えいがのひ

映画の感想をつらつらと書いてます。

サンシャイン2057

2007-04-25 00:48:08 | 映画感想
映画『サンシャイン2057』

ダニー・ボイル監督、キリアン・マーフィ、真田広之他。
太陽が衰え、地球の滅亡を防ぐため、核爆弾を太陽に打ち込み再びの活性化を望むべく、8人のクルーを乗せたイカロス2号は地球を旅立った。
その岐路中に、10年前に同じ使命をおび、任務中に謎の失踪を計ったイカロス1号からの救難信号をキャッチする。

監督含め、『28日後…』のスタッフが揃っているので、すごく楽しみにしていたのですが…
SFアドベンチャーを観に行ったつもりが、なんでかいつの間にかホラー映画に変わっていた…って感じです。
特に行方不明だったイカロス1号に乗り込むクルーが、画面側のこちらにライトを向けると同時に、サブミリナル効果で、前クルーの集合写真の笑顔アップを差し込むのは、怖いから止めて欲しい。
おどろおどろしいし、一人一人の大アップの笑顔が怖い…洗脳されそうだ…

そしてちょっと全体的に観念的すぎるきらいあり。
大本の謎がこういう観念的なのは消化不良気味です。
白黒つけろとは言わないけれど、もうちょっと現実味のある行動や理由が欲しかった。

主人公もなんとなく影が薄い…
最初全員にスポットが当たっていたせいか、中盤以降まで彼が主役とは思いませんでした。思えば最初から出ずっぱりだし、モノローグ付きだったというのに…微妙に地味な主人公かも。

ところで核爆弾を積んである方なんですが、あんだけ太陽に近づいているのに、なんで中を歩き回っても平気なんだろ?
点火システムが焼けなければいいってことで、そこだけブラックボックスとかで冷却していればいいんじゃないのかな?
まぁ素人考えなんで、そこら辺はそういう知識のある方に言わせれば納得いくところかもしれませんが。

サブミリナル効果の使い方や、映画のオープニングやエンディング等で、やたら『サンシャイン』というロゴが強調されているのが、なんかあんまりな感じ…
どうもこの映画は、映像効果が洗脳的というか、暗示的すぎる気がする。

それとこの映画サイトですが、文字が豆字すぎ。
このポイント数で、ボルド指定は止めて欲しい…字が潰れて余計見にくいです。任意で大きさも変えられないし。

うーん…久々の正統派SFとして楽しみにしていただけに、個人的に好みから外れてしまった映画でした。


ブラッド・ダイヤモンド

2007-04-24 00:25:19 | 映画感想
映画『ブラッド・ダイヤモンド』

エドワード・ズウィック監督、レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジャイモン・フンスー。

国家が関わるダイヤ密売に、資源の奪い合いの内戦、描き出されるのは暗い現実と絶望的な混沌さです。
この映画は1999年のアフリカ、シエラレオネが舞台。
その後、ダイヤの輸出等についての法律が制定され、いくらかは良くなったようですが、まだまだ貧困さと暴力に支配されてるようです。

ダイヤの市場流通量が企業利益のために制限されている、ということは昔から聞いてはいたのですが、購買層でない限りあまり関係ないなと思っていました。
でも、この映画を観た後では、その無関心さがちと情けない気分に。

内戦にしても、不正な政府との対立とか、別の大義名分とか、多少はそれぞれにとっての正義があるかと思っていたのですが、金儲けのためだけの遊び半分のような虐殺で愕然としました。
あまりにも人の命が軽すぎる世界だということを正面から突きつけられた感じ。
ディカプリオも言っていますが、ダイヤを買おうと思っている人達には観てちょっとでもその成り立ちを考えて欲しいかも。

ディカプリオは微妙な童顔で、失礼ながらいい歳のとりかたの顔じゃないなと今まで思っていたんですが、この映画のような癖がある役には正にはまり役。
彼はいい映画選ぶなぁと感心します。
このダニーというキャラは、最後の最後で悪になり切れない、孤独で切ないキャラクターで、最初の印象の悪さからどんどん化けていって、最後にはかなり好きなキャラになりました。
ヒロイン(ジェニファー・コネリー)との恋愛未満な感じもいいです。
甘ったるくもなく、どちらかといえば戦友的な繋がりも、作品のドライさに合います。

