チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

県民会議が沖縄県に申し入れ---フロート、「仮設桟橋」設置強行を許すな!

2015年01月14日 | 沖縄日記・辺野古

 1月14日(水)、基地の県内移設に反対する県民会議(以下、「県民会議」)が、辺野古の工事強行に関して沖縄県に要請行動を行うというので参加した。平和運動センター、統一連、ヘリ基地反対協、平和市民連絡会ら県民会議の幹事の他、7名の県会議員らも同席された。

 県からは、末吉土木建築部統括監、赤崎海岸防災課長、増村農林水産部統括監、中田水産課長らが出席した。県民会議の要請書は末尾に添付するので参照してほしい。

 県への申し入れを急いだのは、防衛局が、明日(15日)からでも大浦湾に浮桟橋の引き出し、フロートの設置等の作業を開始すると報道されているからだ。さらに防衛局は、「仮設桟橋」(大型突堤)工事を始める準備を進めている。このブログでも何回も指摘しているように、「仮設桟橋」は、長さ300m、最大幅25m、必要とされる石材の量が大型ダンプトラック5000台という巨大なもので、実質的な埋め立ての開始であることは明らかだ。「仮設」でもなく、撤去することも不可能であり、公有水面埋立法に基づく「設計概要の変更申請」も行わないまま工事に着手することは許されない。

 「仮設桟橋」についての末吉土木建築部統括監の回答にはあきれた。彼は、「防衛局に問い合せたところ海底ボーリング調査のためのもので、終われば撤去すると説明を受けた。それなら変更申請は必要がない。」と繰り返した。彼は、まもなく土木建築部長になると報道されている人物だが、これでは先が思いやられる。

 このような県の説明に対して県民会議や県議団からは怒りの声があがった。「いったいどういう方法で深い大浦湾に投入された栗石を撤去するというのか?」、「何故、海底ボーリング調査にこのような巨大な突堤が必要なのか? その理由の説明を受けたか?」、「何故、防衛局の言い分をそのまま鵜呑みにするのか?」

 驚いたのは、県は、防衛局に対して「栗石の撤去の具体的な方法」、「ボーリング調査のために何故桟橋が必要なのか」等について全く問い合わせもしていないことだ。交渉団からは、「埋め立てを承認し促進してきた仲井眞前知事の県政とは違うのだ。翁長知事の埋め立てには反対するという県政の基本方針に基づいて再検討せよ。」と強く抗議した。

 また、県は公文書公開請求に対して、「仮設桟橋」等の図面・資料を防衛局の要請に従い、非公開とした。この点についての今日の回答は、「公文書公開審査会に不服申し立てされているので、審査会の判断を待ちたい。」というものだった。翁長県政になっても、まるで防衛局の下請け機関のような県の無責任な姿勢がズルズルと続いている。

 ともかく、大浦湾に岩石や土砂の投入が始まってしまえば取り返しがつかない。交渉団の「県は、大至急、防衛局にフロート設置や『仮設桟橋』について必要な手続きも行わないまま工事着工は認められないと指導せよ。」という追求に対して、県は、「今日は知事は東京に出張中なので戻られ次第相談します。」とだけ答え、今日の申し入れは終わった。 

*************

沖縄県知事 翁長雄志様                     2015年1月14日

              要 請 書
  
---防衛局による大浦湾への「フロート」「仮設桟橋」設置を中止させること
                       
                          基地の県内移設に反対する県民会議
                                                     
 翁長知事は、先の沖縄県知事選挙において、明確に辺野古新基地建設反対を掲げ、圧倒的な県民の支持を得て知事に当選されました。そして今年に入り、仲井眞前知事の辺野古埋立承認の法的瑕疵を検証するための委員会発足の準備を進められるなど、辺野古新基地建設を中止させるための具体的な取組みを着実に始めておられることに心から敬意を表します。
 ところが、安倍内閣は、沖縄県民の意思が明確に示されたというのに、辺野古新基地建設を強行する姿勢を変えていません。防衛局は、この1月早々にも、大浦湾にフロートを引き出し、「仮設桟橋」を設置したうえで、スパッド台船等による海上ボーリング調査を実施しようとしています。
 しかし、この「仮設桟橋」は、実際には「仮設」でも「桟橋」でもなく、埋立工事用の「大型築堤」です。延長約300m、幅17~25mという巨大なもので、総量約2万㎥(大型ダンプトラックで5千台以上)もの大量の石材が大浦湾に投入されます。大浦湾に投入された栗石を撤去することも困難なことからも、これは実質的な埋立の開始であり、環境に取り返しのつかない深刻な影響を与えるものです。
 これらのフロートの設置や「仮設桟橋」(「大型築堤」)造成に関して、下記のとおり申し入れます。

                 記

1.今後予想される大浦湾へのフロート設置は、アセス評価書や埋立承認申請書等にはいっさい記載されていません。しかし、深い大浦湾に設置されるフロートのアンカーはかなりの大きさになります。防衛局がこれらのアンカーを海底に設置するためには、県に対して、岩礁破砕許可申請の協議が必要です。
 防衛局に対して、県との協議が終わるまでは、大浦湾にフロートを設置しないよう申し入れてください。

2.防衛局が設置を予定している「仮設桟橋」(「大型築堤」)は、投入された栗石を撤去することは不可能で、実質的には埋立事業の開始です。防衛局に対して、少なくとも「設計概要の変更申請」が必要であり、その承認を得ないまま工事に着手してはならないと指導してください。

3.また、知事は、まもなく辺野古埋立承認の法的瑕疵を検証する委員会を発足させようとされています。しかし、検証作業中に埋立が進んでしまえば、検証の結果、「取り消し」「撤回」という結論となったとしても、手遅れになってしまいます。
 防衛局に対して、少なくとも検証委員会の結論が出るまでは、全ての事業を停止するよう指導してください。

4.仲井眞前知事は、辺野古新基地建設事業に関する公文書公開請求に対して、「仮設桟橋」の図面等、かなりの文書を非公開としてきました。
 しかし、県の情報公開条例は、「県民の知る権利」「県民に説明する責務」「県民の参加と監視」等を明記しており、これらの文書を非公開とすることは通用しません。また、今後、埋立承認の検証作業を多くの県民の支持のもとに進めるためにも、全ての関係文書を公開されるよう要請します。
                       

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