京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

「砂上のファンファーレ」/早見和真

2014-05-09 | Book

「砂上のファンファーレ」/早見和真(幻冬舎)

 

  5月に映画化され公開するとのことで読んでみました。
  内容は一口で言えば、ある一家の家族再生の物語。
  著者の早見和真さんは以前、デビュー作の『ひゃくはち』が映画化されましたね。

 物語の中心は物忘れが激しくなった母。 そして事業がうまくいかず
 やや自覚に欠けた父。 その父母の借金を知って驚く長男。 そして彼の妻は
 舅姑に対して冷たい。 好き勝手生きている大学生の弟。
 
 なんだかどこにでもありそうな家族なのだが、彼らが持ちうる最大限の力で
 もって、冷えかかっていた家族関係が修復されていく様を、母親の痴呆と
 その回復を、並行しながら描いていく。

 そもそもこの兄弟は仲が悪く、疎遠だった。 しかしながら、しっかりしていない
 父親を横目に、母の痴呆が兄弟の結束と強めていく。
 このあたりが、自分の両親の認知症の発覚と進捗を追うにつけ、僕と弟も実際
 言葉を交わさないほど仲が悪かったが、その距離を一気に縮めた。

 財産のあるなしは関係ない。 母親の少しでも長く存命させること。 その
 一つのミッションが、それぞれの裁量をフルスロットルで出していく。
 家族のそれぞれの個性と特徴が、意外にうまく交わってテンポよく読めた。

  ふと、読み終わって振り返ってみる。 今、自分に、いや自分たちに出来る
  最良の両親にしてやれること。 それが、今まで、いつまでも子供のように
  心配してくれていた両親への恩返しだと思う。

    映画(オフィシャルサイト)  「ぼくたちの家族


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2 コメント

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こんばんは (kazu)
2014-05-09 21:29:11
最初は重い内容と思いましたが
読み続けて行くうちに結構
すっと心の中に入ってきて読みやすかったです。
家族がまとまって一つになっていくのが
素敵でした。
返信する
家族再生~ (cyaz)
2014-05-10 08:04:30
kazuさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>最初は重い内容と思いましたが読み続けて行くうちに結構
すっと心の中に入ってきて読みやすかったです。
そうでしたね^^
僕の場合は自分たちの置かれている状況とオーバーラップしましたが。

>家族がまとまって一つになっていくのが素敵でした。
同じ血が繋がっているんですからね^^
返信する

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