書いているうちに気持ち悪くなってきたので、前編と後編に分けさせてもらった。
今回はその後編。
しかし、現場の悲惨さを読者に伝えきれないのが非常に残念!
でも、臨場感があり過ぎると誰も読んでくれなくなるかもね(笑)。
さて、本題のつづき。
思わず悲鳴を上げた私。
なんと、腐敗した肉塊の中に体調10cm・直径3cmくらいの巨ウジがいたのである!
私は悲鳴を上げながら浴室を飛び出した!
全身に鳥肌が立ちまくり、しばらくの間、全身が痒くなるような悪寒が続いた。
「ウジってあんなに大きくなるものか?」「その前にハエになるはずじゃないのか?」「仮にウジじゃないとしたら何?」
もう、頭はパニック状態、仕事なんか放り投げてとっとと帰りたくなった。
しばらくブツブツと独り言をいいながら、「これからどうしようか・・・」と考えた。
引き受けた仕事は途中で投げ出す訳にはいかないのは当然、だけど浴室に戻る勇気がなかなか出てこない。
「適当な言い訳をして逃げようか・・・」⇔「ダメダメ、責任を果たさなきゃ!」
しばらくの間、独り問答を繰り返しながら自分と戦った。
気分を落ち着かせるのと、勇気を振り絞るのに少々の時間を要した私。
「俺は泣く子も目をしかめる特掃隊長、ヨッシャ!」と気合を入れ直して再び浴室へ。
放り投げたままのスコップと肉塊を再び手にした。
自分を勇気づけるために、何かの鼻歌を歌ったように記憶している。
そして、勢いをつけてさっきの巨ウジを直視してみた。
すると、どうも様子がおかしい。
おそるおそる腐敗粘土を削ぎ落として見たら、巨ウジと思ったモノはただの浴室の石鹸だった。
「キーッ!石鹸ごときに脅されて悲鳴をあげてしまうとは!」
ただの石鹸にここまで驚く人間って、そうはいないだろう。
まったく、不覚をとってしまった。
釈明するとしたら、石鹸にここまで怯えられるくらいに凄惨を極めた現場であったとも言えるだろうか。
元気を取り戻した私は、腐敗粘土に包まれて柔らかくなっていたその石鹸をグニュッと踏み潰し、作業を再開した。
相変わらず、腐敗肉塊がかもし出す気持ち悪さも絶好調。
とにかく、違うことを考えるようにしながら、手と体だけを単調に動かした。
食道にこみ上げて来るモノを強引に押し戻しながら。
そうこうしていると、急に腹が痛くなってきた。
そのうち、その痛みと圧迫感は下腹部に降りて行った。
「ゲロだかウ○コだか知らないが、上がダメなら下に行こうって寸法か?」
しばらくして、自分が下痢の腹痛に襲われていることを察知。
「よりによってこんな時に!」
誰に腹を立てていいのか分からないけど、とにかくイラついた。
そのイラつきも、次第に焦りに変わり始めた。
お約束の通り、下腹部の圧迫感が増してきたのである。
我慢できないことは自分がよく分かっていた(諦)。
モノを出すしかないけど、出すところがない(焦)。
作業用の装備と汚れて臭いユニフォームが邪魔をして、外のトイレを借りに出ることもできない(悲)。
苦慮していると、グッドアイデアをひらめいた(喜)。
「灯台元暗し!俺がいる所はトイレじゃないか!」
渡りに船、幸いな事に私はトイレにいたのである(快)。
しかし、こんなトイレに喜ぶ自分って一体・・・(苦笑)。
肝心の便器は腐敗液まみれ。とてもそのままでは用を足せる訳もなく・・・。
皮肉なことに、用を足したければ自分できれいにするしかない状況だった。
私の下腹部の圧迫感は、ひと山越えるごとに強くなってきていた(似たような経験がある人、いるでしょ?)。
そのうち、腸がゴボゴボと妙な音を出し始めた。
限界点へ到達するのは時間の問題だった。
(これ以上、詳細な描写をすると下ネタ注意報が発令されてしまうので、書きたいけどやめておく。)
ウ○コ男が本当にウ○コを漏らしてしまったんでは、汚れた人生に更に汚点が残る。
それからの私は、まるで人が代わったように迅速に動いた。
石鹸ごときに驚嘆した自分がウソのように、腐敗肉塊の気持ち悪さもそっちのけで。
ウ○コを漏らすのが先か、トイレをきれいにするのが先か、背に腹は代えられない時間との戦いであった。
もはや、依頼者のためというより自分のためにトイレを掃除していた。
仕事に対する心構えがなっちゃいないから、自業自得だったのかもしれない。
私は、人生に汚点を残すことになったのか、はたまた無事にクリアできたのか。
その後のことは想像にお任せする。
気が向いたら、今後のブログに載せるかも(ま、誰も興味ないね)。
滅多に食べないビーフシチューを、次に食べるまでは忘れることにする。
- トラックバック 2006/07/28 14:17:50投稿分より