『オーシャンズ』

 

□作品オフィシャルサイト　「オーシャンズ」
□監督　ジャック・ペラン、ジャック・クルーゾー
□ナレーション　宮沢りえ

■鑑賞日　１月２４日（日）
■劇場　チネチッタ
■cyazの満足度　★★★☆（５★満点、☆は０．５）

＜感想＞

　環境保護の大切さを、物言わぬ動物たちの映像を通して訴求する作品だが、
　ただただ身勝手に自然破壊や環境汚染を進めてしまった責任は、温かい映画館の
　シートに座って観ている僕らにもその責任がある。

　近頃、あちこちでエコを訴えるものが多い。
　遅ればせながら政府も動き、企業も動く。　街中も以前に比べると緑が多くなり、
　殺伐としたビル群にもグリーンウォールや屋上庭園などが増えた。
　そういった環境保護に対する“想い”を一人一人が持ち続けるためにも、こういう映画は貴重だと思える。

　普通にこの世に暮らす人々が決して肉眼では捉えられない映像を、メッセージを持って映し出す。
　撮影の苦労たるや計り知れないものがあるだろう。

　名優、ジャッィ・ペラン。
　彼の“魂”が乗り移ったような映像の数々は、たとえばかつて観た『WATARIDORI』や、「アース」、「ディープ・ブルー」を彷彿とさせる。
　またリュック・ジャケ監督の『皇帝ペンギン』や違った意味で『クヌート』なども同様のメッセージを感じたものだ。

　しかしながら膨大な時間をかけて製作したものの、斬新さ（それを求めているものではないが）はあったとは思えない。
　ただ淡々と観せる語り口は従来のものと遜色ない。
　それでも弱肉強食・植物連鎖等々、動物界の自然の営みを愚かな人間がその環境を変えてしまうことがなければ、
　彼らの幸せを含め、全地球的な大きな財産を失わせることもなかっただろう。
　あと何年地球は持つのかは研究者たちに任せるとして、一人一人がこの映画を観て、
　凄いなぁだけで終わらないように、それぞれの心の中に深く刻みたいものだ。

　なかでも生れたばかりの赤ちゃんの水中デビューを前脚で優しく抱く
　アゴヒゲアザラシの母親の愛情シーンにはさすがにホロっとしてしまった。
　あまりにも人間の母と同じような仕草だったから・・・。

　
　　ここのところの夜空は、いつも見上げる空よりも星の数が多いと思いませんか？
　　こんな東京の真ん中でも、キラキラは輝く星たちが肉眼で数えられる。
　　これも、もしかしたらみんながエコを心掛けているご褒美かも～