★clausewitzのひとりごと★

45才既婚男です。雑多なブログですがコメントお待ちしております。

大前提  長文注意

2011年06月05日 18時55分37秒 | 料理屋さんへ一言
このカテゴリの最初の記事は、この「大前提」にします。
最も言いたいのはこれだという事。


「口コミは気にするな」
「お客様は神様、ではない」
「味を決めるのは自分」
「サービスを決めるのも自分」


どれも同じ事を言っております。

最近のネットの普及により、口コミに触れる機会が増えたと思います。
うちも含め、皆が日記感覚で評価をします。
その中には、良い書き込みもあれば、批判的な書き込みもある。
それを見て一喜一憂しては駄目です。
喜ぶのは別に構いませんが、落ち込むのは絶対に無駄。
口コミなんて、見なくても結構です。

味付けの受け取り方なんて、人それぞれです。
濃いのが好きな人もいるし、薄いのが好きな人もいる。
料理と共に酒も飲みたい人、ジュースしか飲まない人。
それら全てのパターンに味を合わせる事は不可能ですし、必要ありません。
(客の状態を見て味付けを変えるのはもっと後の段階です)

あなたの味付けに「おお、いいね。ここ」っていう人は再訪するでしょう。
しかしながら、「味が無さすぎる。ふざけんな」とか「味が濃すぎる。味覚がおかしいのではないか?」とかいう人は、
あなたの店にはもう行きません。
例え、口コミにそう書いてあって、味の調節をしたとしても結果は同じ事。
いや、寧ろ逆効果になるでしょう。何しろ再訪した人にとっては「ん?味が変わったな・・・」となり、次が無い。

そういうものです。

我々素人も、口コミを見てお店に行くことはありますが、その評価は自分で吟味します。
「この人はいろんなお店を食べ歩いている。だから自分よりも味覚が優れている」とも思わないし、
「この人は、有名店にも批判的に書いている。だから信頼できる」とも思いません。
どちらかというと、「あ、この人は自分の味覚に近い感じがする」と思うと、その人の口コミをちょっとだけ信用します。
その程度です。


サービス業では基本的に「お客様は神様です」と三波春夫の言を是とします。
接客などでは当てはまると思いますが、味については無視して構わないと思います。
(ちなみにこの言葉、サービス提供する側が思えばいいことで、客側が思うのは恥ずかしい事ですね)



レストランというものは、「味だけではない」と思います。
しかし、いくら接客がしっかりしていても、味が悪いと僕は行きません。
この辺りも後ほど詳しく書きたいと思いますが、基本的には「味が一番」だと思います。

キャパの問題、提供時間の問題、雰囲気の問題、コスパの問題・・・いろいろありますが、基本は味。


時々、「うちでも一人1万とれるのなら、どんだけでもうまいもんを用意する。でもうちは定食屋だし」っていう人が
いるようですが、そういう人は絶対に1万の料理は提供できません。出来るならそんなことは決して言いませんし。

いい材料を使ったらいいものが出来る、と思う人は少ないと思います。

つまり、「値段」を決めるのも、あなたの腕次第なのです。


料理人は自分自身と闘うもの。
腕を磨けば、人(スタッフ、客)はついてきます。
腕が落ちれば、人は離れていく。誰が考えても同じ結論。



一番聞かれるのが・・・・・・


「じゃぁ、どんな味にすればいいと思いますか?」
あるいは
「一体どんな味だと皆様に喜ばれるのでしょうか?」
など。


は? あなたプロでしょ?って言いたくなりますが、悩んでいる人はこれで悩む。



答えは一つだけ。



「自分が美味しいと思ったものだけを提供すればいい」



ということ。じゃあ、その味覚はどうやって研ぎ澄まされるか?
あるいは、どんな味が美味しいって思うのか?

