アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

ムンバイに来ています<2日目>女性専用車両の攻防

2024-02-22 | 旅行

現在泊まっているホテルは「アンデーリー(イースト)」という地区にあります。空港の北にあたるアンデーリー地区は、南北に走る鉄道を挟んで、「イースト」と「ウェスト」に分かれます。そして、鉄道のアンデーリー駅をまたぐようにメトロが走っていて、西はヴェルソーヴァーまで3駅、東はガートコーパルまで8駅が人々に利用されています。一番最初にできたムンバイ・メトロの路線なんですが、清潔で便利なメトロは鉄道よりも少し運賃が高いものの、すぐに通勤に利用されるようになりました。高いと言っても、一駅分10ルピー(約18円)という感覚で増えていく運賃なので、とても安いです。ですのでラッシュ時は、メトロも超満員になる毎日となっています。

メトロよりも安いのが鉄道で、アンデーリーから南に走ってシティと呼ばれるムンバイ中心部に行く鉄道は、アンデーリーからチャーチゲート駅まででたったの10ルピー。乗車時間は主要な駅だけ泊まるいわば「快速」で約30分、「鈍行」だと1時間ぐらいかかるのですが、この距離をタクシーやUberで行くと軽く500ルピーはかかるため、ものすごくお得です。今日、カール・ロード駅からアンデーリーまで乗ったら「5ルピー」と言われ、その安さに絶句しました。車両はメトロに比べるとボロいですが、それでも清潔だし、車内アナウンスやデジタル掲示板もあって、快適です。上の写真は始発のチャーチゲート駅から乗った時のもので、3人がゆったり座れる座席が両側に付いています。後ろ姿の女性は車内販売をしている人(もちろん勝手に、というか、何らかの届け出をして車内を回っているんだと思いますが、鉄道会社の販売員ではありません)で、この時は午後6時半ごろの電車だったため、お腹の虫押さえになるようなスナックを売っていたのでした。

一見ゆったりした車内ですが、混んでくるとどんどん人が乗ってきて、座席の端に座る人も出てきます。3人掛けは詰めると10数㎝の隙間が端にできるため、そこにお尻を乗っけて座るのが暗黙の了解になっています。この時は私の前の席(水色のクルターの女性がいる席)と私が座っていた席は、まだ端っこ座りは登場していなかったのですが、このすぐあとでいずれも4人掛けになりました。今日は混んでいたと言ってもまだそれほど悲劇的?ではなかったのですが、昨日やはりチャーチゲート駅から乗ったエアコン電車はすさまじい混みようで、乗ってきて空席がないとみるや、みんな座っている人に「あんた、どこで降りるの?」と聞いてきます。「アンデーリーよ」と言うと「やった!」とばかり、「その席、私がアンデーリーから座るからね!」と回り中に宣伝して、それで上の吊り革(金属製だからちょっと違うか)をつかんでずっと立っている中年女性もいたりしました。アンデーリーは、チャーチゲートを発って終点のヴォーリーワリー駅までの、ちょうど中間に当たるのです。この混み具合からくる混乱は、途中にある乗換駅のダーダルやバンドラーでもくり返され、座席で寝ている人がいたらたたき起こして、「どこで降りるの?」と皆さん聞いていました。いやはや、すさまじいラッシュ風景でした。でも、殺気立つのは一瞬で、あとは途中で座っている人がしばらく代わってあげたり、赤ん坊を抱いている人が乗ってきたら誰かが席を譲ったりと、いろんなドラマが繰り広げられました。

        

今日もアンデーリーで降りる時は、隣に端っこ座りしていた黄色いクルターの女性の肩をたたいて中に入れてあげ、私は立って通路へ。到着駅まで座っていると、電車を降りられなくなるのです。入り口からどどっとすごい人数が入ろうとするので、出口の降車組は数で彼女たちを押しまくって列車を降りなくてはならず、そのタイミングを間違えると列車内に押し戻され、たちまち列車が発車する、というわけです。私のあとで立ち上がった女性は、私にはもちろん、その前に立っている女性たちにも「あんた、アンデーリーで降りるんだよね?」と声をかけては念押ししまわっていました。というわけで、席を立ってから通過駅を3つ確認してアンデーリーに着いたのでした。大変だったけど、面白い乗車経験でしたが、毎日やらざるを得ない働く女性たちは本当に大変です。男性車両もこんな感じなのかしら?なお、女性専用車は、1列車に3~4カ所設置されています。

