京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『夢駆ける馬ドリーマー』

2006-05-30 | 洋画


夢に向かって走れば    
           奇跡は起こる

 



■監督・脚本 ジョン・ゲイティンズ
■キャスト カート・ラッセル、ダコタ・ファニング、クリス・クリストファーソン、エリザベス・シュー、フレディ・ロドリゲス、ルイス・ガスマン、デイヴィット・モース

□オフィシャルサイト  『
夢駆ける馬ドリーマー

 牧場経営とトレーナーを生業としているベン(カート・ラッセル)は、娘のケール(ダコタ・ファニング)と共に馬の調教へと出かけた。 彼が担当している馬の一頭がソーニャドール。 走る姿を見て、ケールは一目でその牝馬を気に入ってしまった。 しかしレース当日、ベンはソーニャの異変に気づく。 オーナー(デイヴィット・モース)に出走をやめるよう進言するが却下され、結果ソーニャはレースで足を骨折。 オーナーは安楽死を命じるが、ベンはギャラと引き換えにソーニャを引き取ることにするのだった。


 おススメ度 ⇒★★★☆ (5★満点、☆は0.5)
 cyazの満足度⇒★★★★


 実にアメリカ映画らしい映画だ。 
1頭の負傷した馬の再起にかける家族が、この馬に出会い、失われていた家族愛をも同時に取り戻していくという実話に基づいた物語だ。

 動物との触れ合いを通して人間愛を描く作品は過去にもあった。 今回は馬なのだが、最近ではトビー・マグワイア主演の『シービスケット』、少し前の『モンタナの風に抱かれて』。 どちらも感動した映画だ。 両作とも人間の再起がテーマだったのだが、この作品では馬の再起をベースに描かれているところが相違点かもしれない。 『シービスケット』は比較的最近なので観ている方も多いと思うが、『モンタナの風に抱かれて』をまだ観ていない方は多いかもしれない。 是非この作品秀作なので観ていただきたい。 特筆できるのは今やハリウッドでは引っ張りだこ(特に監督や衣装デザイナーたちに)のスカーレット・ヨハンソンの少女時代が見れるので。

 父親役のカート・ラッセルは昔から好きな役者だ。 特に男前というわけでもないが、不器用だけどハート・ウォーミングな役柄が似合う人だ。 特にこの映画では、馬の再起にあわせるように、自分の父親役であるクリス・クリストファーソンとの長い間の確執を少しずつ修復していく。 クリスも派手な演技ではないが、最近バイプレーヤーとしていい演技を見せてくれるようになった。 二人が並んで馬を見ている姿はまるで本物の親子のような佇まいだった。

 妻役のエリザベス・シュー、相変わらず可愛い人だ。 いい意味で年を重ね、少しふっくらした体つきになったものの、やはり昔の鋭いキレはないものの円熟した安心できる演技で陰ながら家族を支える妻であり、母をよく演じている。

 派手なアクションやCGなんてここにはない。 自然な大地、そして再起をかける馬の世話を通して人生を見つめなおす家族の温かい姿だけが際立って映る。 淡々とした時の流れのなかで、しっかりと人間愛や家族愛、友情を描き出している。

 なかでもダコタ・ファニング。 この子は将来いったいどんな女優に育つのだろう。
恵まれた環境は、まわりが作っているのではなく、きっと彼女の天性の魅力が多くの機会を与えているのだろう。 今まで共演してきた荘々たる俳優たちがそれを証明しているだろう。

  『アイ・アム・サム』でショーン・ペンと。
  『コール』でシャーリーズ・セロンと。
  『マイ・ボディガード』でデンザル・ワシントンと。
  『美しい人』でグレン・クローズと。
  『ハイ・アンド・シーク』でロバート・デ゛・ニーロと。
  『宇宙戦争』でトム・クルーズと。
  そして本作でカート・ラッセルと。

