
ダ・ヴィンチは、その微笑みに、何を仕組んだのか。
■監督 ロン・ハワード
■脚本 アキヴァ・ゴールズマン
■原作 ダン・ブラウン(「ダ・ヴィンチ・コード」)
■キャスト トム・ハンクス、オドレイ・トトゥ、ジャン・レノ、イアン・マッケラン、アルフレッド・モリナ
□オフィシャルサイト 『ダ・ヴィンチ・コード』
閉館後のルーヴル美術館。 ダ・ヴィンチの有名な素描「ウィトルウィウス的人体図」を模して横たわる、館長の死体が発見された。 死体の周りに残された、不可解な暗号。 その暗号の中には、その夜、彼が会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドン(トム・ハンクス)の名前が含まれていた。 殺人の容疑者として現場に連れて来られたラングドンだったが、館長の孫娘で暗号解読官のソフィー(オドレイ・トトゥ)に助け出される。 暗号の謎をときはじめるふたり。しかしそれは、歴史的真実を覆す謎解きのはじまりに過ぎなかった…。
おススメ度 ⇒★★★ (5★満点、☆は0.5)
cyazの満足度⇒★★★☆
20日から公開のこの作品、全国で3,002(4月末現在)あるスクリーンのうち、863スクリーン(約29%のシェア)での上映は、過去『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(858スクリーン)を抜いて、過去最高の公開規模でスタートを切った。
また、2004年5月発売の単行本は上下巻計230万部を売り上げ、今年3月に発売された文庫版はわずか2か月で上中下巻計710万部(5月19日現在)を売り上げた。 そして購読者の6割以上が女性というのもこの作品の特徴だそうだ。 一時、ノンフィクションの著者が盗作だと主張したが、裁判で訴えは退けられた。 しかし、その作品も売れるというおまけも付いた。
全世界同時公開のこの映画、初日だけで、米国が興収は2950万ドル(約32億4000万円)、物語の主な舞台となるフランスが約2億円と記録的な滑り出し。日本でも約49万人を動員、6億6000万円の興収を記録し、同様にイタリアとスペインでも公開3日間の興行収入が史上最高記録を更新したということです。
公開直後2日間の観客数が約93万人、興行収入は約12億8000万円に達し、公開2日間の興行成績では国内で史上7番目。
公開3日間の興収は約7700万ドル(約84億7000万円)。 今年公開の作品としては最高の数字だが、ハリウッドでは1億ドル(約110億円)を超えると予想されていただけに、関係者にとっては期待はずれの結果となったそうだ。
その反面で、キリスト教の根幹にふれる個所があり、これを「侮辱」とみる宗教団体が、一部で映画の上映禁止やボイコットを働きかけている。 最近ではメル・ギブソン監督の『パッション』が同様の騒ぎになったことは記憶に新しい。
久々に派手な記録づくめの今作品だが、まず公開前に驚いたことがひとつ。
僕がいつも映画を観ている川崎にあるチネチッタは2年連続で入場者数日本一を記録しているシネコンで、いつも二日前に席の予約に出かけているのだが、いつもだいたい一番後ろの真ん中付近を取れる。 しかしこの映画は多分このシネコンで観るように(チケット予約ができるように)なってから、初めて希望の席が取れなかった。 窓口で初日の『ダ・ヴィンチ・コード』と言った瞬間、スタッフに「多分希望のお席は取れないと思いますが・・・」と先制攻撃されてしまった 流石に人気と期待度は本物なんだなぁと映画を観る前に感じたひとコマだった。
そんなこんなで期待に胸弾ませて初日に観に行きました。 もちろん満席。 『ダ・ヴィンチ・コード』一色のシネコン。 年齢層は学生(小学生・中・高校生)はほとんどいない、話題作としては珍しくアダルトな客層でした。
原作は読んでいないので原作に忠実に描かれているのかどうかはわかりませんでしたが、イエスがマグダラのマリアとの間に子をなしたという仮説は一部に批判が出ているもののありうる話ではあったのでそのテーマはかなり刺激的だった。
トム・ハンクスは大好きな役者であるし、共演にオドレイ・トトゥ、ジャン・レノとくれば面白くない訳がないと思っていたのだが、全体的にそのストーリーに厚みがなく、平べったいままに後半までいってしまった感じである。 しかも途中で結論がわかってしまうという何とも期待ハズレの内容に、なんだか「原作の内容もこんな感じなの?」と読んだ人に聞きたいくらいだった。
ロン・ハワードは力量のある監督だと思う。 この壮大な仮説に対してどう立ち向かうのかが関心あったのだが、どうも上っ面をなぞっただけの作品になったようだ。 原作に忠実に描こうとして、こういう作品になったのだろうか?
