京の昼寝〜♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『蜩ノ記』

2014-10-15 00:10:15 | 邦画

 

□作品オフィシャルサイト 「蜩ノ記
□監督 小泉堯史
□脚本 小泉堯史、古田求製、作市川南、田村明彦
□原作 葉室 麟
□キャスト 役所広司、岡田准一、堀北真希、原田美枝子、青木崇高、
       寺島しのぶ、三船史郎、井川比佐志、串田和美

■鑑賞日10月5日(日)
■劇場 TOHOシネマズ川崎
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 直木賞を受賞作した葉室麟の小説の映画化。
 前代未聞の事件を起こした戸田秋谷(役所広司)は、10年後の夏に切腹すること、
 そしてその日までに藩の歴史である「家譜」を完成させることを命じらる。
 幽閉されたまま家譜の編纂を続け、切腹の日まであと3年となったある日、城内で
 刀傷沙汰を起こした藩士の檀野庄三郎(岡田准一)が、秋谷の監視役としてやってくる。
 庄三郎は、秋谷が7年前の事件を家譜にどう記しているかを確認して報告し、また、
 逃亡するようであれば家族もろとも斬り捨てよとの密命を帯びていた。 庄三郎は
 秋谷のそばで過ごし、その人柄や家族とも触れ合ううちに、秋谷が事件を起こした
 ことが信じられなくなり、7年前の事件の真相を探り始める。

 今も昔も不義をすれば罰せられる。
 この時代に武士である人間が、切腹せずに10年もの間、「家譜」の編纂というのも
 設定としてはどうなんだろう。 生き恥をさらし、尚且つ士農工商の身分差の厳しい
 時代に、自ら桑を持ち、作物を育てる姿。 当時の人間でなくても不可思議な様である。

 しかしながら、その不可思議な設定は、実は「人として」或いは「正義とは」という
 命題を、自らも過ちを犯し、左遷された庄三郎という、血気盛んな若い彼の
 フィルターを通して、「真実」を炙り出して行く。
 「真実」を知りながら、それを上げられない葛藤。 しかしながら、秋谷はそれを
 打ち消す人間本来の生き方を農民と共に学んでゆく。 それを支える母娘も主を
 信じ続ける。 いずれ間違いは正され、お家断絶に陥らないともしれないとある
 書状と、間違った責を背負わされ、罰せられた農民の息子と、親同様に身分を
 越えて、幼馴染みの父の仇討ちを、正規の「刀」で問い質す。 武士としての
 本懐を遂げることも大事ならば、生き恥曝しながらも農民たちと暮らす日々、また
 家譜編纂の中での史実を歪めないこと。 「真実」は、殿が秋谷に与えた10年の
 猶予の中に答えがあったのだろう。

 何もかも成し遂げ、息子の大事に助太刀してくれた庄三郎に娘を託せた秋谷の、
 あの最後のシーンに観た清々しい笑顔がそれだったのだろうか。
 役所広司と岡田准一、そして堀北真希、原田美枝子、青木崇高、寺島しのぶと
 役者陣がそれぞれの持ち味を小泉監督が引き出していたことが素晴らしい。
 ただ、串田和美だけは別の役者であって欲しかったが・・・。

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4 コメント

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Unknown (koyuko)
2014-10-15 14:54:49
封切初日に見て来ました。

秋谷の最後のシーンの清々しい笑顔が印象的でした。
ラストシーン〜 (cyaz)
2014-10-17 08:36:31
koyukoさん、コメント、ありがとうございますm(__)m

>封切初日に見て来ました。
秋谷の最後のシーンの清々しい笑顔が印象的でした。
そうでしたね^^ いい、ラストシーンでした!
確かに (こに)
2014-10-17 15:53:59
串田さんでは、もうひとつでしたねぇ。
役所さんの引き出しの多さに感心すると同時に岡田君の今後に期待大でした。

思い出すに、良い映画でした。
本当に。

トラバお願いします♪
引き出しの多さ〜 (cyaz)
2014-10-17 20:28:36
こにさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>串田さんでは、もうひとつでしたねぇ。
そうですねぇ^^

>役所さんの引き出しの多さに感心すると同時に岡田君の今後に期待大でした。
なかなか相性良かったようですね(笑)

>思い出すに、良い映画でした。本当に。
僕もそう思います^^

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