 彼女についてはこのまま少しずつ大きく伸びてほしいものだ。

 
オフィシャルサイトのプロダクション・ノーツから

 「競馬ファンとして、再起できないような重い負傷から復活した驚くべき馬――マライアズストームの話を聞き、心に残った。 前途有望な牝馬マライアズストームは人気を集めたが、左前方脚骨を折ってしまう。 かなりの重症で、彼女のキャリアは終わってもおかしくなかったが、彼女のオーナーと調教師は信頼を失わず、忍耐と努力の末に骨折は治り、復活した。 現在のアーリントン競馬場にはマライアズストーム・ステークスという彼女の名前をとったレースが存在するほどだ。」


 原作がバカ売れし、スクリーンを独占し、色んな記録を塗り替えている、それでいて中身が伴わない作品の傍らで、この作品は上映されている。 それは大きな感動ではない。 だけど心洗われる何かがそこにある。 見落とさないで是非観てほしい。 そして感動の涙を流していただきたい。

 一頭の馬・ソーニャドール。 ソーニャドールとはスペイン語で“夢見る人”の意。
この映画の中でこの家族と同じ夢が観れて本当に良かった。





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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ヨハンソン (kossy)
2006-05-31 08:46:17
スカーレット・ヨハンソンの子供時代なら「のら猫の日記」もオススメです。ほとんど主役でした。

返信する
へぇ~ (cyaz)
2006-05-31 08:59:01
kossyさん、TB&コメントありがとうございましたm( )m



>スカーレット・ヨハンソンの子供時代なら「のら猫の日記」もオススメです。ほとんど主役でした。

そうなんですか^^ それは未見ですので機会をみつけて観たいと思います! 情報、ありがとうございます^^





返信する
TBありがとうございました。 (ありす)
2006-05-31 22:14:44
エンディングがわかっているにもかかわらず

感動で出来る映画でした。

ダコタちゃん ホントにそのまま伸びて欲しいデス。
返信する
おはつです~ (cyaz)
2006-06-01 08:54:03
ありすさん、コメントありがとうございましたm( )m



>エンディングがわかっているにもかかわらず感動で出来る映画でした。

そうでしたね^^ 素朴な感動が良かったですね~♪



>ダコタちゃん ホントにそのまま伸びて欲しいデス

これからの環境にも寄りますが、素直に成長して欲しいですね!

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Unknown (norico)
2006-06-03 01:36:48
TBありがとうございます。

嫌われ松子の一生、それぞれ色々な感想があると思います。とにかく色々と考えさせられる映画でした・・・。

私的には、ゴリがどうしても落武者のキャラとかぶってるような気がしてなりませんでした。。。「うひひひ」って笑うとことか(笑)
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えっと~ (cyaz)
2006-06-03 08:45:38
noricoさん、コメントありがとうございましたm( )m



せっかくコメント戴いたんですが、記事が違いましたね^^



>私的には、ゴリがどうしても落武者のキャラとかぶってるような気がしてなりませんでした。。。「うひひひ」って笑うとことか(笑)

原作のイメージを一度壊していたら、ゴリのこれもありだと僕は思いましたが^^

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TBありがとうございました☆ (Ren)
2006-06-04 10:05:53
ラストは予想しつつも、やはりその通り。

最後のレース、結果はわかってるけど。。

やっぱり手に汗握って応援しちゃいました。

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そうですね~ (cyaz)
2006-06-04 23:31:06
Renさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m



>ラストは予想しつつも、やはりその通り。 最後のレース、結果はわかってるけど。。 やっぱり手に汗握って応援しちゃいました。

そうですね^^ 結末はわかっていても、家族のなくしつつあるものを修復していくプロセスがこの映画のメインですからね!



返信する
素敵ですね (クモ)
2006-06-09 09:51:59
こんにちは、クモと申します

TBをいただきまして、ありがとうございます

cyazさんの文章は素敵ですね。スラスラととても読み易いですし

クモも同じこと考えておりました。カートとクリスが並んでいるシーン。

演技とは思えないほど、2人の心が近付いているように見えました

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おはつです~ (cyaz)
2006-06-11 10:13:09
クモさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m



>cyazさんの文章は素敵ですね。スラスラととても読み易いですし

いえいえ、拙い文章でお恥ずかしいです><



>演技とは思えないほど、2人の心が近付いているように見えました

そう見せてくれるところに良さがあるんでしょうね? こういう映画は^^



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