たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?
今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第17番「テンペスト」です。
タイトルの「テンペスト」は「嵐」という意味なんですが、ベートーヴェンが名付けた訳ではなく、ベートーヴェンの弟子が、この曲に関する解釈のしかたを尋ねたときに「シェイクスピアのテンペストを読みなさい。」と応えた事に由来しているそうです。カッコイイですよねぇ。なかなか言えないですよ、こんな事。テンペストも読んだ事ないし。
曲は「嵐」とタイトルがついていますが、それほど激しい嵐が吹き荒れているようには感じませんね。ただし、力強い響きは「嵐」を彷彿させる雰囲気を持っているかもしれませんね。全体的に暗い曲ではありますが、そこはやはりベートーヴェン!ピアノの魅力を十分に引き出した、しっかりと聴かせる曲ですから、聴き応えはありますね。
第1楽章:はじめは、少し崩れかかるような感じで頼りなく始まります。しかし、崩れ
かかる曲をなんとか立て直そうと、しっかりと踏ん張るように力強く曲を支えていき
、強い曲調になります。何度打ちのめされても、ただひたすらしっかりと足に力を入れ
てその場に留まろうとしているかのごとく、ひたむきな努力を感じてしまいます。
途中、虚しさを感じてあきらめたかのように寂しく聴こえるフレーズも出てき
ますが、それでもやはり頑張って思い直したかのように、力を入れて踏みとどまります。
最後には、覚悟を決めて全力で何かを訴えてくるようなフレーズもありますが、ここも
たまらないですね。
第2楽章:1楽章と同じフレーズで始まりますが、少しだけ光が差し込んできたような
やや、落ち着いた雰囲気になります。しかし、諦めにも似たフレーズは、どこか寂しく
切ない、なんとも言えない思わず涙が出てきそうな気持ちになってしまいます。悲しい
ときに、やさしく「いいんだよ、よく頑張ったんだから。」なんて慰められると、余計
に涙があふれ出してきそうな事ってありますよね。そんな気持ちなんだと思います。
綺麗なピアノのフレーズが流れてくると、流れ出した涙も止まらなくなってしましそう
な、そんな切ない曲ですね。
第3楽章:せっかく頑張って支えてきたのに、あの努力はなんだったんだ!後悔の叫び
にも似た、やり場の無い怒りにも似た、訴えるようなフレーズが虚しく激しく迫ります。
過去をひとつひとつ回想するかのように、苦しかった日々を悲しみの中で思い出して
いるようにとても悲しくピアノのメロディが響いてきます。悔やんでも悔やみきれない
くやしい思いが、とても切実に伝わってきます。自分を落ち着かせて、なんとか心の
整理をしようとしますが、どうしても整理しきれない虚しい想いを最後まで振り払う
事ができないでいる。そんな、もどかしい曲です。
暗くて悲しい曲なんですが、強い想いは伝わってくると思います。これもクラシックの魅力のひとつですよね。初心者の方はちょっと聴きにくい曲かもしれませんが、≪オススメCD≫には、この曲と同時にベートーヴェンの綺麗で明るい曲も入ってますから、その記事にもリンクさせておきますから、せっかくなので、この曲と一緒にいろんな曲を楽しんで見てください。
≪オススメCD≫
ケンプのピアノさばきをお楽しみください。
≪参考書籍≫
せっかくなので、シェイクスピアのテンペストも紹介しときます。
【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆☆★
哀:☆☆☆★★
楽:★★★★★
≪おすすめシチュエーション≫
落ち込んだときに、思いっきり泣きたくなったら、ホントに泣けると思いますよ。
≪オススメCDに入ってる他の曲の記事≫
→ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」の記事はこちら
→ピアノソナタ第26番「告別」の記事はこちら
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今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第17番「テンペスト」です。
タイトルの「テンペスト」は「嵐」という意味なんですが、ベートーヴェンが名付けた訳ではなく、ベートーヴェンの弟子が、この曲に関する解釈のしかたを尋ねたときに「シェイクスピアのテンペストを読みなさい。」と応えた事に由来しているそうです。カッコイイですよねぇ。なかなか言えないですよ、こんな事。テンペストも読んだ事ないし。
