COCCOLITH EARTH WATCH REPORT

限りある地球に住む一地球市民として、微力ながら持続可能な世界実現に向けて情報や意見の発信を試みています。

2月第1週は”核”をめぐるドキュメンタリーの再放送が続きます

2009-01-25 21:06:56 | Weblog
 2月第1週は、核開発計画を巡る機密情報の旧ソ連への漏えい、水爆開発の舞台裏での科学者の苦悩、旧ソ連側スパイによるキューバ核装備計画の漏えい、イスラエル人技師による核装備の暴露など、歴史の重要な転換点の内幕と、アメリカ軍兵士が至近距離で立ち会った原爆実験など、見応えのある番組が10:10‐11:00にNHK衛星第一のBS世界のドキュメンタリーで再放送されます。いずれもいずれも2008年7月と2009年1月第5週に放送された番組の再放送ですが、以下は番組のリストと番組HPを参考にした概要です。
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1.番組リスト
3日(火)シリーズ20世紀“核”の内幕「第1回 スーパースパイ~盗まれた“マンハッタン計画”~」
4日(水)シリーズ20世紀“核”の内幕「第2回 最終兵器~水爆開発の秘密~」
5日(木)シリーズ20世紀“核”の内幕「第3回 モスクワからの使者~キューバ危機の真実~」
6日(金)シリーズ20世紀“核”の内幕「第4回 イスラエルからの告発~地下核施設を暴露した男~」
7日(土)「アメリカ 被曝兵士の告発」
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2.番組の概要
2月3日(火)10:10-11:00 NHK衛星第一 シリーズ20世紀“核”の内幕「第1回 スーパースパイ~盗まれた“マンハッタン計画”~」
 マンハッタン計画とは第二次世界大戦中、ドイツの原爆開発を焦慮したアメリカが、亡命ユダヤ人を中心として科学者、技術者を総動員して原子爆弾開発・製造を目指した国家計画です。開発の最終段階に入ったロス・アラモスの核実験場には、研究者の顔をした熱狂的な共産主義者のクラウス・フックスがいて、スパイとして最新の機密情報を旧ソビエト連邦(ソ連)に送っていました。彼はアメリカ一国が核を独占すべきではないと信じて、アメリカ一国が独占すべきではないと信じ、アメリカがソ連に核兵器が使用する可能性を防ぐために情報を流し続けていたのです。
 1945年、マンハッタン計画の下で開発された原爆が広島と長崎に落とされ、数十万の人命が瞬時に奪われました。核兵器のすさまじい威力と人々が受けた悲惨な被害を目の当たりにしたフックスは苦しみましたが、共産主義の理想世界を築くためのスパイ活動に迷いはありませんでした。アメリカは、原爆が敵の手に無いことを喜んでいましたが、ソ連は第二次世界大戦後、世界中の予想よりもはるかに早く核実験に成功。西側諸国に衝撃を走らせました。フックスによってソ連に渡った核の秘密は、米ソ両大国の核開発競争の扉を開き、人類が初めて経験する核の時代が始まったのです。(原題:Nuclear Secrets – Super Spy、制作:イギリスBBC、2006)
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2月4日(水)10:10-11:00 NHK衛星第一 シリーズ20世紀“核”の内幕「第2回 最終兵器~水爆開発の秘密~」
ロス・アラモス研究所所長だったロバート・オッペンハイマーは、原爆に開発者として高い名声を得ました。しかし、原爆のもたらした被害や、さらに強力な兵器「水爆」の誕生につながる可能性があることに罪の意識を抱いたオッペンハイマーは、科学者として研究開発を続けたい欲望と、世界を破滅させかねない兵器の誕生を許すべきではないという思いのはざまで悩んだ末、開発反対の意思を表明しました。しかしアメリカが彼に与えたのは、「裏切り者」のらく印でした。
 水爆開発はエドワード・テラーに引き継がれました。彼は自分の研究を邪魔する存在としてオッペンハイマーを憎み、、共産主義勢力からアメリカの自由や平和を守るために、抑止力として最強の兵器を開発・保持することが最上だと主張、アメリカ政府は軍拡に突き進みました。
 一方のソビエトでは、フックスらスパイ達の情報をもとに、核開発を急ピッチで進め、アメリカの予想をはるかに超える早さで核実験に成功しました。水爆開発の中心人物の一人、物理学者のサハロフは、自ら開発した水爆の実験成功を見守りながら、世界が後戻りできない破滅への道を進み始めたことを悟りました。
世界平和のために、最終兵器を持たねばならないと考える米ソ超大国。その果てしない軍拡競争のかげで、それぞれ苦悩した科学者たちの姿が描かれます。(原題:Nuclear Secrets – Super Bomb、制作:イギリスBBC、2006)
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2月5日(木)10:10-11:00 NHK衛星第一 シリーズ20世紀“核”の内幕「第3回 モスクワからの使者~キューバ危機の真実~」
