紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

オルガンのトレーン、ラリー・ヤングのデビュー盤…イントゥ・サムシン

2007-11-01 22:34:43 | ジャズ・ビッグバンド・その他
ここの所、仕事が忙しくてブログ更新…厳しいです。
大体、帰宅すると、12時過ぎてしまっていて、お疲れちゃん状態です。
そんな訳で、今月も毎日の更新は難しいですが、お付き合いお願いしまぁす。

さて、今日は以前一度紹介したことがある、オルガンの「コルトレーン」こと、「ラリー・ヤング」のブルーノート、デビュー盤です。
昨今のクラブ・シーンでは、アシッド・ジャズ流行と言う事もあって、大分認知されてきている模様です。

バリバリ弾くオルガンに「トレーン」の面影を見る事ができるか?

アルバムタイトル…イントゥ・サムシン

パーソネル…リーダー;ラリー・ヤング(org)
      サム・リヴァース(ts)
      グラント・グリーン(g)
      エルヴィン・ジョーンズ(ds)

曲目…1.タイロン、2.プラザ・デ・トロス、3.パリス・アイズ、4.バック・アップ、5.リサ

1964年11月12日 録音

原盤…BLUE NOTE 84187  発売…東芝EMI
CD番号…TOCJ-6543

演奏について…1曲目「タイロン」では、オルガンのトレーン「ヤング」もぶいぶい言わせるが、それ以上にギターの「グリーン」が、思い切り暴れ捲り、これでもか?と弾き捲る。
中間からテナーを吹く「リヴァース」も攻めの一手で押し捲り、この演奏は最高潮にヒート・アップ。
「エルヴィン」のドラムは、皆を煽りつつも、自身は冷静な部分を失わない。
流石「コルトレーン」学校の校長だぜぇ。

2曲目「プラザ・デ・トロス」…このアルバム、一番の名曲として評価されているラテン調のノリノリ・ナンバー。
「エルヴィン」がシンバル・ワーク中心にラテン・リズムで煽ると、ここでもまず「グリーン」が疾走する。
次々にアドリブ・メロディを繰り出し、それを「ヤング」が伴奏でサポートする。
次いで「リヴァース」が、またまたやってくれます。
思い切りフリーに、しかし絶叫までは行かないで、メロディアスなフリー系のジャズを演ってくれるんです。
「ヤング」のソロは、それ程ぶっ飛んではいませんで、曲の引き締めに一役買って
います。

3曲目「パリス~」…この曲から、寛ぎ系のナンバーに移行する。
まず、「リヴァース」が礼節ある?ソロを取って、メロディアスな曲の方向性を決める。
続く「グリーン」は、今までの2曲と違って、温か味あるトーンで、柔らかく弾いて、曲を更にウォームにして行き、「リヴァース」とシンクロさせる。
「ヤング」も温かめの音色で進行して、この曲のキャンバスの色は、変えないで同一色で纏めて行く。
但し、一人だけ硬派に締った演奏で、ワンポイントをピシッと〆るのが「エルヴィン」のドラムです。

4曲目「バック・アップ」…「ヤング」が「ジミー・スミス」的に、コミカルなハード・ボイルド調のオルガン演奏で幕をこじ開ける。
分かり易く言うと、映画「ピンク・パンサーのテーマ」の様な感じなんだよね。
しかし、中間からは好アドリブを連発して、だんだん乗ってきます。
「グリーン」は、ここでは思索しながら、ややお上品目に弾きながら合わせます。
色々と考えながら、演奏のアプローチを決めているようですね。
そして「リヴァース」が仕上げに入ります。
手堅いテナーと、アバンギャルドなテナーを混在させていて、中々魅力がある演奏になってます。
最後は、異なる楽器同士でのユニゾン演奏が決め!ってな所です。

ラストの「リサ」…一聴して良い曲ですよ。
とてもロマンティックなメロディで「ヤング」が、まずテーマを弾きます。
バックの「エルヴィン」は、ブラッシュ・ワークがメチャメチャ、ハイセンスなんです。
「グリーン」のソロも、バランスが優れていて聴き応え充分です。
このハード野郎達には不釣合いな?ポップ・バラード・チューンなんだけど、バッチリ決まっているし、聴く側もガッツリとハマッちゃいます。
ラストは「リヴァース」抜きの「ヤング・トリオ」の演奏だけど、本当に〆に相応しい好演で、正に決まり物です。

オルガンの「トレーン」でも、決してハードに攻め続ける事では無く、控えめだったり、ポップスだったりして、聴き易いアルバムです。


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