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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

睡眠薬「マイスリー」に“夢遊病”の副作用 米FDA報告

2007年03月16日 | 心のしくみ
 【ワシントン=渡辺浩生】米国の薬局で最も処方されている睡眠薬「アンビエン」(日本名マイスリー)を服用すると、睡眠中に車を運転しようとしたり、食事をするなど異常な行動をひき起こす危険性があることが、米食品医薬品局(FDA)の報告で分かった。米国では不眠症に悩む人が増加し、睡眠薬はテレビ広告で積極的に宣伝されているが、FDAはアンビエンを含む13種類の睡眠薬について、危険な症例を患者に周知させるよう製薬会社に求めた。

 FDAによると、異常行動は、睡眠時遊行症(夢遊病)の一種とみられ、非常にまれだが、睡眠中に起きあがって車を運転する▽夜中に過食する▽電話をかける▽インターネットで買い物する-などの内容の報告があった。いずれも本人には全く記憶がなかった。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、路上でパジャマ姿のまま逮捕されて初めて目を覚ます「睡眠ドライバー」もいた。飲酒前後に薬を服用すると、異常が発生する確率が高くなるという。

 FDAに報告されたこうした異常行動の多くが、「アンビエン」の服用と関連していることも分かった。この薬は、仏サノフィ・アベンティス社が開発、世界約100カ国で販売され、日本でもアステラス製薬が商品名「マイスリー」で販売している。

 昨年5月には、民主党のパトリック・ケネディ下院議員が運転する車が連邦議会議事堂の外のさくに衝突する事故が発生。本人は「アンビエンの服用後で、記憶がなかった」と訴えたという。

 FDAは今回、同様の異常を懸念し、アンビエンに限定せず、「ルネスタ」(米セプラコール社)など計13種の睡眠薬について、表示や医師による説明を求めた。

 米国では、昨年の睡眠薬の売り上げが2000年に比べ60%も増加。テレビでの処方薬の広告が影響しているとの見方も出ている。医薬品業界は昨年、睡眠薬の宣伝費で6億ドルも投じており、ミネソタ大学のマーク・マホワルド博士は「広告の規模は常軌を逸している」と批判している。

 FDAの報告に対し、仏サノフィ社は、夢遊病の症例は確率が1000人に1人以下のまれな副作用で、表示もしているという声明を発表している。

[産経新聞 Sankei-Web / 2007年03月16日]
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070316/usa070316002.htm

Wikipedia「マイスリー」のページ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%BC

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