これに対しては、これまた答えは一つだけ。



「思い切りたくさん食べてください」


これが一番の修行だと思います。
イタリア料理なら、東京・大阪・名古屋の有名店、地元の店、そしてイタリアのお店。
イタリアっていっても、地方によって随分と味が変わる。材料も変わります。もちろん、値段も。
リストランテもトラットリアもオステリアもエノテカもバールも、形態によって味と値段が変わる。


同じジャンルだけ食べ歩くと、だんだんと自分の理想像が出来てくると思います。
(客側で言うと、好み)

1000軒も行けばいいと思いますが、自分の理想像がしっかり形になったらもっと少なくても構いません。
また、不確かならもっと行く必要があります。


しっかりとした、明確な「カタチ」があれば、後は再現するだけ。
一番好みと思う店で修行させてもらえばいいし、無理でも何度でも食べて味を盗めばいい。


その為の投資は絶対に削ってはいけません。
お金もそうですが、時間もそう。


「いや、店してたら時間がとれないのです」


なんて事をいう人は、先がありません。



客の立場からしたら、「定休日」なんてどうでもいいんです。


「修行のため3ヶ月間お店を閉じます」と書いてあったら、
逆にウキウキするくらいです。


もちろん、「体調不良のため、療養します」でも、腹など立ちません。



「従業員の事を考えたら・・・・」

というのも言い訳でしかない。
本来なら、月給分をしっかり払い、「それでサービスを勉強してきて」というのが理想でしょうけど、ね。



お店は、「あなた」の城です。
客の城でも、スタッフの城でもありません。
偉そうにしろっていうのではなく、全て「覚悟」してくれという事。
強固な城にするのも、自分次第って事。
逆に、努力次第でいくらでも良くなります。



僕はそういう「上昇志向の強い店」が大好きです。
「ほぼ完成されたお店」というものは大変高い評価を与えることが出来るのですが、何度も通うかというとちょっと微妙。
どっちかというと、毎回、あるいは何度かに一度「お!?」と思わせる逸品を提供してくるお店、それがいい。
そういう店は、通う楽しみがありますからね。



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2 コメント

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どもです。 (ソーリです。)
2011-06-07 01:08:38
ひらまつの池田料理長と少しお話したら、ネットも見ているようで。
ネット上のおそらくの「誤解」とか、話したら、彼は即座に返答できましたね。毎日休みなく働いているのにどこでネットチェックまで。。。と思いましたね。大きな店で。
株、買ってないです。。。
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ソーリさんへ (clausewitz)
2011-06-07 19:07:59
やはりご覧になってましたか。
「誤解」とはどのようなものかは分かりませんが・・・。
コスパが悪い、という事だとしたら「どのレベルで言っているのか」という点でも見るべきですね。

グランメゾンとしての性格を入れての比較か、それともビストロや隠れ家フレンチレストランなどと同列に置いた場合のコスパか。


まあ、「誤解」次第ですかね。


ともかく、株主としては、フェアの内容と通常コースの内容が同じだったのはちょっと興ざめしましたね。
フェアにいっちゃうと、「美味しかったからまた行こうかな」という機会がなくなってしまう。
別の料理だと、また行こうかなと思うのですが・・・。
その辺りはもっと勉強して欲しかったです。
(つまりは株主心理)

あれだと単に、「お得なディナー」でしかありませんからね。勿体無い。


もちろん、通常メニューは替えにくい、という事もあります。
京都の料亭でも、大体毎年時期が同じだと同じような料理が出てきます。
それはやはり、「期待」があるからだと。
毎年、この季節になったらこのお店のこのメニューを食べたい、って思って予約する人もいるのでそうなってしまう。
ま、フレンチでも同じなのでしょう。

ただ、そういう「記念日」としての利用でない場合・・・もう少し「遊び」が欲しいと思うのです。
同じ月に二回いくと、同じものを食べなくてはいけない、って微妙なんですよね。


ま、難しい所ですね。


ちなみに、ひらまつの株自体は優秀ですね。
自社株買いに5億(4000株買うそうです)も使うだけあって、下がる気配がありません。
しかも予定していた平均株価よりも安く買えているので、今の所4000万円程余裕が出ていると思います。

その点でも買われているのかも知れません。


あぁ・・・・・和久傳の「鱧松茸」(焼き物)食べたくなった・・・・。
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