 1992年、アメリカの諜報機関はソ連がキューバに核ミサイルを配備しようとしていることを突き止め、ケネディ大統領はキューバを先制攻撃すべきかどうかの重大な決断を迫られました。しかし、優位に立っているかに見えたソ連のフルシチョフ首相は、ソ連の最高機密がソ連陸軍大佐オレグ・ペンコフスキーによってケネディに渡っていたことを知りませんでした。
 ペンコフスキーはフルシチョフに近い軍の高官たちと親しかったため、機密資料を見られる立場にありました。フルシチョフを危険な人物だと感じたペンコフスキーは、リスクを侵しながら、ソ連の核開発情報を西側に流し続けました。この貴重な情報をもとに、ケネディは核戦争の現実的な危機を回避することに成功したのです。しかし、KGBに目をつけられたペンコフスキーは、キューバ危機の結末を見届けることなく処刑されました・・・。
 最近公開されたKGBの機密情報をもとに、緊迫した当時の世界情勢と、知られざるペンコフスキーの戦いに迫るドキュメンタリーです。(原題:Nuclear Secrets – The Spy from Moscow、制作:イギリスBBC、2006)
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2月6日(金)10:10-11:00 NHK衛星第一 シリーズ20世紀“核”の内幕「第4回 イスラエルからの告発~地下核施設を暴露した男~」
1986年、英国の新聞サンデータイムズは、イスラエルが200あまりの核弾頭を保有し、米・ソ・中・英・仏の超大国に次ぐ、世界第6位の強大な核兵力を持つことが伝える大スクープ記事を掲載しました。当時イスラエルは、核兵器を持っているとも持っていないとも明らかにしない曖昧政策を取り続けることで、周辺のアラブ諸国を牽制していました。
 情報をリークしたモルデハイ・バヌヌは、1977 年から85年にかけてイスラエルの砂漠の町ディモナにある地下の秘密核開発施設で技師として働いていました。自分の仕事が、中東や世界の平和を乱すという罪悪感に苛まれ、施設の各所に忍び込み、国家の最高機密である60枚の写真を盗み撮りして持ち出したのでした。
 サンデータイムズ社が、バヌヌの情報の裏取り調査を慎重に行っている間、バヌヌはロンドンのホテルにかくまわれていましたが、ある日、ニューススタンドで見かけたブロンドの美女にローマへの小旅行へと誘い出された旅先で姿を消してしまいました。女の正体は、イスラエルの諜報機関モサドのエージェント。バヌヌは本国に送還され、国家反逆の罪で18年の禁固刑を言い渡されました。
 自らの危険を顧みず、世界に警鐘を鳴らそうとした男のスリルに満ちた逃避行の顛末が、実際の関係者の証言を交えたドキュメンタリードラマで描かれます。(原題:Nuclear Secrets: Vanunu and the Bomb、制作:イギリスBBC、2006)
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2月7日(土)10:10-11:00 NHK衛星第一 「アメリカ 被曝兵士の告発」
 アメリカは、1946年から1962年までの16年間にわたり、のべ11作戦、1030発の核爆弾を用いた実験を行なった。その際に何万人もの米軍兵士たちが、わずかな装備と不十分な情報しか与えられず、まるでモルモットのように、爆心からの至近距離で実験に立ち会わされた。実験後、多くの兵士が身体の不調を訴え、今なお終わることのない後遺症に苦しみ続けている。この場面は以前TBSのスクープ・スペシャルで放送されたもの見て、戦慄を覚えた記憶があります。
爆心から2キロほどの塹壕で爆発を目の当たりにした兵士は、大衝撃を感じた瞬間、両目を覆っていた手の骨が透けて見えたと証言する。実験前のオリエンテーションで、被曝量はレントゲン以下と、上官は説明していたという。
 また、核爆弾の投下演習に参加した空軍兵士は、秒読みが終わっても爆弾が投下されず、何とか手動で切り離したものの、予定よりはるか上空で炸裂したため被爆した。海中や空中での核実験を軍艦の上で幾度も経験した兵士は、現在、自らの後遺症に加え、3人の娘がいずれも心臓や精神の障害を持つにいたっている。
アメリカの核実験における兵士たちの被爆は単なる事故だったのか?米政府と米軍は、自国民の被爆の実態については一切公表しておらず、ましてやそれが、いわゆる「人体実験」であったとは認めていない。またこれまで、被爆兵士が自らの体験を語っても、政府がそんなひどいことをするはずがないと聞く耳をもたれなかったという。
この番組は、核の恐ろしさを身を持って体験したそうした被爆兵士たちの証言を積み重ね、核実験の裏 側でいったい何が起きていたのか、事実に光を当てようとしたものである。(原題:Nuclear Soldiers、制作 アメリカAtwood Keeney Productions、2000)
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