メインのキャラクター達の去就や、そのラストは感動的。
かなり重くシビアな現実を突きつけられますが、やはり観て良かった映画でした。
同じディカプリオ主演のアカデミー賞をとった『ディパーテッド』より、この映画の方がテーマ的にも感動したんだけどなぁ…
作品賞としてノミネートされなかったんで、初めから無理なんですけどね。

とにかく、観ていてしんどくなるほど重い映画ですが、是非お薦めです。

大帝の剣

2007-04-23 01:24:38 | 映画感想
映画『大帝の剣』

夢枕獏原作、堤幸彦監督。
原作は3巻くらいまでは遙か昔に読んでいるんですが、ほとんど内容の記憶がないという…
でも、はて?こんなコメディ物だったっけな??って疑問符が。

「面白ければいい」とフリがついていますが…
面白いというよりは、ひたすらチープ。
ギャグも古臭いけれど、それよりも全てにおいて安っぽい感じがなんか嫌。
あまりに軽薄なキャラおよびドタバタ要員、プラス戦隊物の怪人かってな安易な作りの敵。
ロケ、SFX、CG、全てが安っぽい作りっていうのも…

コメディって、ちゃんと背景作っているところでやるからそこがアクセントとなって面白いんですが。
一例を挙げると、忍者なのに動作が鈍すぎ、ドジすぎ、昼日中に真っ黒アナログ衣装等。
それも、狂言回し的なギャグ担当のキャラクターが、ではなく、忍者部隊全員がそのノリだってことが減点。
全てがおふざけ気味なので、これといったギャグも印象に残らない。
紙芝居風なナレーションもなんか安っぽさに輪をかけるし、内容も薄いしで、
ダイジェスト版を見ている気分に…

江戸時代と宇宙人と三種の神器、特にオリハルコン製なんて設定は、
聞くだけでワクワクするし、斬新な取り合わせでもあるんだから、
もうちょっと真面目に作って欲しかったなぁ。
ほの暗さなんて微塵も感じない明るさ120%な演出も、全編コレだと冗長で見飽きるし。

あと主役の万源九郎(阿部寛)は、異国人のクォーター設定なのですが、
少年時代を演じる子役がもろ外国人で、これは笑いどころか?と一瞬迷うほど。
あまりにも成長後と違いすぎ。
そういう生い立ちでも日本人の子役を使った方がまだ不自然じゃなかったような…
豊臣家の落としだねの姫様も、主人公に惹かれようがあまりにも軽薄すぎる。
もうちょい惹かれあうエピソードを追加してくれないと…
ほとんど一目惚れ状態なんだけど、身分違いも含めてなんか腑に落ちない…
コメディとしてもイマイチな感じ。
その好意的表現がまた軽いし、人格入れ替わりCGも同じパターンばかりで興ざめだし。
シリアスなのはGLAYの主題歌だけというのがなんとも…

うーん、あまり良かったところがない…
でもこれだけ、なんだかなーって感じだと、印象度は逆に抜群かもしれない。


ホリデイ

2007-04-22 21:06:02 | 映画感想
映画『ホリデイ』

ナンシー・メイヤーズ監督・脚本・製作。
キャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウにジャック・ブラックと豪華キャスト。

恋が終わった2人の女性が、ネットを通じて休暇中の間にハリウッドの豪邸とロンドン郊外コテージの自宅を交換する。
そこで始まる恋の行方は…

予告編そのままですが、如何にもな恋愛映画で良かったです。
こういう定番のものは安心して観ていられるし。
2人のヒロインの動作が、派手で面白いです。
極端すぎる動きなんですが、喜んだり怒ったりと派手な身振り手振りは、とても可愛らしく見えます。
途中で出てくる子役の女の子2人も、愛嬌たっぷりの表情やちょっとした小生意気さがとても可愛く、すごく微笑ましい。

ケイト・ウィンスレット演じるアイリスの、主体性の無さやぐずぐず尾を引く性格に最初はイライラしていたんですが、
映画を観ていくうちにいつの間にか応援していました。
ラストの彼女の成長具合にほっと一息。
アマンダ(キャメロン・ディアス)の方が性格的にも好みだったんですが、彼女は初めから自分自身を確立しているので、映画を通じての成長は無かったのが残念かな?