曲は「嵐」とタイトルがついていますが、それほど激しい嵐が吹き荒れているようには感じませんね。ただし、力強い響きは「嵐」を彷彿させる雰囲気を持っているかもしれませんね。全体的に暗い曲ではありますが、そこはやはりベートーヴェン!ピアノの魅力を十分に引き出した、しっかりと聴かせる曲ですから、聴き応えはありますね。
第1楽章:はじめは、少し崩れかかるような感じで頼りなく始まります。しかし、崩れ
かかる曲をなんとか立て直そうと、しっかりと踏ん張るように力強く曲を支えていき
、強い曲調になります。何度打ちのめされても、ただひたすらしっかりと足に力を入れ
てその場に留まろうとしているかのごとく、ひたむきな努力を感じてしまいます。
途中、虚しさを感じてあきらめたかのように寂しく聴こえるフレーズも出てき
ますが、それでもやはり頑張って思い直したかのように、力を入れて踏みとどまります。
最後には、覚悟を決めて全力で何かを訴えてくるようなフレーズもありますが、ここも
たまらないですね。
第2楽章:1楽章と同じフレーズで始まりますが、少しだけ光が差し込んできたような
やや、落ち着いた雰囲気になります。しかし、諦めにも似たフレーズは、どこか寂しく
切ない、なんとも言えない思わず涙が出てきそうな気持ちになってしまいます。悲しい
ときに、やさしく「いいんだよ、よく頑張ったんだから。」なんて慰められると、余計
に涙があふれ出してきそうな事ってありますよね。そんな気持ちなんだと思います。
綺麗なピアノのフレーズが流れてくると、流れ出した涙も止まらなくなってしましそう
な、そんな切ない曲ですね。
第3楽章:せっかく頑張って支えてきたのに、あの努力はなんだったんだ!後悔の叫び
にも似た、やり場の無い怒りにも似た、訴えるようなフレーズが虚しく激しく迫ります。
過去をひとつひとつ回想するかのように、苦しかった日々を悲しみの中で思い出して
いるようにとても悲しくピアノのメロディが響いてきます。悔やんでも悔やみきれない
くやしい思いが、とても切実に伝わってきます。自分を落ち着かせて、なんとか心の
整理をしようとしますが、どうしても整理しきれない虚しい想いを最後まで振り払う
事ができないでいる。そんな、もどかしい曲です。
暗くて悲しい曲なんですが、強い想いは伝わってくると思います。これもクラシックの魅力のひとつですよね。初心者の方はちょっと聴きにくい曲かもしれませんが、≪オススメCD≫には、この曲と同時にベートーヴェンの綺麗で明るい曲も入ってますから、その記事にもリンクさせておきますから、せっかくなので、この曲と一緒にいろんな曲を楽しんで見てください。
≪オススメCD≫
ケンプのピアノさばきをお楽しみください。
ベートーヴェン:Pソナタ第21ケンプ(ヴィルヘルム), ベートーヴェンユニバーサルクラシックこのアイテムの詳細を見る |
≪参考書籍≫
せっかくなので、シェイクスピアのテンペストも紹介しときます。
テンペスト―シェイクスピア全集〈8〉筑摩書房このアイテムの詳細を見る |
【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆☆★
哀:☆☆☆★★
楽:★★★★★
≪おすすめシチュエーション≫
落ち込んだときに、思いっきり泣きたくなったら、ホントに泣けると思いますよ。
≪オススメCDに入ってる他の曲の記事≫
→ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」の記事はこちら
→ピアノソナタ第26番「告別」の記事はこちら
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時折拝見させていただいてます。
30年近くクラシック音楽を聴いてきましたが、貴ブログの懇切丁寧な記事は「初心者」のみならず、勉強になります。
ちなみに私は「テンペスト」はリヒテル派です
お褒めの言葉、とっても嬉しいです。30年近くクラシックを聴いておられる方に上のようなお言葉を頂けるなんて、とても感動してしまいます。自分自身は、クラシックを聴き始めたのが学生の時からですので、まだ十数年程度ですし、まだまだ、いろんな演奏家を聴き及んでいないので、いろんな記事が生意気に聴こえるかもしれませんが、今後も頑張って更新していきますので、どうぞよろしくお願い致します。リヒテルのテンペストも機会があったら聴いてみます。