建交労長崎県本部

全日本建設交運一般労働組合(略称:建交労)長崎県本部のブログです。
労働相談は、095-801-8800まで。

じん肺キャラバン便り9号

2022年11月01日 17時44分42秒 | なくせじん肺キャラバ...

2022年(第33回)なくせじん肺全国キャラバン =長崎実行委員会便り・第9号=

 2022.10.27 実行委員会事務局 Tel‐095-801-8800 Fax-829-1680<Eメールkenkouro-nagasaki@d9.dion.ne.jp>

10月25~26日東京集結行動

3年ぶりに長崎からも8人が参加

10月25~26日、2022年(第33回)なくせじん肺全国キャラバン東京集結行動が行われました。

長崎からは、西日本石炭じん肺長崎請求団、三菱長船じん肺第3・4陣原告団、三菱長船患者会、じん肺弁護団、建交労の5団体から8人が参加しました。長崎からの東京集結行動への参加は2019年(第30回)キャラバン以来3年ぶりとなりました。

厚生労働省前の集結行動には、全国から150人近くの人たちが集まりました。主催者を代表して全国キャラバン実行委員会事務局長の鈴木剛弁護士がじん肺・アスベストを巡る情勢などについてあいさつを行いました。原告団や支援団体などのあいさつが続き、厚労省に向けシュプレヒコールを行いました。

 

 

衆議院第1議員会館に於いて 建物改修解体シンポジウム開催

25日の午後2時半から衆議院第1議員会館で、第33回キャラバンの目玉でもある「建物改修解体問題シンポジウム」が開催され、4人の方から専門的で詳しい報告が行われました。

法はできたが日本のアスベスト対策は不十分

東京土建一般労働組合の川口敏彦労働対策部長からは「解体工事現場の事前調査と状況について」現場での写真も交えた報告がありました。

古谷杉郎石綿対策全国連絡会事務局長からは「アスベスト規制をめぐる最近の国際動向」についてEU、欧州議会、欧州委員会、英国、オーストラリア、米国などと比較して日本は先進国の中でアスベスト対策が最も遅れているという報告が行なわれました。

中皮腫・じん肺・アスベストセンター所長の名取雄司医師からは「石綿関連法規改正と今後の課題」と題した報告が行われました。名取医師は、「石綿輸入量と中皮腫死亡者が比例して急増している」という説明を行った後、この間改正された「石綿障害予防規則」(厚生労働省)と「大気汚染防止法」(環境省)、建築基準法(国土交通省)があるが、どれも罰則も甘く不十分であると報告されました。

アスベストの大半は石綿含有形成版等に使用 木造など3300万棟の改修解体が続く

最後にジャーナリストの井部正之氏が「アスベスト対策の自治体条例と補助制度」について報告しました。井部氏はアスベスト対策が最も進んでいるドイツと比べたイギリスの新聞「ガーディアン」に掲載された記事を引用し「イギリスはドイツの10倍子どもにアスベストを吸わせている」「(2016年頃)日本は15~30年前の英国だね」と言われていたと紹介しました。アスベストの除去費用の負担もオーストラリアは50%補助、オランダ、韓国などでも日本と比べ大幅に進んでいると述べました。吹き付けアスベストが使用された日本国内の建物280万棟の解体ピークは2022年からすでに始まっていて2038年頃まで続き、これ以外に木造など約3300万棟もの改修解体が続くと警告しました。さらに、日本で輸入されたアスベストは、約1000万トンにも及び、700万トンは石綿含有形成版等(レベル3建材)に使われています。(※レベル3は長い間無届で処理されてきました)

シンポジウムに引き続き全国キャラバン終結集会 三菱長船3陣のHさんが訴えました

建築物改修解体シンポジウムに引き続いて終結集会が行われ、キャラバン代表委員の角田季代子建交労委員長が主催者あいさつ、全国じん肺弁護団連絡会議田中貴文幹事長が基調報告を行いました。

「トンネルじん肺救済法成立に向けて」(佐藤陵一全国トンネルじん肺闘争本部長)と「建設アスベスト給付金改正に向けて」(全国建設アスベスト訴訟全国統一本部事務局長)の決意と方針が述べられた後、裁判をたたかっている原告からの決意表明があり、長崎から参加した三菱長船第3陣原告のHさんが発言しました。

Hさんは、「亡くなった仲間や病気で療養中の原告の仲間を代表して東京に来ました」「11月7日に第3陣の長崎地裁判決があるが、(被告三菱重工業は)じん肺で苦しんでいる原告に対し国が認めたじん肺を否定している。何としても全員の勝利を勝ち取りたい」「全国の皆さんのご支援をよろしくお願いします」と心を込めて訴えました。

 



最新の画像もっと見る