チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

<検証>傾斜堤護岸の石材を海上搬送することは認められない!---石材の洗浄が不可能となる。また留意事項に基づく知事の承認が必要

2017年10月01日 | 沖縄日記・辺野古

 9月27日、防衛省は今まで辺野古新基地建設事業の護岸工等に使用する石材については、陸上から大型ダンプで搬送するとしていたが、それを海上から搬送すると表明した。これは極めて重要な問題であり、決して看過できない。

 28日の参議院議員会館での防衛省交渉でも、急遽、この問題について追及した。

2017.9.28 琉球新報

 辺野古の埋立には2100万㎥もの土砂が必要だが、護岸工の基礎捨石等のために150万㎥の石材が持ち込まれる。その多くは、海上から運ばれるケーソン護岸や海上ヤードの基礎捨石だが、浅い部分の傾斜堤護岸(K9やK1、N5護岸等)の基礎捨石などにも約25万㎥ほどが必要となり、これらは陸上部から大型ダンプトラックで運ばれる予定だった。

 9月18日のブログにも書いたが、陸上部から運ばれる石材の量は、大型ダンプトラックで7万5千台という大変な量である。1日に100台のダンプトラックを入れたとしても、土・日や荒天時、正月やお盆なども含めてぶっとおしで仕事をしても2年以上もかかるのだ。ゲート前の座り込みは、ボディブローのように防衛局の工事を遅らせている。

 そのために、ダンプトラックによる搬送を止め、海上から石材を持ち込む計画に変更したのだ。

 27日の第9回環境監視等委員会、そして28日の防衛省交渉で明らかになった石材の海上搬送計画は次のようなものである。

・大型のランプウェイ台船を使用し、100mの仮設工事を行ったK9護岸に接岸させてバックホーで石材を陸揚げする。

・ランプウェイ台船1隻には、大型ダンプトラック190台分の石材を積み込める。1日に台船2隻を予定している。

 この石材の海上搬送計画には2つの大きな問題がある。


1.石材の洗浄はどうなるのか?

 1日に2隻のランプウェイ台船となると、大型ダンプトラックにして380台分の石材が搬送される。海中に投下する石材は、採石場でダンプに積んだ状態で洗浄することとなっており、現在、防衛局は、1台につき150秒の洗浄をしていると主張している。

 1日に380台のダンプトラックをそれぞれ150秒の時間をかけて洗浄するには、合計950分、約16時間が必要となる。複数の採石場から積出し港に運ぶとしても、これはもう不可能な数字である。

  また、防衛局の説明では、ダンプ1台当り8トンの水で洗浄しているという。380台なら3,040トンもの水が必要となる。また、洗浄後の汚水処理は可能か?

 1日にダンプ380台もの石材を出すことはあり得ないのだ。

 

2.埋立承認の際の留意事項に基づき、知事の承認が必要

 埋立承認の際の留意事項4では、「(願書に添付された)環境保全に関し措置を記載した図書を変更する場合は知事の承認が必要」とされている。防衛局は、27日の環境監視等委員会や28日の防衛省交渉では、「環境保全に関し措置を記載した図書では、『資材は、海上運搬及び陸上運搬により搬入』とされているので、留意事項には抵触しない」と説明した。

 しかし、この防衛局の主張は失当である。確かに上記の表現は、環境保全に関し措置を記載した図書の6-1-9にあるが、これは、海上運搬、陸上運搬で資材を搬入するという当然のことを示したにすぎない。

 同図書の6-1-3には下のような表がある。この表によれば、傾斜堤護岸の基礎捨石等の運搬は10トン積ダンプトラックで行うと明記されており、今回のような海上搬送への計画変更は明らかに留意事項4により、知事の承認が必要となる。


 防衛省は28日の交渉で、石材の海上搬送については「事前に沖縄県に説明する」と明言した。しかし、環境保全図書の変更ではないとも主張しているが、これは明らかに誤っている。「県への説明」ではなく、「知事の承認」が必要なのだ。

 沖縄県の毅然とした対応を求めたい。


 

 


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