
柳楽優弥は、確かに圧倒的な存在感。まあカンヌで、ああなっても不思議はないと思いました。柳楽クンだけではありません。子供たちは、どの子も、みんな素晴らしかったです。「演技」をしているのではなくて、画面の中で、実に自然にふるまっています。もちろん台本はあるのでしょうが、暗記した台詞を口にしているのではないような気が……。ドキュメンタリーの制作手法で、「場面を切り取っている」のでは、ないでしょうか。監督のこだわりがよく伝わってきます。
この子たちの置かれた状況に、気づくことない大都会の大人たち。コンビニの店員など、良い人もそれなりに登場するのですが、かといって、この子たちの状況が基本的に変わるわけではありません。それがなんとももどかしい。子供達が、「辛い」とか、「悲しい」とか嘆いたり、涙を流したりする場面は、一切ありません。逆に、見ている側は、淡々と描かれるその日常のディテールに心を痛めます。
明が学校に友達を誘いに来るシーンや、ユキが音のするサンダルを履いて歩くシーンなど、切ない場面は、たくさんあるのですが、それ以上に、何より「重い」映画でした。

元ネタをどのようにして作品にするか、というところでやっぱりこの監督は素晴らしいと思います。
映像も穏やかで美しいですし、映画というメディアで作品化したことの意義がちゃんと分かるつくりですよね。
TB返させていただきました!
まだ始めたばかりのブログでしかも初めてのトラバ嬉しかったです。
この監督さんの映画は初めてだったんですけど、いつもああいう雰囲気なんでしょうか。無駄な音がなく、とても心に響くものがありましたね。
そのうちエントリーに上げますね。
近々に見る予定です。
感想を書いたらTBさせてくださいませ。
彼らがごくありふれた日常の風景の中に存在してたという事実が、より一層切なくさせてくれます。
本当に素晴らしい映画だとは思いました。
でも、監督が、この映画で訴えたい事が今ひとつ私には伝わってこなかったような気がします。
子どものたくましさと無力さ、大人の無力さ、そういう事なのでしょうか???