でも家をお互いに交換だなんて自分には無理だな…
大掃除やらなんやら面倒な前作業とか、人様にそのままお渡しできない色々見られては困るものが沢山あるし、で。
それにペットとかいるのに、見も知らぬ他人に気軽によく任せられるなぁという感じ。
でもこの陽光溢れるアメリカハリウッドと、雪降る田舎風景そのものの2つの家の対比は見事。
それぞれの立地やら気候やら設備やらをとても興味深く見られました。
気を抜いてほっとした気分で楽しめる映画でした。


ポイント45

2007-03-30 21:31:33 | 映画感想
ポイント45
 原題『.45』 R-15

監督・脚本はゲイリー・レノン、主演はミラ・ジョヴォヴィッチ。
ポイント45とは、45口径の拳銃のこと。

スラム街のボスのビッグ・アル(アンガス・マクファーデン)とその恋人キャット(ミラ・ジョヴォヴィッチ)。
2人は拳銃を密売していたが、キャットはアルに内緒で独自に拳銃の密売をしていた。
その顧客とのやりとりを誤解し、嫉妬からキャットに暴力を振い、行動を束縛するアル。
キャットはアルから離れるために自分の身体を武器に計画を練る…

…見事なほどにダメダメなキャラクター達ばかりです。
DVで傷つくキャット…とは言っても、暴力は酷いが、彼女に同情の余地はないという感じ。
キャットだって、DV振るわれる前は、かなり我がまま放題、暴力し放題。
犯罪も奥深いものでもないし、ただのチンピラのせせこましい悪事ばかり。
まぁこれは映画中の台詞でも言わせているので、狙ってはいるんでしょうが、ストーリーにもキャラクター造詣にあまりにも奥が無さすぎ。

ノワール映画でもないし、サスペンスでもクライムでも、勿論女性の自立でも社会問題提議でもなんでもない映画。
あまりにも内容がなくて反って印象に残るかもしれないくらい。
監督コメントで「因果応報」がテーマとも言っていますが、それならまず主人公をなんとかせいって感じ。
DVでいきなり悲劇のヒロインぽくなるのも的外れだし、やってることは最低だし…

ミラは結構好きな女優さんなんですが、もうちょいいい役を選んで欲しいなぁ…
相変わらずの脱ぎっぷりの良さで、出る映画出る映画、全裸シーンが多すぎ…ちょっと安売りしすぎじゃないか?

事件が終わった後の関係者インタビューがランダムで挿入されますが、この主人公を魔性の女扱いやら、頭のいい女扱いされているんですが、はっきり言ってどこが??とかなり馬鹿馬鹿しく思えます。
ルックスがいいだけの駄目女そのまんま。
知能犯なら、もっと操っている人間達を計算どおりに全員動かすくらいはしてほしい。
ただ身体で釣って、使い古されたアホらしい台詞で誑し込んでいるだけ…それもかなり他力本願。
誑かされた側も口ばっかりでちっとも行動に移さないし。
彼女に魅了される面々がすごく間抜けにみえてしまう。

あ、R-15なのは、勿論そういうシーンもあることもありますが、どちらかというとあまりに露骨すぎる台詞にあると思う。
かなり明け透けな物言いになっているので、同伴者を選ばないと気まずい空気が流れてしまうかも…


ハッピーフィート

2007-03-27 01:40:49 | 映画感想
映画『ハッピーフィート』

ジョージ・ミラー監督。吹替えは主人公マンブルがイライジャ・ウッド、グローリアをブリタニー・マーフィ、主人公の父親がヒュー・ジャックマン、母親にニコール・キッドマン、ノア(長老)をヒューゴ・ウィーヴィング、アデリーペンギン5羽衆のリーダー、ラモンをロビン・ウィリアムズとそうそうたるメンバー。

とにかく皇帝ペンギンの子ペンギンのお腹の毛を存分に鑑賞したくて観に行った映画。
だからゆるい話で十分堪能できるというか、個人的にそれしか求めていなかったところに、後半以降のシビアな展開に引き気味…
ラスト近くは、この映画どこまでいっちゃうんだろうかと不安になってしまったりして。
観終われば、人間の環境破壊やらその他問題と、かなり重くも目を逸らしていけない内容で、なかなか考えさせられる映画だったんですが…自分は個人的癒しだけを求めていたんで、ちょっとすれ違いだったかも。
いえ、映画として完成してるし、子供向けでもこういうテーマは大切だと思うんですけどね。

