アジア映画巡礼

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香港映画はやっぱりすごい! 『使徒行者2』と『沈黙的証人』を見て興奮!!

2019-08-26 | 香港映画

大体1日2本の割合で映画を見ているのですが、別々の日に見た香港映画が2本とも凄かったので、まとめてご紹介してしまいます。2本とも、張家輝(ニック・チョン)の主演作です。


『使徒行者2:諜影行動』は、2016年に作られた『使徒行者』の続編なのですが、お話はつながっていません。出演者がニック・チョン、古天樂(ルイス・クー)、呉鎮宇(ン・ジャンユー)の3人であること、「臥底(悪の組織に警官が潜入すること。反対の場合にも使われる)」をテーマにしていること、監督が文偉鴻(ジャズ・ブーン)であること、アクション監督は銭嘉樂(チン・ガーロッ)であること、といういくつかの共通点があるだけで、まったく新しい物語が展開します。かつて潜入捜査官として、ギャングの一味となっていた程警部(ニック・チョン)は警察官として復帰、葉警視(ン・ジャンユー)と強い信頼関係で結ばれています。葉警視の指揮の元で、警察に潜入しているギャングの一味は誰なのか、を暴く捜査をしているのですが、程警部が疑っているのは、何かと葉警視とぶつかることの多い井警視(ルイス・クー)でした。そんな中、ギャング団の取材を続け、ミャンマーにまで足を伸ばした女性記者が一味から狙われることに。彼女を守りつつ、井警視の正体を暴こうとする程警部でしたが、ギャング団のアジトがスペインにあることが判明してきます...。

Shi tu xing zhe 2: Die ying xing dong Poster

冒頭に、「1987年のフィリピン」とことわって、養護施設が映し出されます。そこで毎回、ルービックキューブの競争をしては片方が勝ちを収める、という仲良しの男の子二人が映し出され、その片方が程警部であることが徐々にわかってきます。彼は阿ディーと呼ばれていたのですが、もう一人の男の子は阿ディーと共に誘拐されそうになり、阿ディーをかばって背に傷を負ったあと、崖から落ちた阿ディーを残し、男たちに連れ去られてしまいます。そして、犯罪者としての訓練を受けたのでした。この、「幼い時に別れたバディ探し」が通奏低音になっていて、ちょっとセンチメンタル気味なのですが、ニック・チョンの名演技で骨太の映画になっていました。常に唇を引き結び、口角をちょっと上げ気味にしたニックの表情は、これまでの作品であまり見られなかったもので、魅力的です。お話の舞台も、ミャンマーからスペインへと広がり、スペインでは闘牛祭りを舞台にしたカーチェイスとアクションが繰り広げられて、アクション監督銭嘉樂の腕が冴え渡ります。広東語版も見てみたい(シンガポールでは、香港映画もすべて華語=普通話版が上映されるのです)、と思わせられる作品でした。

*  *  *  *  *

続いては、やはり張家輝(ニック・チョン)主演の『沈黙的証人』。こちらは、監察医が主人公です。クリスマス・イブの日、外は大雨でした。遅くまで残って実習生の女性、喬琳(楊紫)に講義していた陳嘉豪(張家輝)でしたが、みんなが帰り、夜間警備の守衛が金叔に交替したあとに、クリスマス用の仮面を付けた3人の男が押し入ってきます。サンタ(任賢齊/リッチー・レン)、ルドルフ、エルフと呼び合う3人の男は銃をかまえ、先日の事件で亡くなった女性の遺体を要求します。その体に残る銃弾を取り出せ、というのです。攻防を繰り広げるうち、陳嘉豪は男たちの意図に気づいていきます...。

Bodies at Rest.jpg

物語はフラッシュバックシーンを除いて、ほとんどが監察院の中で進行します。仮面の男たちによって封鎖されたそこへ、遺体を引き取りに葬儀社の人間が来たり、状況を疑った警官2名が来たりしますが、あとは監察医と実習生対3人の男、という構図で、様々な戦いが繰り広げられるのです。理系の研究室でもある監察院にはいろんな薬品もいっぱいあり、それらやコンピュータを利用しての作戦はよくまあ考えたものよ、と感心するばかり。実習生が警察で訓練を受けた女性、ということで、力業でも知恵でも、監察医に負けず劣らずの活躍を見せ、全編息つく暇もない緊張感の連続です。いやー、これは香港映画でないと作れない作品かも。

監督は、レニー・ハーリンというフィンランド人で、ハリウッドで活躍したあと現在は中国と香港で仕事をしている模様。脚本が誰なのかわかりませんが、脚本も撮り方も非常にうまい映画でした。最後に、上記2作品の予告を続けて付けておきます。日本でも公開されるといいですね。


《使徒行者2 諜影行動》(Line Walker 2) 電影預告 - Movie6 識電影 | 讓你認識更多電影的平台


《沉默的證人》正式預告・8月22日・搶屍滅跡

 


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