今日は、メトロと電車を乗り継いであちこち行ったため、アンデーリーの乗り換え通路を3回か4回歩きました。上の写真のご夫妻は、昨年のインド映画検定局(CBFC)調査でお世話になったウダイ・シャンカル・パニさんご夫妻。「一度家へおいで」というわけで、朝10時半に指定され、朝寝坊の私としては決死の覚悟で?行ったのですが、ヨーガ教師の奥様はポーハというグジャラートの軽食を作って下さり、歓迎して下さいました。お二人が聞いたことのない言語でしゃべっているので、「何語ですか?」と聞くと「オディシャー語だよ」とのこと。お二人とも、親の代でオリッサからそれぞれデリーとムンバイに出てきて、そこでそれぞれお二人が生まれ、お見合い結婚となったそうで、結婚した時ウダイさんはリチャード・アッテンボロー監督作『ガンディー』の製作に関わっていたそう。で、結婚後すぐに長女ができたので、「あいつは映画を製作しないで赤ん坊を作っていた」と揶揄されたのだとか。以後、劇映画やドキュメンタリー映画をいろいろ作っている人です。こぢんまりしたマンションの7階の2室を所有し、3人の子供たちはもう大きくなって独立、片方を奥様のヨガスタジオ兼自身の撮影スタジオに使っていて、堅実な生活ぶりを覗かせていただきました。

そのほか、豪華な布地を扱うサロージ・ファブリックスやヴァンダナー・ファブリックスに行ったり、フィルム・ヘリテッジ・ファウンデーションに本を寄贈に行ったりと、あちこち駆け回っています。明日はまた友人宅訪問が2件あるので、映画が見られるのは24日(土)になりそうです。


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2 コメント

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Unknown (エドモント)
2024-02-25 18:35:25
お久しぶりです。
あの混雑する在来地上線郊外電車をこなしてしまうcinetamaさん、素晴らしいですね。
文面からでは、ムンバイメトロ3号線(1、2号線は高架鉄道なので、ムンバイ初の地下鉄になるのですが)は、開業までもう少し時間がかかるということなのでしょう。
3号線が開業すれば、空港から市街へは、デリーと同様に便利になるのですが。
私もムンバイでは、チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅の南側へ少し下りたホテルに宿泊した際、ニューデリー滞在時に購入したsimでの通話が、ムンバイでは上手く行かず、ホテルすぐそばのボーダフォンで、時間はかかりましたが、スタッフの対応は親切だった経験があります。
どうぞ、順調にミッションが遂行されますように。
旅行記を楽しみにしています。
エドモント様 (Cinetama)
2024-02-26 10:53:11
コメント、ありがとうございました。こういうのを読むと、エドモントさんの血が騒ぎますよね(笑)。お年賀状には台湾と韓国へのご旅行写真が使ってありましたが、そろそろインドやドバイへも?

ムンバイのメトロ3号線は、一番北の駅がわからないのですが、南はアンデーリー・イーストという駅まで開通していて、ここと1号線のDNナガルとが歩道橋で結ばれています。どうせなら、改札を通らず乗り換えができるようにすればよかったのに、と思いますが、いろいろ事情があったんでしょう。
その南は4月にある程度開通するようですが、私が来てほしいシティと呼ばれるバンドラ以南はまだまだ先になるようです。本当の「地下鉄」になる日はまだまだ来そうにありません。

というわけで、ぜひ「地下鉄」になってから、ムンバイへお越し下さいね。デリーやチェンナイは立派に地下鉄が走っているので、ムンバイ・メトロ、もっとがんばれ!とエールを送るものの、「高架鉄ちゃん」の私としては地下に潜るのはちと残念。シティも高架から見たかったなあ...。

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