映画の進行と共に何故、何故という問いかけと謎解きのキャッチボールが何とも草野球のようでとても「凄い~」とか「なるほどそうだったのか~」って感じる部分が少なかった。 まさにストレートしか投げることのできない三流ピッチャーの投球を見ているようだった。
あまりにスケール感を追いすぎて、ストーリー自体に膨らみと厚みがない。 確かに原作を追うとこの時間の尺では描ききれないのかもしれない。 で、あるならば焦点を絞り込んで描くべきではなかったのだろうか?
そもそも奇奇怪怪なミステリーの謎解きを誰もが期待しているがずなのに、なんだかドキドキしないし、新しい驚きもそこにはない。 原作を読んでいるかどうかは別にして、特に斬新な手法も内容の濃厚さ、深みもなく、ただ長い時間だけが淡々と過ぎていく。 解釈の問題はあるとしても、これだけ話題になったのに、監督はどうも主役の3人(特にトム・ハンクス)のキャリアから生まれる何かに期待をしたのだろうか?
原作を読まれた方は当然の如くこのぽ結末を知ってご覧になっていたのでしょうが、実際面白いと感じたんでしょうか?
もっともっとスリリングな展開を期待していた方が悪いのでしょうかねぇ
来日の折に互いに褒め合っていたトム・ハンクス」とジャン・レノ。 何だか絡みづらかったのか二人の味が出ないままに終わった感じがしたのですが、個性派でもタイプが違うため、上手く絡めなかったんでしょうか?
でもあるシーンでとても懐かしい嬉しい思いをしました。 それはトム・ハンクスがホテルに戻り、上目遣いに髭をそっている時の顔、覚えていますか? あのシーンのハンクス顔、その昔『ビッグ』で見せた時の顔に似てませんでしたか(笑)? そこだけが妙に印象に残っているのですが(笑)
配給元のソニーでは宣伝用の素材が少ないというハンデを逆手にとり、小説の表紙にも使われた「モナ・リザ」を前面に打ち出した日本独自のポスターを作製し、宣伝費20億円の巨費を投じ、昨年8月から、劇場と一体になって大規模な宣伝を続けてきたという。 最終的には観客800万人、興行収入100億円を超すと見込んでいるらしいが、前半飛ばしすぎて途中で息切れしなければいいのだが・・・。 僕が思うには、僕の周りで観た人の話だと決して面白いと言った人は居ないことから、口コミでペースダウンするのは間違いないだろう。
余談だが、この映画(原作)が公開されることで、にわかにダ・ヴィンチを取り上げたTV番組も多く制作された。 正直言ってこの映画本編よりもそういったTVの特別番組の方がより興味深く、またダ・ヴィンチの謎に迫っていたように思うのだが・・・
さてみなさんの感想はいかがなものだったんだろうか?
≪追記≫ 「ダ・ヴィンチ」1000万部 角川書店
世界的なベストセラー小説「ダ・ヴィンチ・コード」(ダン・ブラウン著)の国内の発行部数が、単行本と文庫本を合わせ1000万部を突破したと、出版元の角川書店が24日、発表した。 同社によると、小説を原作にした映画の公開日前日から売れ行きが伸び、公開後さらに加速したという。
内訳は単行本(上・下・愛蔵版)が237万部、文庫本(上・中・下)が770万部で、合計1007万部。 (5/24、Yahoo!ムービーより)
≪追記2≫ 「ダ・ヴィンチ・コード」の前作「天使と悪魔」も映画化
、「ダ・ヴィンチ・コード」の作者、ダン・ブラウン氏の前作で「ダ・ヴィンチ…」の序章にあたるサスペンス小説「天使と悪魔」(2000年出版)を米ソニー映画が映画化する。ハリウッド業界紙デイリー・バラエティーが同日伝えた。
「天使…」はバチカンを舞台にテロリストとの対決を描いた作品。映画「ダ・ヴィンチ…」の脚本担当のアキヴァ・ゴールズマンが映画「天使…」の脚本担当として、すでにソニー映画との契約書にサインしたという。製作担当は「ダ・ヴィンチ…」と同様、ブライアン・グレイザーとジョン・ジョン・コーリーの2人。
監督や出演者、撮影開始時期などは今後決定する予定で、「ダ・ヴィンチ…」のロン・ハワード監督や主演トム・ハンクスが再び登場するかどうかは未定だという。
(5/25、Fiji Sankei Business i より)
「モナ・リザ」を前面に押し出した宣伝だったので、てっきり名画に隠された謎を解き明かしていくものだとばかり思っていました。^^:
肝心の謎解き部分もアッサリ進んで観客を参加させてくれないし(苦笑)
中盤以降から結論が読めてしまうし、登場人物の背景は分かり難いしで…
なんだか文句ばかりになっちゃいますが(汗)題材は興味深いので原作を読んで補完しようと思います。^^
うーん 期待が大きい(あおられた)だけに
なーんや 普通やん。って感じでした。
好きなトムなのに いまひとつノレなかったです。
やっぱり原作を読んでいるとイメージが違いました。
”「ビッグ」のトムの表情”だなんてー よくご覧になってましたね!
