チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

<論考>辺野古埋立変更申請の問題点--環境に大きな影響、県は承認できない!

2014年09月24日 | 沖縄日記・辺野古

 このブログでも何回か書いてきたが、防衛局は、9月3日、辺野古埋立承認願書の設計概要の変更申請書を提出した。公有水面埋立法第13条は、当初の設計概要を変更した場合は知事に変更申請を行い、承認を得なければならない。知事は、埋立承認願書の場合と同じように、「環境保全に十分配慮されているか」を審査する。 

 今回、防衛局は4点の変更申請を行った。

1.美謝川の水路の切換えルートの変更

 まず、問題となるのは美謝川の水路の切り替えルートの変更。美謝川は辺野古ダムからシュワブ基地内を通って大浦湾に流れこんでいるが、当初案はダムの北側から新たに水路を作り国道329号線を横切って基地内を通らずに大浦湾の奥へ流そういう計画だった。ところが、美謝川は法定外公共物管理条例で名護市の所管になっているが、このような計画は名護市長が許可しない。そこで、防衛局は名護市長の権限が及ばない基地の中で、水路を暗渠に切り替える計画に変えたのである。

(現在の美謝川(国道329号線の暗渠部分)、こんなに幅広い水路をほとんど暗渠とし、しかも直角に折り曲げようとしている。)

 県は環境アセスの評価書で、美謝川の切換えについては、「自然環境に配慮した工法」「画一断面の護岸を避ける」との意見を出し、それを受けて防衛局も埋立承認願書で、「開水路とし、生物の生息環境を創出」「暗渠水路区間が最も短い」計画として当初案を出していた。それが今回の変更案では、ほとんど暗渠にしてしまうというものであるから、「環境保全に十分配慮」したものでないことは明らかだ。

 また、今回の変更案は、暗渠が途中で90度以上の鋭角に曲げられている。このような水路は河川管理上も論外で、県が承認する余地はない。

2.土砂運搬方法の変更---国道329号線に大量のダンプトラックが

 土砂運搬方法についても大幅に変更された。埋め立てに必要な土砂2,100万㎥の内、辺野古ダム周辺から200万㎥の土砂を採取する計画だが、当初案は、辺野古ダムをまたいでベルトコンベアを設置し、さらに国道329号線上にも高架でベルトコンベアを作って24時間土砂を運搬する計画であった。ところが、この計画も辺野古ダムの管理者である名護市長の許可が出ないということで、ダム西部(Bブロック、Cブロック)の土砂65万㎥は、ダンプトラックで国道329号線を経由してAブロックに運搬し、そこから高架道路で埋め立て地に運ぶ計画に変更された。

 (国道329号線のシュワブ第2ゲート付近。この辺りに高架道路が設置される。)

 このため、国道329号線には、65万㎥の土砂を運ぶダンプトラックが13万台も通過することとなる。変更申請書が開示されていないので、詳細は明らかではないが、海岸防災課の担当者は一日当り500数十台のダンプトラックと漏らしている。いずれにしろ、とんでもない台数だ。

 この土砂運搬方法についても、アセス評価書では「ベルトコンベアを使用するので国道329号線のダンプトラック走行は最小限に抑えられる。」とされていた。それが、今回、ダンプトラックによる運搬になってしまっただから、県はこの変更申請を承認できないことは明らかだ。

3.県は全ての情報を公開せよ! 駆け足の承認は許せない

  他にも、仮設道路の設置計画や中仕切護岸の変更などが申請されている。ところが、県は、この変更申請書を非公開としており、詳細は明らかでない。申請の内容が明らかになれば、たとえば美謝川の切換えルートの変更やダンプトラックの問題など、県民の批判が集中することは目に見えている。そこで、県民に内容を隠したまま、仲井眞知事の任期中の10月半ばにも変更申請を承認しようとしているのだ。私たちは、「変更申請書の内容を明らかにし、慎重な審査を行え。」、「きわめて重要な問題なので知事選挙が終わるまで判断を保留せよ。」と要求しているが、県は聞き入れようとはしない。

 県民会議も、この問題を重視し、県庁包囲行動などを予定している。

         (県は防衛局からの変更承認申請書を非公開とした。) 

 

 

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