初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

「神童」アマデウス・モーツァルト(最終話)

2006年12月24日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日は「神童」ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(第19話)です。

≪作曲家の肖像≫


アマデウス~モーツァルト名曲集(ザ・クラシック1200-57)
クリヴィヌ(エマニュエル), シュタットルマイヤー(ハンス), コッホ(ヘルムート), フィルハーモニア管弦楽団, シンフォニア・バルソビア, アドリヤン(アンドラーシュ), ミルドニアン(スザンナ), ミュンヘン室内管弦楽団, オムニバス(クラシック), ベルリン放送合唱団
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【Wolfgang Amadeus Mozart】

さて、怪しげな男からレクイエムの作曲依頼を受けたモーツァルトですが、今日はその続きからです。

(第19話)【レクイエム】
 モーツァルトにレクイエムの作曲を依頼した、この謎の依頼人。現在ではちゃんと正体が分かっています。ヴァルゼック伯爵は亡き妻のために自分でレクイエムを作曲していましたが、特に音楽の才能がある訳でもない、素人の伯爵は作曲に行き詰ってしまい、やがてゴーストライターを探すのでした。そして、見つけたのがモーツァルトだったようです。

 借金に苦しむモーツァルトなら喜んで引き受けると考えていたのでしょう。そしてこのヴァルゼック伯爵は、依頼人である自分の名前を伏せて、モーツァルトの元にロイドゲップという使者を送ったというのが真相だったのでした。(別に冥界からの使者じゃなかったんですね。)

 一方、劇場支配人からの依頼である歌劇「魔笛」が完成すると、1791年9月シカネーダーの劇場で初演されます。これまでに行った王宮でのかしこまった劇場とは違い、日常の娯楽を求めて集まったウィーンの一般聴衆の間で、モーツァルトの「魔笛」は大成功のうちに幕を引き、久々の大喝采を浴びる事になりました。

 10月保養地バーデンにいる妻を迎えに行くモーツァルトでしたが、そこで再会を果たした妻コンスタンツェはモーツァルトを見て愕然としてしまいます。しばらく離れているうちに、モーツァルトは痩せ細り衰弱しきっていたのでした。

 ウィーンに帰ると友人シュタッドラーのために「クラリネット協奏曲」を作曲しますが、11月になると病の床に伏せてしまいます。モーツァルトは病床に居ながらも、依頼を受けた「レクイエム」が未完のままだった事が気にかかり、弟子に作曲を指示しますが、モーツァルトは8小節目までを書き残すと、やがて昏睡状態に陥ってしまい、1791年12月5日ついに永遠の眠りにつくのでした。享年35歳の冬でした。


[モーツァルトの死後]
 モーツァルトの葬儀はしめやかに行われ立ち会った人も数少なかったと言われています。貴族ではないモーツァルトが埋葬されたのは聖マルクス墓地の第三等。借金もあったためでしょうか、それほど盛大には行われていないようです。そのため、現在でもモーツァルトが埋葬された場所は不明でお墓すら残っていないようです。
 それにしてもモーツアルトと同じ宮廷作曲家という職にあったグルックが宮廷で盛大な葬儀を行われていたのを見ると、ちょっと悲しい気もしますが、皇帝が変わった影響もあったんでしょう。

 しかし、プラハではモーツアルトの死が伝わると12月14日には、大規模な追悼ミサが行われ有名な音楽家やプラハ市民が悲しみの涙を流していたようです。

 一方、ウィーンでは葬儀は地味だったものの、歌劇「魔笛」が大ブレイクを巻き起こし、年間で何十回も再演が行われていたようです。更に、これをきっかけにドイツの諸都市でも「魔笛」が演奏されるようになり、没後3年の1974年にはドイツでモーツァルトブームが既に起こっていたようです。モーツァルトブームは留まることを知らず、没後10年を過ぎた頃にはヨーロッパ全域に広がっていたのは、なんとも皮肉な限りですね。

 そして、気になる未完の「レクイエム」ですが、これはその後妻コンスタンツェがモーツァルトの弟子ジェスマイアーに補筆を指示して無事にヴァルゼック伯爵に届けていたようです。 



モーツァルト生誕250年記念 エターナル:モーツァルト
オムニバス(クラシック), クリヴィヌ(エマニュエル), フィルハーモニア管弦楽団, モーツァルト, コシュラー(ズデニェク), チェコ・フィルハーモニー管弦楽団, ブロムシュテット(ヘルベルト), ドレスデン・シュターツカペレ
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 さて、かなり長くお付き合い頂いたモーツァルトでしたが、いかがだったでしょうか?短い生涯でしたが、ぎっしりと詰まった人生はやはり常人には持ち得ない才能の持ち主だった証のような気もします。
そして、今年、2006年はモーツァルト生誕250年のアニバーサル・イヤーとして多くの記念CDが発売されていますが、去年も今年も来年もモーツァルトの音楽は変わらず明るい響きを我々に聴かせてくれる事は、間違いないハズですから、これをきっかけにいろんなモーツァルトを聴いてみるのも面白いと思います。

 特にこれからは、CD店でも「年末セール」とか、年が明けても「年度末売り尽くしセール」とかで安く手に入る季節になってくると思いますから、これからが“買い時”なのかもしれないですね。



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