『ミーアキャット（吹替版）』

□作品オフィシャルサイト　「ミーアキャット」
□監督　ジェームス・ハニーボーン
□ナレーション　ポール・ニューマン
□日本語吹替版ナレーション　三谷幸喜

■鑑賞日　１月１７日（土）
■劇場　チネチッタ
■cyazの満足度　★★★☆（５★満点、☆は０．５）

＜感想＞

　アフリカのカラハリ砂漠に生きるミーアキャット。　その日光浴姿の愛嬌のある姿は見ていると微笑ましい。　しかしながら、弱肉強食の動物の世界、それは自然がもたらせる危険と生き残ることために強いものから狙われる危険を秘めている。　常に危険と隣り合わせの状態で生き抜いていくミーアキャットの知らざれぬ世界を追っていく。

　制作は『ディープ・ブルー』や『アース』の製作チーム（ＢＢＣ）

　彼らを取り巻く環境は身長３０ｃｍ程度の彼らにとっては巨大な生物ばかりで、翼を広げると２ｍにもなるようなワシや、毒ヘビ、そして百獣の王ライオンなどなど。　そして時には別なミーアキャットとの縄張り争いも。　そこで生き残っていくために、生まれたばかりのやんちゃで好奇心の旺盛な１匹のコロの成長を通して彼らの伊生き残る術を追っていく。　こういう動物ドキュメンタリ－はＢＢＣの得意とするところだ。

　それにしても彼らの低い目線と、時には空から彼らを狙うワシの目線、或いはミーアキャットの巣穴の中の様子は見応えがあるところだ。　それらのワシやヘビからの逃走劇やかけひきはなかなか面白い。
　ああいう巣穴にカメラをどうやって固定し、また巣穴に入っていくミーアキャットの後をカメラで追えるのか不思議だ。　恐らく膨大な時間とフィルムを使っての根気と忍耐の賜物なのだろう。

　知らなかったがミーアキャットはマングース科で、コブラは天敵だったのだ。　コロの家族や親戚総動員でコブラに対抗する姿はやはり種そのもの。

　とはいえ、コロの身代わりに兄さんがワシに捕まってしまうところはちょっと可哀想だった。

　僅か１年足らずで、コロは新しい弟たちのリーダーとして、兄さんから生きていく為の術を得たとおり、弟たちに教えるところは、死と隣り合わせの人間社会ににはない厳しい自然界の姿を象徴している。

　ミーアキャットのユニークさから、吹替版のナレーションは三谷幸喜だったが、狙いと違ってミスキャストだと思った。　『アース』の時は渡辺 謙がナレーターを務めていたが、そこまでいかなくても三谷幸喜以外の人が良かったと思う。

　吹替版しか上映していなかったので仕方がなかったが、この映画昨年惜しくも亡くなってしまったポール・ニューマンがナレーションを務め、しかも残念なことにこれが彼の遺作となっている。　是非彼の最後のナレーションで観たかった映画だ。