いい絵画を判断するのは難しいです。
知識としていろいろな画風や画家、歴史、表現方法など学んだり、画集などの写真をみて色彩や構図など研究したりすることはできますが、形式的な知識に過ぎません。知識は絵画を判断するのには大いに役立ちますが実際に直接絵画を見て感じる空気や雰囲気など伝わる迫力を感じるようにしなければなりません。
文字や数字になかなか置き換えることができない部分なのでどこまでやればいいというものでもないのが難しいところです。
美術館などに出向いてできるだけ本物を目の当たりにして作品を感じるようにする必要があります。
また、実際にインテリアに飾るとなるとその所有者の相性やインテリアとのマッチングなど絵画そのものだけを考えていても、絵画を活かすことが出来ません。
絵画を飾る空間をデザイン、コーディネイトするように選ばなければせっかくの絵画も生きてきません。絵画はその額縁も作品の一部だといわれるように、いろいろ周辺のものと一体になって初めて輝くのではないでしょうか。
10月になるとその商店街ではお祭りが行われます。通りいっぱいに人がひしめき合い、シャッターを閉めたお店の前にはいろいろな屋台が並びます。
何気なく人ごみの中を歩いていると、まだ閉店時間になっていない額縁屋さんに気がつきました。そして、人に押され丁度額縁屋さんの前で立ち止まる事になってしまったのです。
沢山の額縁が沢山並べられ、壁には額に入れた絵画が飾られていました。人の流れが動かないので、しばらく立ち止まって見ていると、額縁だけではなくたくさんの絵画も額縁に入れられ販売されていたのです。
私は動かない人並みから外れてお店に入ってみました。そして、壁に掛かっている何ともいえない表情で首を傾げた可愛いネコがコチラを向いている絵画を見つけたのです。
思わずお店の人に価格を聞くと、思っていたより安い価格で購入する事にしてしまいました。自分でも驚く程の衝動買いだったのですが、とても気に入った絵柄だったことと、額縁屋さんが額を売るために額に合うものを選んで飾っていたので、本当に絵画と額がぴったりと雰囲気よく出来上がっていたため、すぐに購入する事に決めたのです。
いろいろな物との出会は本当に面白いと、この額縁屋さんで購入した絵画を見るたびに思います。また、いつかまた、このような出会いで私の手元にやって来る絵画があるかもしれないと楽しみに思っています。
知人の家や、また仕事で他の会社のオフィスを訪ねて、いい絵画が飾られていると、心がなごみますよね。そして、その家やオフィスの主のセンスもかかっている絵画からうかがい知ることができます。
私は海外旅行が好きなので、絵画といってもお土産品程度のものですが、海外で買ったものをインテリアとして部屋に飾っています。それぞれの絵画を見ると、その国の楽しい思い出や美しい風景が蘇り、一瞬タイムスリップしたような気がしてしまいます。
今はインターネットのオークションや通販で絵画も安く買えるようになりました。高いものでなくても、いい物はたくさんありますから、お部屋のインテリアとして、また知人への新築祝いなどの贈り物として、素敵な絵画を探してみてはどうでしょうか。
この部屋は古典的な風景画、この部屋はモダンアートなどと部屋ごとに絵画のテーマを決めて絵画を飾るのも様々な雰囲気が味わえて、楽しそうですね。私も、今度は、モダンなアートを買うのに挑戦してみたいですね。
皆さんは、家の中に、何か絵画を飾っていますか?
私の家では、子供のころから、家の中の廊下や部屋の壁に、絵画を飾ってありました。
多分、親の趣味もあったんだと思います。
今自分が大人になって思うには、絵画には、「絵」の要素と「インテリア」の、要素の両方があるように思っています。
例えば、応接間に飾ってある絵画は、お客様がいらしたときにソファーで座ってお茶を飲みながら家の人が来るまでに、何となくでも絵画を鑑賞しているかもしれませんが、部屋の中ではなく、廊下や階段付近に飾ってある絵画は、その家の中で暮らしている本人たちも、ときどきいらっしゃるお客方も立ち止まってずっと観賞していることはなかなか無いと思います。
しかし、廊下の絵画だけでも、たまに廊下と階段などで絵画の入れ替えたり配置換えをすると、それだけでも、家の印象が、かなり変化します。
絵画には、そういう「絵」の要素と「インテリア」の要素があると思います。
現代の絵画とは何の為にあるのでしょうか?
絵画を描く人達は何の為に描いているのでしょうか?
勿論、人それぞれだと私は思います。
しかし現在、名画と呼ばれる絵画は、資産の為、投資の為(バブル時代)自分の地位を誇示する為、私はそう思います
名画と呼ばれるものが、そうであってはいけない様な気もします。
名画と人が決めて、その価値をお金に換算して何倍にもして販売する。
絵画の世界でも資本主義の影響が出ています。
先生と呼ばれる方は、1つの作品を売る為に作っておられるのでしょうか?
良いと思う物を描いておられるのなら、販売されない方が良いのでは?
色々疑問に思う事があります。
私の中の名画は、もっと凛とした誇らしい物であってほしい。
只、そう思うばかりです。格安!激安!の絵画は何処か悲しさを感じます。
そんな私も絵を描く仕事をしています。お金にもしています。
私には私の中の定義である、名画を描く事はできそうもありません(笑)
でも、喜んでくれる人もいますから、毎日毎日描いています。
人から人に渡る様な絵はせめて描かないようにとそっと心に。