中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

中華街の車止めが消えた!

2022年06月30日 | 中華街(大通り)

 これは3月に中華街で撮影した写真です。場所は大通り。以前と比べて何かが変わっていました。歩道がやけにスッキリしているではありませんか。通行人がすくないというだけではなく、中国風の美しい装飾を施した車止めが無くなっていたのです。
 お店の方が足ふきマットをここに叩きつけてホコリを落としたり、搬出入用の車をぶつけたり、あるいは観光客が寄りかかったりして、あちこちで傷んできていましたから、どうも街をあげてすべてを撤去してしまったようです。


 この大通りで歩車道の段差を解消したり、電柱を立て直したりした2005年に、中国風車止めも設置されました。その時の様子を私のホームページで公開したのですが、残念ながらあのHPは現在動いておりません。
 ただ、データが残っているので、今日はそれを使って17年前に行われた行事を振り返ってみます。



 横浜中華街でライブタウン事業が行われると聞き、どこかに演奏や演劇のできる施設が造られるのかと思ったら、それは全くの勘違いで、実は横浜市が支援する商店街の振興策のことだったのです。
 横浜市のホームページを見ると次のようなことが書かれていました。
 ■ライブタウン整備事業■
 商店街の買物環境を整備・充実させることによって魅力や集客の向上を図るため、公共施設(道路等)整備と一体的に行なわれる商業基盤施設(カラー舗装・アーケード等)整備事業を対象に、商店街に対して助成します。
 申請できるのは商店街団体で、ライブタウン整備地区に選定された51地区に限定されているそうです。
 整備施設の例の例としてカラー舗装、アーケード、アーチ、街路灯、駐車場、会議場等のコミュニティ施設ほかがあげられております。
 その補助金は25%を限度として1億5000万円まで出してくれるといいます。でも、地元商店街も75%以上は出さなければならないので、大掛かりな工事となるとそれなりに体力のある商店街でないと難しいようです。
 中華街大通りの電柱をなくし、段差を解消した刷新工事は、このライブタウン整備事業だったのです。


 以前の大通りは電柱、電線が見苦しく、歩道と車道の段差もひどかったですよね。
 これらを一気に解消したわけですが、昔ながらの赤い電柱のほうがよかったという意見もかなりあるようです。


 電柱取替え作業中の風景。トレードマークの赤い電柱の上半分は灰色だったんですね。
 それにしても異常に長い電柱でした。実はこの上半分に大きなトランスが付いていたのです。赤い部分に付けていたらもっと見苦しかったでしょう。


 リニューアルされた大通り。これがライブタウン整備事業の成果です。
 今までなかった街路樹も植えられて、確かにいい感じにはなりました。電線は地中化できましたが、トランスまでは無理だったようです。でもスマートなタイプに替わったので見栄えも良いようです。


 2005年6月3日、大通りの交番前でリニューアルの式典が行われました。
 中国語で換新節慶というそうです。テーブルには供え物や香炉が置かれ、関係者が線香を立ててお祝いをしました。
 後方には中華街や行政の関係者が大勢並んでいます。


 感謝のため捧げられた供え物。
 手前から鯛・鶏・豚肉、その向こうに果物が添えられていました。香炉は関帝廟から持ってきたものです。やはりこういった宗教的儀式には関聖帝君が欠かせないようです。


 このようなおめでたい儀式です。やはり獅子が出てきました。
 珍しい色ですね。普通に見かけるのは白を基調としたカラフルな南方獅子か、薄茶色でチャウチャウ犬のような北方獅子ですが、この日はなんとブルーでした。
 このあと獅子は、供え物を食べてしまいました。やっぱり…ですね。


 記念モニュメントの周りを歩く獅子。


 モニュメントの前で立ち上がった獅子。
 獅子舞の最後はやはり立ち上がりです。前足担当者が、後ろ足担当の人の肩に乗っかて立ち上がるパフォーマンスです。いつ観ても凄い!
 下になっている太目のお兄さんは、いつも出てきます。彼が中心になっているのでしょうか。


 モニュメントの前に立つ作者の中国人アーティスト劉旭光さん。
 風水思想と中国の伝統文化に基づいて、自然との調和を生かした現代アートです。斧をイメージしています。


モニュメント「継往開来(過去を継承し未来を開く)」の銘文
 このモニュメントは未来を切り開く《斧》をデザインしたものです。1859年横浜が開港し、ここ旧外国人居留地に欧米アジアの人々が集い、日本の近代化と国際化の種子がまかれました。
 中国人は貿易の場で「買弁」などの仕事に携わり、中華街を築いてきました。居留地の志を受け継ぎ、善隣友好・温故知新を胸に中華街は横浜の発展とともに歩んでいきます。
 

 劉旭光さんデザインの車止め。
 風水思想を取り入れて、柱の頭には青龍・朱雀・白虎・玄武の四神獣が載せられ、交通の安全を守っています。発光ダイオードが内蔵されているので、夜は柱が光ってちょっと幻想的。

 以上が、2005年に行われた中華街大通りリニューアル事業の記念式典の様子です。


 あれから十数年経ち、近頃はこんな状態になっているのが何本もありました。そこですべてを撤去してしまったのでしょうかね。


 こちらは現在の関帝廟通りで見た電柱です。様々な電線やケーブルなどがつながっています。すごいですね。


 そしてこの一本は相変わらず傾いたままです。重たいトランスが電柱の最上部に付いているので、ちょっと心配


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2 コメント

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Unknown (みや)
2022-07-03 23:03:13
ミントンハウスの前の通りは電線が地下化されているんですよね。他にもあるのかもしれませんがなぜそのエリアだけ?といつも不思議に思っています。
地中化 (管理人)
2022-07-04 10:06:05
>みやさん
ミントンハウスの前の通りは電線類が地中化されていますね。
ずいぶん前のことですが、
北門で雑線類共同収容溝というのが造られました。
しかし電線類は地中化されずに電柱も残ったままでしたが、
今はそれらが収容溝に入れられているようです。
時間がかかるけど進んでいるみたいです。

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