整合部2本を切り出すことにした。
この長さでは430MHz帯低い周波数または420MHz台に共振点を持つと予想した。
[カットした同軸]
(私自身、不器用・大雑把なのでカット・端末処理等は褒められたものではない。写真は手順を確認するものと割り切って見て下さい。)
写真の同軸には5,6と書いてあるのは同軸長の下1桁だ。
「5」と書いてあるのは235mm(になってしまった物)、「6」と書いてあるのは236mm。
最大は238mmも1本ある!!
ま、430MHzでは目標値±1mm程度ならば問題ない。
2.各部の半田付け
カットした同軸を半田付けします。老眼のおかげで同軸の間隔を近づけすぎるとショートしそうなので2mm程度開けている。
半田付けの順番は、
120mm-235mm-235mm-235mm-235mm-235mm-236mm-236mm-236mm-236mm-238mm-120mm
とした。同じサイズを群として長さが大きく違うものを位相整合部の隣に配置する。
この方法で帯域幅が拡大する傾向になる。
同軸間の間隔の違い(2-3mmでは)で共振周波数の大きな変動は起こらない。
(むしろ位相整合部長とスタブ調整の影響が99%だ)
[半田付け中]
1/2λエレメントと位相整合部を半田付けして更にスタブ、給電用の同軸も取り付ける。
この後、エレメント間の補強や防水処理を行った後でスタブ調整を行う。←これ重要
それからスタブ調整を開始するまで上部の位相整合部のショートも行っていない。
[位相整合部上部はまだショートしていない]
ここまで直流的なショートは無いのでテスターで抵抗値を計測しても芯線-網線間は無限大を示す。
ところが、スタブを取り付けたらショートが確認されて焦った!ここまでショートはなかったから。
ま、まさか?スタブがショートか?とスタブを外してみると網線が芯線に接触してたわーー
3.スタブ調整
アンテナ調整で使用する機器は、miniVNAだ。(1MHz-3GHzまでの計測が出来る)
まず、長いスタブを取り付けた所で一旦コリニアの動作状況を確認する。
430MHz帯では全く共振していない。480MHz付近で共振点を持っていた。
[スタブ取り付け直後]
スタブを切っていくと430MHz付近の共振点が見えてきた。(下図の1▽)
さらにスタブを切り込んでいくと429MHz付近でRs41.2Ω、Xs-10.7Ωとなった。
SWRが1.5を割った辺りから1mm単位のスタブカットを行うことになる。
SWR1.3付近まで来ると・・網線1本程度の調整になる。ここで終了するくらいが丁度良い。
切りすぎると、また1からやり直しだ!!429.77MHz付近でRs47Ω、Xs-4Ωとなった。
更に僅かに切り込むと・・・
下の写真のように微調整は同軸を斜めに切り込む。
結果は、少し切りすぎて予定より悪くなったが
430.045MHz付近でRs51.5Ω、Xs2.6Ω、SWR2.0以下の帯域は423.59MHzから436.01MHzの少なくとも12.42MHzとなった。
結果を見て分かる通り、スタブを切り込んでいくと共振周波数が上がり、帯域幅も広がっていく。
あとはフィールドに持ちだして様子をみたいと思う。