my畑のオーナーさんは、農家のHaradaさん。
いつも白い軽トラを時速15キロくらいで走らせ、畑を見回っては「よぉでけとぉ」と声を掛けてくれる素敵なおじちゃまでありますが、彼は生粋の農家さんって感じの人柄で、ちょっとシャイなところがあって、受け答えは限りなくぶっきらぼう。
悪気はないと思うのですが、博多弁がその雄雄しさにますます拍車をかけて、たまにアドバイスが怒っているように聞こえてしまうような、昔ながらのお父さんなのです。
そのHaradaさんがある日、いつものように軽トラから軽く窓を開け、顔を出して、
「太ネギの苗があろうが!そっば、そこに植えんないっ!!」
と、私めがけておっしゃいました。
うぬぬ。これはきっと、Haradaさんの畑のところに植えてある、太ネギの苗をわけてあげるから、私の畑のこの空いてるスペース(実は秋用に寝かしていたりしましたが。。)に植えなさい、と言ってくれているんだな?
と解読。
「はーい!苗はどこですか~?」と尋ねると
「あっこにあろーが!!」
「あ、っこ・・・????」
「そーたい、あろーが、手で抜きないっ!」
「は、はいっ」
というわけで、Haradaさんの畑に行き、あたりを見回すも、どー考えたってこの前おじちゃんがトラクターで耕運して植えつけていた、立派なネギしか見当たりません。
おじちゃんは、軽トラで次の畑に見回りに行ってしまうし。
まさか、こんな立派に植えつけたネギを引っこ抜けなんて、シロウトが考えたって違うよな~?
でもおじちゃんが言ってたのはどう考えたってこのあたり。
ええい!ままよ、
とばかりにきちんと植えつけられたネギを手で引き抜くも、しっかり根が張っていて簡単には引き抜けない。
うわーーますますこれじゃなさそうだなーと思いつつも、5本くらい抜いたところで、おじちゃん軽トラにて再登場。
念のため「ここですか??」と尋ねると、
「ちがうっ、それじゃなか!!もっと奥にいきゃーあろーが!!」
「そうですよねー、違うと思いつつ、こっちから抜いてしまいました~!!!」
「抜いたとね(苦笑)、そっから抜いたらいかーん!また戻しときんしゃい(爆)」
とのこと。
畑を奥へ奥へ進むとまだ小さくて細いいろんな野菜が一箇所にたくさん出てきているスペースを発見。おお、これはきっと種を蒔いて大きくなるまでそのままにしているスペースだな?と確信をもって、そこからネギらしきものを手で抜くと、いとも簡単にスポッと抜けます。まさにこれだ、おじちゃんがいってたのはこれだな?
と思って10本くらいいただいて、ニラとか小ネギのつもりで普通に植えつけて帰ろうとすると、さらにまたおじちゃんが軽トラックにてチェックに登場。
私のネギを植えつけたのを見つけたおじちゃんの顔はまるでマンガのビックリした顔そのままの
「!」
という感じ。わちゃ~、あたいまたなんらかやらかした??
と一瞬にして悟ったわけです。
おじちゃんいわく、「太ネギは、深こう穴掘って、埋めんなあ!!そいじゃいかんばーい!!」
そこで、あたくしハタと気付く。
「あっ☆太ネギって、白ネギのことですか?!あ~!それで、土をかぶせていくんだ~!なーんだ、なんで原田さんのネギ変わった植え方してるんだろうって思ってたんですよね。そっかー、なーんだ♪」
と能天気な私をおじちゃんは苦笑いしてやり過ごすしかなかったようで「ニヤリ」と笑って去っていきました。
次の日、きちんと植えなおしにいくと、おじちゃんは「うん。そうたーい。そげんせにゃん。」と頷いてにっこり笑ってくれました。
おじちゃんはぶっきらぼうだけど、とってもいい人です。とってもありがたいオーナーさんです。
というわけで今年は白ネギも作ってみることになりました。
おじちゃんところからあと10本くらい苗をもらえば、この冬は鍋が楽しくなりそうです。(もらう気まんまん)