堪能できたのは、やっぱり子ペンギン達。
特にグローリアちゃんの声(字幕版)と腹毛(注:子供時代のみ)がモロ好み。
子供時代の声がすごく可愛い。アリッサ・シェイファーちゃんかぁ。
やっぱり子供の声は子供があてた方がいいですね。大人にはこういう声は絶対出せないよなぁ。
ホントにこの子、芸上手で可愛い声だ~

すぐみんな大人になっちゃうんで、中盤からは主人公マンブル(もごもご君の意)の後姿の頭でツートンカラーの変り際のほやほやしか、楽しみを堪能できなくなってしまって、ちと悲しい…
子供時代だけ何度もリプレイしたい気分…とことん好きなんです、この子ペンギン達のお腹の毛の表現が。

そういえば、後半出てくる人間がまずCGじゃなく実写だったことにびっくりしました。
でもCGで作ると違和感が反って出てしまったかもしれない。結果的には実写良しってかんじです。

そうそう、この映画でおおっと思ったのは、空間の広さの見せ方。
映画の横に広い画面を存分に使っていました。空と陸の空間の広がりを感じさせてくれる映画は久しぶり。特にアニメでは。
これは映画館で見たほうがいい絶対にいい画ですね。

はーそれにしても子ペンギンの可愛さ(字幕声付きで)。ふわふわなお腹…もうちょい子供時代長かったらDVD買ってたな。
誰がなんと言おうと、お腹のぽやんとした毛並みがすごくいいです。
サイトでの壁紙配布、DLしてしまった…でも自分が最高の腹毛と思ってる壁紙がなかったのが残念。
映画館にかかっている、各キャラクターごとのデカイ縦垂れ幕のグローリアちゃんが一番の好みだったんだけど…

ペンギンたちが歌う愛の歌(?)が状況に合うような合わないような、それに聞き覚えもあるような、と思っていたら、往年の歌手のヒットソングが使われているとこのこと。
なるほど。通りで聴いたことあるはずだ。とことん洋楽弱いんで後になってやっと気づくんだよなぁ。
マンブルの母親ですが、1匹だけ名前が姓ありで、ノーマ・ジーンとなっていて笑ってしまいました。左胸の黒いハートマークだか蝶マークだかも狙っているし。
キッドマンやヒュー・ジャックマンも劇中、1曲以上を丸々歌い上げています。
さすが歌を歌うことが命のペンギン役だけあって、声優はミュージカルもこなせる俳優さん達になっています。

あー子ペンギン達だけの、もっとライトな続編でも作ってくれないかな…
ストーリーがどうのでなく、あくまで子ペンギンのルックスのみに自分の興味がいってしまっているので。
なんかあれだけど…まぁ願望ということでいいか。


ナイトミュージアム

2007-03-26 01:02:13 | 映画感想
映画『ナイトミュージアム』

ショーン・レヴィ監督、ベン・スティラー主演。
彼のひょうきんな顔つきが好きです。特に眉の動かし方とか。
ややオーバーなくらいな表情なんですが、それがまたこういうコメディには良く似合う。
話も中弛みなく、楽しく観られました。
こんな博物館あったら楽しいよな~と思わせるところが上手い。
いや、自分で夜勤する気は全くないですけどね。危険すぎるし。
この映画で入場人数が足りない地方の博物館とかに子供さんが足を運んでくれると良いですが…
って思ったら、サイトで(財)日本博物館協会キャンペーンしてる。さすがチャンスは逃さないな。

おそらく劇中、一番の愛嬌モノであろう、T-レックス。
こういうオチは微笑ましくてとてもいいです。骨だけなのにしぐさが妙に可愛いし。
総じて子供向けに作ってはありますが、大人でも十分楽しめます。

石版の意味なんて追求するだけ野暮って感じの、ないがしろさですが、コメディだしワイワイ楽しそうだから堅いことはいいか…とつい流してしまいます。
でもこの石版関係で、簡単に続編が作れそうな気がする。
T-レックスやファラオの意外性はもうないだろうけど、キャラクターとして立ってるし、他にも博物館のキャラはまだまだ出尽くしてないから、いくらでもOKな感じですね。
とにかく肩の力を抜いて単純に楽しめるいい映画でした。

