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クラシノ ソラ「 コップの中の小さな宇宙 II 」2015年 ( inst.)

2017年08月29日 | 自分史
クラシノ ソラ「 コップの中の小さな宇宙 II 」2015年 ( inst.)
SORA Kurashino「 The Little Universe in Glass II 」

 私ごとで恐縮ですが、年を重ねると
幼い頃のことをよく思い出します。

以前にも書いたかもしれませんが、
私の育ったところは東京の外れで川を越えると
「神奈川県」と云う環境で育ちました。
今は育った家もありません。
環状8号線と云う立派な道路に呑み込まれました。

昔ですから、我が家には「何もなかった」
そんな記憶ばかりが残っています。
(その話はまたいずれ)
話はさらに遡って時代は戦後初の東京オリンピックを
数年後に控え、日本全体が何かしらワクワクしていた頃です。
映画「夕日の三丁目」やNHKの朝ドラ「ひよっこ」の頃のお話です。
(長い前振りで恐縮です)
あの頃は夏がいくら暑くてもやり過ごすのはタイヘンでした。
何しろクーラーなどと云うものは家庭はおろか公共施設にもほとんどなく、
扇風機でさえ銭湯や銀行にやっと着いていた時代です。
もちろん電車にもタクシーにもクーラーはありませんでした。
(今は付いていて当たり前ですが)

あの頃の大人たちは(子供達は)どうやって涼を求めたのでしょう。
木陰か、かき氷屋さんのヨシズの向こうぐらいにしか
涼しい場所はありませんでした。
それでも当時の子供たちが夏をやり過ごせたのは駄菓子屋で買った
「即席ジュースの素」のお陰でした。
(古い話です)
中でも「ソーダ水の素」はキレイな透明なグリーンか青色でした。
氷を入れ、井戸水を並々と注ぐと
(我が家の水インフラは大家さん家の井戸でした)
パチパチと炭酸効果が出て来て魅力的でした。
コカコーラが日本に上陸して来る前の話です。
コップの中の「即席ソーダの素」が溶けて
冷えて行くのを待ちながら覗いていると、
時は穏やかに流れてゆくような気がして、
いつまでも眺めていたのを思い出します。



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