カンヌの隠れ名物

みなさん、お元気でしょうか？
カンヌ近辺ではミモザの黄色が目立つ季節になってきました。
春は間近です。

同居人のジュリアンが、勉強ばかりしないで街に出て女を見ようぜ、とおやつの時間に誘ってきました。
こう言う場合はきまって、新しい単語や知識や文化も必ず覚えれるんで、もちろんと返事し繰り出すことに。
ジュリアンの解説付きで繁華街を歩き、お茶で有名なお店のテラス席で暖かいショコラを飲みながら通り行く女性の品定めや世間話をしていると、後ろから変な音楽が聞こえてくるではありませんか。
僕は気に留めなかったんですが、ジュリアンが笑いながら、カンヌ一のスターを知ってるかい、と問いかけてきました。
聞いたことがないと返事すると、彼は後ろにいるよ、と言い目で僕の後ろ指しました。
振り返ってみると、右手にラジカセを抱え力なく歩いている小汚いスーツを着たおじさんがいました。
行き行く人々が苦笑して振り返ると、おじさんはとても満足げで、少し歩いてはお店の前で営業妨害をしたりしています。
ついには僕の横にもきました。
その音量は大変不快でした。
ジュリアンの説明によると、昼間は不意に繁華街現れ、夜は映画祭会場の前とかでラジカセと共に歌に磨きをかけている、超有名な騒音おじさんなんだとか。
よく知り合い遭遇するくらいカンヌは小さい街なので、僕も変な意味で有名にならないように気を付けたいと思いました。
ちなみにどの位小さい街かというと、僕の故郷の小長井町よりも小さく、僕の帰巣本能が働く葛西地区よりもかなり小さく、僕の心が安らぐ三保地区よりも小さいのです。



帰り道に高級時計屋の前を通ると、ジュリアンがオーデマピゲって知ってるかと聞いてきました。
唯一僕が欲しいメーカーだと返事すると、知り合いがオーデマピゲで働いていて40％引きで買えるから遠慮なく言ってくれ、とのこと。
だいたいこう言う話し上手くいかないのが常なので、今は何百万が40％引きでも買えないから30年後にお願いするよ、と返事しておきました。