デジャヴ

2007-03-25 01:22:38 | 映画感想

映画『デジャヴ』

ジェリー・ブラッカイマープロデューサー、トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン主演。
543人もの犠牲者を出したフェリー爆破事故。ダグ(デンゼル・ワシントン)。
爆破事故の前に火傷を負った女性(ポーラ・パットン)の死体が見つかった。
彼女が犯人に繋がる有力な手がかりと感じたダグは、政府が極秘に開発した4日と6時間前の映像を見ることが出来る監視システムを使って、彼女の足取りを追うのであった。

最初予告編を見たときの印象は、『マイノリティレポート』とTVドラマ『トゥルーコーリング』を混ぜたものかな、と思っていました。
さすがにちょっと方向性が違ってたけど。
個人的に期待が高い作品ほど、観て見るとそんなに…ってことが多いのは、きっと期待が高すぎて、全てに要求しすぎなんでしょうね。
この映画もそんな感じ。決して悪くはないと思いますが、自分の期待してたところとはちょっと外れた感じ。

ジム・カヴィーゼルが犯人役ですが、酷い奴です。同情の余地すらない…
彼、このところこういう危ない役が多いような気がするなぁ。なんか電波系の役、妙に似合うし。
結構好きな俳優さんなんだけど、好青年役を忘れそうだ…

しかし、テロリストを捕まえるためとはいえ、主人公の無謀運転には眉が寄る。
あれ、死人でてるんじゃないでしょうか。
過去が変われば死人もゼロっていうのは分かるけど、それでもあんまり観ていて気持ちいいものじゃない。
もうちょっと見せ方を変えてくれれば良かったんだけど…
巻き込まれる人が可哀想すぎるって、余計なことに観客の目や考えが行かないように、もっとやりようがあるんじゃないかな?
せめて車同士掠ってスリップするくらいにしとくとか。
スピード感、緊張感、スリル感等にはこのやり方が一番表現しやすいとは思うけど、派手すぎてちょっとあんまりかな。

あとラストが今一つ納得行かないなぁ。パラドックスの矛盾も出てきそうだし。
意外にも爽やかで悪くはないんだけど…なんかもう一捻り欲しかった。

そういやこの映画、何で新庄が監督でも主演でもなく、プロデューサーの応援団になっているんだろ?
プロデューサー個人を応援ってなんか中途半端な気がするんだけど…

アンフェア the movie

2007-03-24 00:28:04 | 映画感想
映画『アンフェア the movie』

小林義則監督。
車の爆破に巻き込まれた娘が入院する警察病院に何者かが篭城した。
逃げそびれた娘は偶然にも感染病棟に紛れ込んでしまう…

オープニングからアンフェアらしい演出です。
謎は謎を呼び…って、謎って言うのも違うか。
TVドラマの頃から、どんどんでかくなるネタと組織にこっちがハラハラ。
上手くまとめることができるんかいなって感じです。
ってか、ちっとも完結編じゃないんですけど。
看板に偽りありだ~
まぁ映画になって2時間のコンパクトさで、脇道なしでどんどん展開しているので、
分かりやすく観やすいと思います。

凶悪な感染症が発生している感染病棟に紛れ込む、なんてあまりにもパターン化してる挙句、
その対象が無垢な子供だなんて、もうちょっと捻ってくれって思いつつも、ハラハラしてしまう。
製作者の思う壺だなぁ…

相変わらず主人公の元親友は得体の知れぬまま…
関係ないけど、この濱田マリと椎名桔平はどことなくぬめりがある色気がいいです。
爬虫類っぽいっていうのはいい例えじゃないかもしれないけれど、
ちょっとつるりとした感じと目つきがそれっぽくて、
そこが色っぽいと思うんだけど。

