京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『ジャンゴ 繋がれざる者』

2013-03-14 | 洋画

 

□作品オフィシャルサイト 「ジャンゴ 繋がれざる者
□監督・脚本 クエンティン・タランティーノ
□キャスト ジェイミー・フォックス、クリストフ・ワルツ、レオナルド・ディカプリオ、
       ケリー・ワシントン、
サミュエル・L・ジャクソン、ウォルトン・ゴギンズ、
       ドン・ジョンソン、クエンティン・タランティーノ


■鑑賞日 3月9日(土)
■劇場 TOHOシネマズ川崎
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 
久しぶりのクエンティン・タランティーノ監督(脚本)の異色のウエスタン。
 さすがに下馬評どおりと言うか、オスカー獲得の実力ある作品だ。
 しかもマカロニ・ウエスタン調の映画は久しぶり。
 長尺物なのに、長さはちっとも感じなかった。

 ストーリーは南北戦争直前のアメリカ南部で、黒人奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、
 賞金稼ぎのドイツ人シュルツ(クリストフ・ワルツ)に買われていく。 差別主義を嫌うシュルツは、
 ジャンゴを黒人ながら“自由人”として扱い、自分の賞金稼ぎの相棒として鍛えていく。
 その二人の様子が何とも可笑しくて面白い。 それまで虐められた奴の服を着ていた
 ジャンゴだったが、相棒に認められたシュルツに途中の村で、好きな服を選んでいいと
 言われ、それがまたどド派手なブルーの服だったから、あちこちで笑われる。
 しかし、“自由人”と言えども、馬に乗った黒人はこの時代だから白人に敵対される。
 二人の賞金稼ぎの旅は、一見シェリフと言うだけでその過去を知らない住民たちが頼りに
 していたりするけれど、実は過去に悪さをしていて、首を狙われているおたずね者だったりする。
 その決めゼリフは、まるで水戸黄門の印籠のよう(笑)
 広大な農場主も実は過去に悪さをしておたずね者のレッテルを貼られていて、
 そんな過去の悪さを二人はどんどん暴いていき、首を獲っていく。
 それは昔あったマカロニ・ウエスタンのようにバッタバッタとガンで撃ち殺していく。
 ちょっと肉が飛び散ったりするのはイタいところだが(笑)

 道中、二人はジャンゴの生き別れになった妻が残忍な領主として名高いキャンディ
 (レオナルド・ディカプリオ)の農園にいると知り、彼女を取り戻すため危険を承知で乗り込んで行く。
 ここでのシュルツとキャンディの駆け引きは見物。
 やはりここでも弾丸飛び交うシーンが多かったのだが、犬に噛み殺させるシーンは特にイタかった。
 このキャンディを演じるディカプリオもなかなか嬉々とした演技で、時代劇でいうところの、
 「おぬしも悪やのう」的役回りはとてもユニークな存在。

 まさにタランティーノが、胡散臭いドイツ人と奴隷あがりの黒人の変わった賞金稼ぎの
 キャラクターをこのコンビに新たに与えているという感じ。 ジェイミー・フォックスが言葉
 少なな感じに対し、クリストフ・ワルツはこの映画で7割がた、しゃべっているといっても
 過言ではない。 ま、そこが認められてオスカーを獲ったのかもしれないが(笑)
 ストーリーも破天荒で、かつ観客を魅了し、飽きささないところはさすがタラちゃんだ。
 ま、本人は終盤少ししか登場しないし、ダイナマイトでぶっ飛ばされてしまうが(笑)、
 ちょっとしたスパイスを吹き込んでいた。
 ここではジェイミー・フォックスとクリストフ・ワルツのケミストリーを予見したかのように
 賞金稼ぎコンビにしたところが、何とも心地よい。

 そしてもう一人、キャンディの執事役でサミュエル・ジャクソンの怪演が見られるのも嬉しい。
 久しぶりのドン・ジョンソンにはマイアミ・バイスのときの輝きのカケラもなくて(笑)
 やり過ぎ感はタラちゃんの持ち味で、自らが監督としても映画作りを楽しんでいるということで、
 細かいところは気にせず、どんどん展開をしていくところは、ある意味スカッとするところだ。
 ま、無茶苦茶に派手で血糊も多く、内臓が吹っ飛び、ダイナマイトもハンパなく、
 そんな見せ方は賛否両論あるにしても、エンターテイメントとしては満足のいくところだ。
 そうそう、ジャンゴが捉えられ、逆さ吊りにされ、○玉を切り取るシーンではボカシが
 入っていたけど、あれ向こうでは、ジェイミー・フォックスの○玉が映し出されているのだろうか?
 だとしたら、ジェイミー・フォックスに金賞をあげよう(笑)
 今回のアカデミー賞で、クリストフ・ワルツは助演男優賞を、そしてタラちゃんは脚本賞を受賞。
 ともにそれに値する娯楽性の高い映画だったと思う。


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6 コメント

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特筆すべき評 (iina)
2013-03-15 10:05:38
決めゼリフが、まるで水戸黄門の印籠のようで、「おぬしも悪やのう」のディカプリオとの駆け引きも冴え、黒人の執事役
の怪演があって、最後の落ちにジェイミー・フォックスに金賞をあげちゃうあたり、なかなか通人の評でした。
まことに、娯楽性の高い映画でした
返信する
印籠~ (cyaz)
2013-03-15 12:11:58
iinaさん、コメント、ありがとうございますm(__)m

>決めゼリフが、まるで水戸黄門の印籠のようで、「おぬしも悪やのう」のディカプリオとの駆け引きも冴え、黒人の執事役の怪演があって、
確かにそうですよね(笑)
どこでも決めゼリフ的なものがあるんでしょうかねぇ(笑)

>最後の落ちにジェイミー・フォックスに金賞をあげちゃうあたり、なかなか通人の評でした。
ありがとうございます(笑) あのボカシはねぇ・・・。

>まことに、娯楽性の高い映画でした。
久しぶりのマカロニ・ウエスタンでした^^
返信する
面白かった! (オリーブリー)
2013-03-18 21:18:54
こんばんは。

これ良かったですよねぇ~痛快な娯楽を思う存分楽しめて、メッセージもちゃんと伝わるし。
これぞタラちゃん節って感じでした(笑)
返信する
タラちゃん節~ (cyaz)
2013-03-18 22:08:38
オリーブリーさん、コメント、ありがとうございますm(__)m

>これ良かったですよねぇ~痛快な娯楽を思う存分楽しめて、メッセージもちゃんと伝わるし。
そうですね^^ 久しぶりのマカロニ・ウエスタンでしたし^^

>これぞタラちゃん節って感じでした(笑)
結構、遊びの部分も多かったですし、
そういう意味では確かにタラちゃん節って感じでした(笑)
返信する
こんばんは♪ (タケヤ)
2013-08-29 20:36:42
先日ようやく観賞となりました。

面白かったですねえ。クリストフの
ちょいととち狂った演技?が最高でした。
長尺でしたが僕も長さは感じなかったですね。

地元ではこれ、やらなかったんですよ。(上映が)
田舎の悲しいところです。
返信する
独特の間~ (cyaz)
2013-08-30 08:10:46
タケヤさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>面白かったですねえ。クリストフのちょいととち狂った演技?が最高でした。
なんか独特の間が、上手くかみ合っていましたね(笑)

>長尺でしたが僕も長さは感じなかったですね。
ですよね^^

>地元ではこれ、やらなかったんですよ。(上映が)
田舎の悲しいところです。
あらら、それは残念でしたね><
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