中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

「ナイスガイ!」な阪神・能見

2009-12-23 14:56:39 | Weblog
 デイリースポーツが選定した「猛虎感動大賞・激励賞」に輝いた阪神・能見が22日に来社した。阪神でも1、2を争う“イケメン”が来社するとあって、社内はもうてんやわんや。お出迎えのギャル(表現が古いか?)たちも目を輝かせながら携帯で写メールを取りまくっていた。それに紛れるように、おっさんたちも持参の携帯でパチリパチリ。あまりの歓待ぶり?に、能見も照れ笑いを浮かべるしかなかったようだ。

 授賞式が終わった後、デイリー編集局で少しばかり雑談をしたのだが、これまでグラウンドで見てきた彼のイメージが一変した。どちらかと言えば口数が少ない方と思っていたが、決してそうではなかった。自分の考えていること、思いをはっきりと口にする。かといって、決してべらべらとしゃべるタイプでもない。言葉の端々に「芯の強さ」が感じられた。

 一言でいうなら「ナイスガイ!」だ。そんな彼が今年のベストゲームに挙げていたのが、7月19日の巨人戦(東京ドーム)。延長10回を投げきって1-0で完封勝利を挙げた、あのゲームだ。俺もそう思っていた。あの試合は、今年の阪神におおいてもベストだったのではないか。「試してきたものが通用する、とわかった試合でした。でもあれが巨人でなく他のチームだったら、というのはあります。巨人だったから自信になりましたね」。あの試合までに、脱皮する“コツ”をつかみかけていたという。その“コツ”を完全につかみきったのが、7月19日だったらしい。確かに、能見のプロ野球人生があそこで一変した。

 兵庫・出石出身の“ご当地選手”だけに、来年も今年以上の活躍をしてほしい。「15勝はして下さいよ」と言ったら「とてもとても…」と苦笑いしていたが、内心は違うはずだ。2年続けて2ケタを勝ち、それも15勝てば、もう押しも押されぬエースである。来オフは、虎のエースとして来社してほしい。頼んだよ、能見くん!