娘の感染も心配だけど、個人的に意味もなくハラハラしたのが、USBメモリー。
USB接続部分が濡れ濡れだよ、なんでキャップしてないの、キャップ!とヤキモキしてしまった。
謎解決はともかく置いておいて、テンポも良く飽きさせない映画でした。
…でもいい加減、『24』みたいに次から次へと事件が起きて、周りが全部怪しいっていうパターンはやめて欲しいんだけどなぁ。
このパターンで度が過ぎるとすごく陳腐になるし、こっちの緊張感も続かないから。
TVドラマ1話から出てきたキャラであろうと、新キャラだろうと、どうせ皆怪しい奴なんだからって、マンネリになるのも考え物…

よくサスペンス物にありがちなんですが、誰かが狙撃される時、どうして主人公は狙われないんだろうと、お約束のことに疑問を持ったりして。
そりゃ話が終わっちゃうけど、今回のように、状況的にも理由付けにも不審に思われない、またとない機会なのに、どうして撃たれないんだろうと、心底不思議。
こういうことに後で納得の説明があると、すごい緻密なストーリーだったんだなと感心するんだけど、あまりそれが成功したものを見たことがない…
伏線回収もちゃんとしてほしいなぁ。
で。
意味がないとは思いつつ、やっぱり色々と撃たれない理由を考えてしまう。
考えた中で一つ、これしかないだろという理由付けは見つけたんだけど、
それだと撃った人間の行動に矛盾が出るというか、どうも経緯が不自然になってしまうんで断念かな?
ここは是非ともこちらを唸らせる理由付けを説明してほしいなぁ。
でも、となると今後ドラマだろうが、多分映画でしょうが、続編が出たら全部見ておかないと駄目だということになってしまうんだけど…
あーあ。製作側の思惑通りだ~

パフューム ある人殺しの物語

2007-03-23 01:14:02 | 映画感想
映画『パフューム ある人殺しの物語』

パトリック・ジュースキント原作『香水 ある人殺しの物語』、トム・ティクヴァ監督。
18世紀のフランスが舞台。タイトルでも予告編でもそのまんまな、
究極の香水作りのために、女性を次々と殺していった男の人生を描いた映画です。

主役を演じるはベン・ウィショー。
あまりにも合いすぎるというか、この役の印象が強すぎて、今後彼を見る度にこの映画を思い出しそう…
その時代のフランスの猥雑さはすごくよく表されています。
ってか、リアルすぎて、最初の生い立ちシーンでは汚い印象が強すぎるかも。
主人公の鼻の利きを描くために、最初はちょっとエグイシーンが出てくるので、
苦手な人はきついかもしれませんが、ここら辺を乗り越えれば楽勝?
後半どれだけ酷いシーンが出てくるのか、おっかなびっくりだった自分には、拍子抜けだったかも。

どちらかというと神視点なナレーションとラストの表現方法で、御伽噺的な映画でもあるかも。
最初から最後まで、かなりエグイことばかりなんだけど、物語風にちょっとぼかす感じになってソフトに観られます。
何しろ主人公に共感しにくい映画ですから。
嫌悪感抱く方も多そうですけど。

香水の匂いを表現するためにBGMはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が演奏しているそうですが、
さすがに重厚な音楽。陰鬱さに益々迫力がつきます。
主人公の初恋らしき女性と後半のヒロイン、ローラ(レイチェル・ハード=ウッド)は、
いかにも赤毛というに相応しく、印象的です。
他の映画とかで赤毛表現されている髪の色がちょっと茶色がかった金髪程度にしか見えない自分には、
とても分かりやすい赤い色で、陰鬱でモノトーン的な画面では特に美しく映えます。

後半からラストにかけて、自分では「ええー??」という展開が目白押しで、
なんか鼻白むシーンが多かったのですが、
全部見終わると、一種の御伽噺かというところに落ち着けました…ってか、
そう思わないとかなり不毛でしょう、この話。
1985年ドイツで発売された小説がすごく大ヒットしたということも、ちょっと不思議。その時代ならではかもしれませんが。
個人的には、ローラの扱いや主人公の顛末に、ちょっともやもやしたものが残ってしまっているので。

主人公の生い立ちも十分気の毒だし、最初に手をかけてしまった女の子が彼の初恋で、
その自己の想いを自覚することなく、どんどん方向違いな道に進んでしまったということに、
憐れではあるんだけど、イマイチかなぁ。
まぁ主人公に対して、物語として読者や観客からの感情移入は求めてなさそうだけど…
話の内容で好き好きは人を選ぶでしょうけれど、印象に残る映画であることは間違いないかな。