
キイロに飢えていた。いや、正確には栃木SCに。
JFLのリーグ戦が終了して約3週間が経とうとしている。3月から毎週末にリーグ戦を選手と共に戦ってきたサポーター。ポッカリと空いた週末を持て余しているわけではないが、仕事納めならぬ“応援納め”に下部組織の栃木SCジュニアユース(栃木SC)の試合に駆けつけた。数はトップチームの試合時には及ばないが二桁には達していた。そこにジュニアユースのサブメンバーが加わり、何時の間にかキイロの輪が形成されていた。
「とちの~は~の~」。
試合開始前、「栃木県歌」が熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にとどろいた。本気モードだ。初耳の観衆は驚き、スタンド向かって左側を見遣った。「ジュニアユースの試合なのに凄い」。そんな声も聞こえてきた。なんとも誇らしく、頼もしい限り。
高円宮杯全日本ユース(U―15)サッカー選手権大会の関東大会で初優勝を飾り、全国大会の切符を手にした栃木SC。佐賀で開催されたグループリーグを首位通過し、決勝トーナメント1回戦でベガルタ仙台ジュニアユース(仙台)と激突した。
「高い位置から仕事をさせない」ことをチームコンセプトに掲げた栃木SC・花輪浩之監督。狙った通り前線からのプレスが機能する。球際での競り合いも強く、当たり負けしなかった。敵陣で奪ったボールは直ぐに左サイドに展開された。待ち受けていたのはスキルの高いMF鈴木宏樹。マークが2枚付いていてもお構いなし。小柄ながらもセールスポイントのひとつである「スピード」でぶっちぎった。鈴木に負けまいと、右サイドバックのキャプテン石川琢郎も機を見たオーバーラップを仕掛ける。連動したプレスが効果を見せ、両サイドから攻め立てた栃木SCは優勢に試合を運ぶ。
仙台は栃木SCの出足に戸惑う。攻め手が見出せなかった。
ポン、ポン。おまけに、ポン。トップチームの試合でも滅多にお目に掛かれないようなダイレクトパスが繋がる。栃木SCはゴール前での鮮やかなパス交換から鈴木、MF栗原龍裕がゴールに迫った。徐々にゴールの匂いが漂い始めた前半37分。ボールを掻っ攫った栗原からFW藤沼智之にパスが届けられる。DFラインの背後を取った藤沼は恐ろしいくらい冷静にシュートを流し込んだ。
ここで余談を。先制点を叩き出した藤沼はセンターバックでサッカー人生をスタートさせた。その後、小学校6年生でボランチに転向し、中学生になりFWとなった。ポジションが段々と下がっていく選手は数知れないが、藤沼のように守備の人から点取り屋になるのは稀だ。異色の経歴の持ち主である。
JFLのリーグ戦が終了して約3週間が経とうとしている。3月から毎週末にリーグ戦を選手と共に戦ってきたサポーター。ポッカリと空いた週末を持て余しているわけではないが、仕事納めならぬ“応援納め”に下部組織の栃木SCジュニアユース(栃木SC)の試合に駆けつけた。数はトップチームの試合時には及ばないが二桁には達していた。そこにジュニアユースのサブメンバーが加わり、何時の間にかキイロの輪が形成されていた。
「とちの~は~の~」。
試合開始前、「栃木県歌」が熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にとどろいた。本気モードだ。初耳の観衆は驚き、スタンド向かって左側を見遣った。「ジュニアユースの試合なのに凄い」。そんな声も聞こえてきた。なんとも誇らしく、頼もしい限り。
高円宮杯全日本ユース(U―15)サッカー選手権大会の関東大会で初優勝を飾り、全国大会の切符を手にした栃木SC。佐賀で開催されたグループリーグを首位通過し、決勝トーナメント1回戦でベガルタ仙台ジュニアユース(仙台)と激突した。
「高い位置から仕事をさせない」ことをチームコンセプトに掲げた栃木SC・花輪浩之監督。狙った通り前線からのプレスが機能する。球際での競り合いも強く、当たり負けしなかった。敵陣で奪ったボールは直ぐに左サイドに展開された。待ち受けていたのはスキルの高いMF鈴木宏樹。マークが2枚付いていてもお構いなし。小柄ながらもセールスポイントのひとつである「スピード」でぶっちぎった。鈴木に負けまいと、右サイドバックのキャプテン石川琢郎も機を見たオーバーラップを仕掛ける。連動したプレスが効果を見せ、両サイドから攻め立てた栃木SCは優勢に試合を運ぶ。
仙台は栃木SCの出足に戸惑う。攻め手が見出せなかった。
ポン、ポン。おまけに、ポン。トップチームの試合でも滅多にお目に掛かれないようなダイレクトパスが繋がる。栃木SCはゴール前での鮮やかなパス交換から鈴木、MF栗原龍裕がゴールに迫った。徐々にゴールの匂いが漂い始めた前半37分。ボールを掻っ攫った栗原からFW藤沼智之にパスが届けられる。DFラインの背後を取った藤沼は恐ろしいくらい冷静にシュートを流し込んだ。
ここで余談を。先制点を叩き出した藤沼はセンターバックでサッカー人生をスタートさせた。その後、小学校6年生でボランチに転向し、中学生になりFWとなった。ポジションが段々と下がっていく選手は数知れないが、藤沼のように守備の人から点取り屋になるのは稀だ。異色の経歴の持ち主である。