仕事が終わって帰宅すると、小学校5年生の長男が私を待ち構えていたかの
ように飛び出してきた。
「おとうさん!今日、ソフトボールをしている友達とキャッチボールしたんばい!
フライとか横に行ったボールとかもちゃんと取れたよ!」
と、とても嬉しそうに喋り始めた。
長男は読書やチェスそして囲碁が大好きで、部活でいうと文化系のタイプだが、
最近友達からソフトボールのクラブに誘われていて、運動が少々苦手なのを
自覚しながらも興味があるらしく、どうしようか迷っていたらしい。
それだけに友達とのキャッチボールで、うまく捕球できたのがとても嬉しかっ
たのだ。
私は夕食を済ませて2階へあがった。子供たちは家内から促されて、学校の
宿題をしている最中だった。私は長男の宿題を覗き込んだが、宿題よりも長男の
左手の親指と人差し指の間に貼られている、黒ずんだ絆創膏が目に留まった。
キャッチボールをしていてグローブの色が絆創膏についたようだ。
その時の長男にとってその黒ずんだ絆創膏は、今日のキャッチボールの成果を
表わしている大事なものなんだろうと思った。大げさに言えば勲章だろう。
長男のその日の嬉しさが私をも嬉しくさせてくれた。
よかったな! 今度はお父さんともキャッチボールしような!
(U)
ように飛び出してきた。
「おとうさん!今日、ソフトボールをしている友達とキャッチボールしたんばい!
フライとか横に行ったボールとかもちゃんと取れたよ!」
と、とても嬉しそうに喋り始めた。
長男は読書やチェスそして囲碁が大好きで、部活でいうと文化系のタイプだが、
最近友達からソフトボールのクラブに誘われていて、運動が少々苦手なのを
自覚しながらも興味があるらしく、どうしようか迷っていたらしい。
それだけに友達とのキャッチボールで、うまく捕球できたのがとても嬉しかっ
たのだ。
私は夕食を済ませて2階へあがった。子供たちは家内から促されて、学校の
宿題をしている最中だった。私は長男の宿題を覗き込んだが、宿題よりも長男の
左手の親指と人差し指の間に貼られている、黒ずんだ絆創膏が目に留まった。
キャッチボールをしていてグローブの色が絆創膏についたようだ。
その時の長男にとってその黒ずんだ絆創膏は、今日のキャッチボールの成果を
表わしている大事なものなんだろうと思った。大げさに言えば勲章だろう。
長男のその日の嬉しさが私をも嬉しくさせてくれた。
よかったな! 今度はお父さんともキャッチボールしような!
(U)