タトゥー露出禁止は人権侵害…海の家が提訴検討(産経新聞) - goo ニュース
2011年7月20日(水)15:23
神戸市須磨区の須磨海水浴場で入れ墨(タトゥー)の露出禁止を盛り込んだ神戸市の全国初の条例をめぐり「規制は人権侵害」などとして「海の家」の組合幹部らが市を相手取り、条例の一部停止を求める提訴を検討していることが20日、分かった。昨夏に相次いだ違法薬物事件を受け、健全化策の切り札として規制を強化したが、若者に流行するファッション感覚のタトゥーも規制対象となったことに対し、「利用客を選別する条例だ」と組合側が反発。市側との法廷闘争に発展する様相をみせている。
■「条例一部停止を」
須磨海水浴場では昨年8月、大音量の音楽を流す“クラブ風海の家”のイベントに参加していた大学生らが麻薬所持などの容疑で逮捕された。このため今年4月、海岸を管理する市は「須磨海岸を守り育てる条例」を改正して規制を強化し、全国の海水浴場で初めてタトゥーの露出を禁止。音量や海の家の営業時間の規制も加えたため、音楽イベントが困難になった。
市によると、同海水浴場の人出は昨年約62万人と過去最低を記録。治安悪化が来場者減の一因とみられている。また、数年前からタトゥーを入れた若者が目立ち、市民から「(タトゥーが)怖い」「子供を連れて行きにくい」などの声があり、「他の利用者に不安を覚えさせる」としてタトゥーの露出規制を条例に追加した。
タトゥーの露出禁止は、大きさやデザインにかかわらず、シールタイプなどの「フェイク(疑似)タトゥー」も対象。シャツやタオルで覆って見えなくする必要があり、罰則はないが、注意に従わなければ退去命令が出される。
■安心「行政の責務」
これに対し、約10店舗の海の家でつくる「須磨海浜公園売店協同組合」の幹部(63)は「幅広い世代が楽しめるはずの海水浴場の利用客を限定する条例」と反発。「タトゥーが即犯罪行為のような印象を受ける。海水浴場は多種多様な人が利用する公共の場。国際観光都市の神戸市は外国人も多く、文化や表現の自由まで禁止するのは人権侵害」と疑問視する。
こうした組合側の動きに対し、市の担当者は「タトゥー自体を禁止したわけではない。タトゥーの大きさなど議論を重ねたが、線引きが難しく、露出を全面的に禁止した。誰もが安心して楽しめる海岸にするのが行政の責務」と説明している。