TBさせていただきます。
>「モナ・リザ」を前面に押し出した宣伝だったので、てっきり名画に隠された謎を解き明かしていくものだとばかり思っていました。^^:
これについてはTVの特番の方がはるかに面白かったですね!
>肝心の謎解き部分もアッサリ進んで観客を参加させてくれないし(苦笑)
そ、そこなんですよね(笑)? 引き込まれなければただのあらすじなぞっているだけですもんね(笑)
>中盤以降から結論が読めてしまうし、登場人物の背景は分かり難いしで…
ロン・ハワード監督の本来の見せ場は封印されてしまったようでしたね(笑)
>題材は興味深いので原作を読んで補完しようと思います。^^
さすがルーピーQさん、口直しに原作を^^ 僕は読みたい本がたくさんあるのでしばらくパスですね(笑)
>うーん 期待が大きい(あおられた)だけになーんや 普通やん。って感じでした。
ほんまフツウでしたな(笑) っていうかこれだけの話題・制作費・キャストを従えては、“並”でしょうか・・・><
>好きなトムなのに いまひとつノレなかったです。 やっぱり原作を読んでいるとイメージが違いました。
トム好きの僕としても今回のトムの役作りにはあまり感心しませんでした。
>”「ビッグ」のトムの表情”だなんてー よくご覧になってましたね!
彼の全作品に共通することですが、シリアスなものでも必ずコミカルな表情をするんですよ^^ そこが彼のオチャメなところで、とても好感がもてるところなんですよ^^
ビッグになっても、また『ビッグ』のような作品を撮って欲しいものです!
>TBさせていただきます。
gooの点検のせいでしょうか、まだ反映されていないみたいですね(笑)
いつもありがとうございます^^
私も原作を読んでいない派なんですけど
結構楽しめてしまいました
と言うのはダビンチ・コードのストーリーはともあれ
レオナルド本人の伝説が楽しく 彼に纏わる色々な事が
ストーリーに絡ませていくのですから ほほ~こう解釈したか
等と勝手に面白がっていました
なんて言ったって主役はレオナルド・ダビンチです
ファンの人には申し訳ないのですが
トム・ハンクス、オドレイ・トトゥ、ジャン・レノは脇役かな?(笑)
映画ならではのおもしろさはあったんですが
・・この話もテレビのスペシャルですでに見てしまったし・・トホホ。
原作は「謎解き」が当然おもしろいわけなので
映画化ってことは
犯人がわかってる殺人事件のドラマをみてるようなもん。
しかも古畑とちがってそこにいきつく肝心の推理が
実際はしょりすぎて解読があっけないため
ミステリーをあてにして原作は読まなかったひとすら
え~~っってことになる。
実際モナリザは客寄せパンダで映画じゃ活躍しない。(爆)
予告CMの段階でネタバレしてるって
どうなんでしょうね・・。
映像はスバラシかったです。なんせデジタルですし。
フフン・・(解ってんだかドーだか・・笑)
信者でないもんにとっては興味もつものがいっぱい。
バッシングされることさえ、宣伝になる映画。
ルーブル行きたいか~♪っていう誘惑。
そっちの部分では成功ですけどね~?!
TBさせていただきました。
小説がどのように映画化されるのか期待して観に行きましたが、期待はずれでした。
(小説はおもしろかったのに・・・)
まあ、ストーリーが小説とは多少違っていたのでそれなりには楽しめましたけどね。
一緒に観に行った両親(二人とも原作未読)は最後まで内容が理解できなかったようです。
原作を3回読んだ上で映画を観てきました。
「あ。ここのシーンがこっちに移ってる!」「台詞だけパクッてる!」等,色々と気付く点もありましたが,私としては好きな俳優さんがけっこう出演しているので,それだけで大満足。
ポール・ベタニーの鞭打ちシーンで,彼のお尻だけで十分です!!と思いました(笑)。
うちの部長も「原作を忠実に再現しようと思わないで、どこかに焦点を当てて、そこを掘り下げればよかったんだ!」って批判していました。笑
私は原作を読んでいたのですが、
それなりに楽しめました。
確かにモナリザ。。。ぜんぜん出てこなくてすごくザンネンでした!
原作読んでましたので、このあっさりな展開でも
よしとしてしまいました(笑)
勝手に自分の中でシラスの背景、補完しちゃってるし(爆)
ストーリーに厚みを持たせられなかったのは残念ですが、あの謎解き全部やったら
前後編でやらなくちゃ 無理っぽいと思いました。
猫的には去年の煽られ映画『亡国のイージス』よりは
納得モノです。
昨日できなかったTB いただいていきますね~♪