With the I Ching

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今年は明るい年にしていきたいですね!

2009-01-06 23:46:23 | 易 de コラム
だいぶ遅れましたが、みなさん明けましておめでとうございます。
これが2009年になっての初めての記事です。


先月「易の研究を進める!」と決意して約一ヶ月が経ちました。
気合を入れたオカゲでなんとか形になりそうな気配が出てきました。
もうしばらく練ったら、ブログを通して書き進めていきたいと考えています。


さて、では今日は新年一発目ということで、今年の日本の年運を取り上げようと思います。

もっとも、僕は旧正月を東洋占術における年の切り替えと考えているので実状としてはまだ2008年の年運の中にありますが、これからの展望という意味で2009年を読んでみようと思います。

なお日付でいうと旧暦(太陰太陽暦)における2008年は今月の25日まで続き、26日から2009年の始まりということになります。

まず2008年の日本の年運は易で坎為水[初]と出ていました(更に細かくは山火賁[初])。
2008年は確かに坎険というにふさわしく、政治や経済を始めたとした国の土台が脆くなり、危機に晒されていきました。まあ、分野別に見れば伸びた業種もあれば低迷したのもあるでしょうけど、全体としては2008年の日本は衰運にあったと考えられると思います。

年の後半にはトヨタ自動車などの大手企業による派遣社員切りが大々的に発表され、多くの失業者・住居を失う人々が続出。更には現社員を切らないための内定取り消しまで…。
易の山火賁[初]は「車に乗らずに歩く」(→裏を返せば自動車産業の低迷)という件がありますが、あまりに印象的で恐々としてしまいます。

しかし、易の性質(自然界の摂理)は「窮すれば通ず」であり、その実体は「死中に活」を見出す陰陽の交互展開です。

自動車産業にしても、その他の苦境にある分野にしても、翻って言えば発想や技術的な転換によって新しい需要を作っていくことが求められているのではないかと思います。

どんな人の運勢でもいい時があれば悪い時もある。これは高い波が来れば同時に低い波も生まれるという理屈と同じです。今が低い波ならば、次に経験するのは高い波に他なりません。そして酷い衰運の後には、しばしば盛運が訪れます。


実際に、僕は期待しています。2009年の日本社会が再び持ち直すことを。
――というのも易による年運が離為火[二]だからです。(より細かくは沢水困[二]となり、これまでの苦難をどのように乗り越えてきたかを回想して、他国や未来に役立てる象もあります。この困の六二では飲食を奢ってもらったり、生活の支援を受けるという意味があり、その対価として自分の経験や技能を役立てたり、知っている情報を話すといった傾向があります。)

もちろん、単に楽観視しているわけではありません。おそらく、持ち直すにしても一時的なものでしょうから。でも、今年の内にできるだけ活況を取り戻せるような対策(政策)が打てれば、今年は保守的でも来年には経済が回転するような傾向が生まれると思います。
(離為火[二]には、どこか上から目線で消極的・防衛的なところがあるのです。お偉方やハイグレードな生活をしている人は特に“立場”というものを実感し、本人の意思に関わらずそこにとらわれやすいでしょう。)

離為火六二の性質から考えると、中正(衡平・公正)を得たものに付着することで収まるべきところに収まることになりますが、離卦は内実が伴わない意味も含むので、表面的にはよく見えても内部は火の車(本意とは異なる)ということもありえます。(あ、公平公正といえば、今年から裁判員制度も開始されますね)

ただ、それでも人々が政治や経済を改善するように知恵を出し合い、また社会全体が助け合って生きてゆくような潮流が生まれれば、おのずと活気も出てくるだろうと思っています。

特に、離為火は文明の卦で最新の科学技術を象徴するので、技術革新を初めとした産業界の転換も期待したいところです。できれば、それと同時に人間としての精神性も「付着」してくれるといいんですが、二律背反の卦ということもあって技術先行の傾向が強いかも知れません。

※離為火[二]については、以前にも「水火既済初九と離為火六二」で書いています。参考までに。

よく言われるように、現状のような苦境の時期は一種のチャンスでもあります。
問題点が多いからこそトラブルが生まれて困難に見舞われるわけですが、それらを切実に痛感するまでは何とかしようと動き出すことは稀です。

それが人間の性であるというのなら仕方のないことなのかもしれませんが、ともかく痛みを知ることで対処に乗り出すということを考えると、これからの1年は知恵の出しどころと言えます。

いかに共存共栄の精神を分かち合えるか、いかに周囲を思いやって生きられる社会作りができるか。
そうしたことを基盤に据えて意見を出し合い、実際的な行動に移っていく必要があると思います。

みんなで気力を出して活力を取り戻し、明るく生きていきたいですね。


それでは、今日はこれで。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。


P.S.

今月(旧12月)の日本の月運は沢雷随[三](火風鼎[三])です。

沢雷随は従うという意味の卦ですが、三爻変では、未来に備えて力のある人や場所(組織)に身を寄せざるを得ない状況になりやすいことを示しています。ただし、そこに寄りかかったまま安住することはできないので、いずれ自らの力で立ち上がっていかなくてはならないことも感じます。

データ的には、失職・地位や立場を失うという一見ネガティブな状況に陥ることが多いようです。まさしく現状の社会情勢がそうですが、でもそこから自覚的に自分の本来的な道を見出して這い上がってくる人も出てくるのではないかと思っています。

火風鼎は人間関係の変化や絆の構築といったことに関係する卦です。そして、三爻では深入りした間柄での心理的な葛藤や修繕が課題に上がります。対人関係の人員整理とか修復、時に精神的・社会的に困難のある人との関係改善が求められることもあります。どうしてもアクティブになれない時期ですが、今は気力を回復させるための一時的な休息だと考えましょう。時が来れば、また自分自身との戦いの日がやってきます。


それと、2009年旧1月の月運は山水蒙および水火既済の四爻変です。

医療・福祉・労働・財政と色んな意味で2月の中頃をピークに非常に厳しく寒々しい状勢となりそうな気配があります。なによりも職・住居を追われた人達への配慮・対策が可及的速やかに行われなくてはなりません。

もし3月の内に国や地方自治体による有効な対策がなされれば、春以降には国民の生活はいったん落ち着きを取り戻すことができるんじゃないかと思っています。

とにかく、誰もが衣食住という最低限の生活を心配しなくて済むような社会作りが必要です。外国から働きに来ている人も日本人も関係なく。少なくとも、そうした土台の上に分相応な生き方ができれば人は十分に安心を感じられるものなのですから。


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