初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

「神童」アマデウス・モーツァルト(第4話)

2006年12月02日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日は「神童」ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(第4話)です。

≪作曲家の肖像≫
イタリア時代のモーツァルト(ちょっとイメージ違いますよね。)
モーツァルト:セレナード第7番
クーベリック(ラファエル), ケッケルト(ルドルフ), バイエルン放送交響楽団, モーツァルト
ユニバーサルクラシック

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【Wolfgang Amadeus Mozart】

パリ、ロンドンで大きな成果を挙げてウィーンに戻ったモーツァルト。ここではうまくいかなかったようですが・・・、今日はそのつづきからです。

(第4話)【イタリア旅行】
さて、2度目のウィーンでの演奏旅行がうまくいかなかったレオポルトが次に目をつけたのがイタリアでした。
 
 モーツァルトの時代には音楽の最先端を走っていたのはイタリアで、クリスチャン・バッハのようにイタリアで音楽を学んだり、また、イタリア出身の音楽家たちが各地の宮廷音楽家としてもてはやされていたため、レオポルトもこれに目をつけて息子モーツァルトにイタリアの音楽を学ばせようとしたようです。

 1769年12月、レオポルトはモーツァルトだけを連れ、冬のアルプスを超え、イタリアへ入るのでした。アルプス山脈の途中にあるロヴェレートに滞在中、トデスキー伯爵の屋敷でモーツァルトが演奏会を行い、オルガンを弾くと町中が大騒ぎになったという。

 1770年、年が明けるとアルプスを抜けふもとの町ヴェローナでの演奏会も大喝采の内に終わり、マントヴァ、クレモナを通ってイタリアでは最初の目的地であるミラノに到着します。

 ミラノでは演奏会を行うと同時に音楽家の大家と呼ばれる巨匠たちと接し、音楽に対する見識を深めていきます。そして、ミラノでは翌年の謝肉祭のためのオペラを作曲する契約を取り付けます。

ミラノを出て、パルマを経由してボローニャに着くと、ここでの演奏会も大好評となります。そして、ここボローニャでは、当時作曲家の大御所と呼ばれていたマルティーニ神父を訪ねます。

 更にボローニャからフィレンツェ、そして、重要な目的地ローマに到着します。
ローマに着くと、モーツァルト父子はすぐにサン・ピエトロ大聖堂に足を運びミサに参加します。翌朝にはシスティーナ礼拝堂で朝果・典礼に出席すると門外不出で秘伝とされていた「ミゼーレ」というグレゴリオ聖歌を聴くのでした。

 その日、宿に戻ったモーツァルトは9つもパートがあるこの合唱曲を、記憶だけを頼りに正確に楽譜に書き起こしてしまったのです。これに驚いたレオポルトがザルツブルクに居る妻に送った手紙が今も残っているようです。
 その夜に行われた教皇司式典礼にも参加するのでした。

 その後、ローマを発ちナポリへ向かいます。ナポリでも演奏会は大成功を収め、ここではレオポルトと共に名所・旧跡を訪ねる観光を行ったようです。

 ナポリでは1ヶ月近く滞在し、ゆっくりと羽を伸ばしたモーツァルト父子はここで旅路を折り返し、北上します。
 ローマへ戻ってみると、モーツァルトに思わぬご褒美が待っていました。なんとローマ教皇クレメンス14世から黄金拍車勲章なる名誉を授かるのでした。レオポルトも腰を抜かすと同時に泣いて喜んだことでしょう。このときモーツァルトは若干14歳!

 ローマを後にするとボローニャに向かいます。ここでは、来る時に親交を深めていたマルティーニ神父を再び訪ねると、神父は作曲法をモーツァルトに指導しますが、高度な作曲技法を次々に習得する14歳のモーツァルトに、神父も舌を巻いていたようです。

 モーツァルトの才能に驚いたマルティーニ神父は、だったら・・・、とイタリアでは権威のある音楽家たちの団体「アカデミア・フィルハルモニカ」会員の「対位法」という作曲法の試験(今聞いても素人の我々にはなんの話かわからない)を受けさせると、あっという間にこの試験をパスしたという。

 当時の会員資格は「20歳以上」とされていたアカデミア会員に満場一致で推薦され、その資格を授与されるのでした。

 ボローニャで作曲を始めていた歌劇「ポントの王トリミダーテ」をミラノで初演すると大成功を収め、「小さなマエストロ万歳!」という声援が鳴り止まなかったと伝えられています。ヴェネツィアを経由して行く先々で大好評の賛辞を受けて、オペラの作曲も同時進行で行いながら、大収穫を得て1771年に故郷ザルツブルクへ帰ってくるのでした。モーツァルトは15歳になっていました。



さて、どこへ行っても大人気でもてはやされるモーツァルトでしたが、少年時代が一応きりのいいところとなりました。(?!)書いてると結構長いお話になりそうなので、いつもならこのつづきはまた明日。というところなんですが一旦ここで切上げて曲の紹介とドラマを挟んで、このつづきはまた来週。(勝手で申し訳ないですがご了承ください。)


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