中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

ええ子、見っけた

2008-01-11 17:21:48 | Weblog
 曇天の中、鳴尾浜に阪神のルーキーたちを見てきました。競合他社の若い記者たちに混じり、40を過ぎた超おっさんが彼らを見ている光景など滑稽だっただろうが、そんなことはお構いなし。目の前でプロ初の練習をするピチピチ君たちを品定めするように、舐め回してきた。この時期はいつもそうだが、真っ先に頭に浮かべるのは、今なおメジャーのマウンドを目指して闘っている野茂。この間も書いたけど、彼のルーキー時はまだ鮮明に頭の中に残っている。

 白仁田に高浜、石川、黒田、そして清原、田中。この日肉眼で確認できた選手はこの6人。昨年末の入団会見でも思ったことだが、どれも体格がよろしい。田中くんは若干小柄でも、その他はスラッと均整がとれている。高浜などはそんなに大きくない印象だったが、目の前を通っていくとやはり大きい。さすがに、横浜高校で名将・渡辺監督にしごかれてきただけあって、キャッチボール1つをとっても、一種の“品”を感じさせた。母校の先輩・高橋光がやってきた際にはすぐさま駆け寄り「高浜です‼よろしくお願いします」とハキハキとあいさつ。礼儀もちゃんとしている。大成する選手は、すべてにおいて、オーラのようなものを発するが、高浜にもそれを感じた。

 しかし、ここで「ええ子、見っけた‼」というのは、高浜とは違う。シャンソン化粧品から入った大型右腕・黒田である。担当スカウトは「この2年は野球してないんで、これからよ」なんて言っていたが、キャッチボールをする姿に資質の一端が見えた。左足を上げ、2、3秒静止した際の姿。体重が乗った右足と臀部(でんぶ)に、本格派の匂いがプンプン。この手のタイプは、球自体は荒削りでも鍛え込んだら大化けする。じっくりと見ていきたい投手だ。

 虎風荘の山本寮長に新年のあいさつをした際、逆に白仁田、高浜、石川の3人を紹介された。このおっさんに深々と礼をしてくれた彼は贔屓(ひいき)選手のリストに載せておくことにする。