怨みに報いるに
怨みをもってしたならば
ついに
怨みの息(や)むことがない。
ブッタ
お釈迦様の言葉をそのまま記録したと言われる『法句経』の一文です。
この言葉に「怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である」と続きます。
「報復」という言葉がありますが、お互いが報復を続けたならば、被害や苦しみが増すだけです。どこかで「怨み」を捨てて、手をとり合う事ができれば、新たな繋がりが生まれます。
かと言って、怒りに身を焦がされている間は、なかなか人を許すことはできないかも知れません。これは、個人々人の関係だけでなく、団体同士、国家間でも同じです。ニュースから「報復攻撃」という言葉が聞かれるのは決して珍しいことではありません。
しかし、国際社会でこのブッタの言葉を実践された国があります。それがスリランカです。
第2次世界大戦後に日本が国際社会に復帰したのは1951年9月8日に調印されたサンフランシスコ講和条約によってですが、この国際会議には、日本を独立国とせず4つに分割統治する案もあり、日本の行く末が不安定な状況であった9月6日、国際会議が行われているオペラハウスの壇上に上がったのはスリランカの代表、ジャヤワルダナ氏でした。
日本軍からの空襲により、一大産業の天然ゴムが壊滅的な被害を受けたスリランカですが、ジャヤワルダナ氏は、このように語られたそうです。
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スリランカは日本軍から大きな被害を受け、日本に損害賠償を求める権利を有する。しかし私たちの国は日本に対するこの権利の一切を放棄する。
ブッタは「憎しみは憎しみによっては止まず、ただ愛によってのみ止む」と説かれた。私たちはこの教えに従い、日本に対して賠償を求め、日本の自由を制限するのではなく、独立国として国際社会に復帰することを望む。
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J・Pジャヤワルダナ氏
このジャヤワルダナ氏の演説が終わると、あまりの拍手の音で会場の窓のガラスが割れるのではないかという程であったと『サンフランシスコ・ニュース』は報じています。また『サンフランシスコ・エグザミナー』紙は「褐色のハンサムな外交官が、セイロン島よりやって来て世に忘れ去られようとしていた国家間の礼節と寛容を声高く説き、鋭い理論でソ連の策略を打ち破った」と書いたそうです。この演説によって会議の雰囲気が一変し、二日後の9月8日、サンブランシスコ講和条約は調印されました。
この後、何度も日本を訪れたジュアヤワルダナ氏は自分の死後、自身の角膜を「右目はスリランカ人に、左目は日本人に贈る」との遺言により、左目は日本に届けられたとのこと。
ドイツの様に分割統治される可能性があった日本をブッタの言葉を引いて、救ってくれたスリランカのことを忘れないでいたいと思います。
今週末(6月29日)、スリランカから日本にお嫁に来られたチャミラさんの講演会が新発田で開催されます。
スリランカを知るチャンスです。是非ご参加ください。
今週の「週刊朝日」に御坊市のお坊さん婚活「坊コン」の突入ルポが掲載されました。
「突入ルポ」と題しているだけあって、臨場感のある面白いないようです。
今回の取材と記事をきっかけに週刊朝日の編集長さんが親鸞の教えに興味をもったとか!
親鸞やお寺に関するの記事が掲載されることにも期待です。
そして何故か紙面には「義士堂」の写真も掲載されていました。
情報追加です!
スリランカから新発田に嫁がれた小林チャミラさんの講演会が開催されます。
スリランカは仏教国ですが、出国する際にお爺様から仏さまとお経をいただいて日本に来られたそうです。当初は文化や言葉の壁があり、つらく悲しいことも多くあったそうですが、そんな時は、お釈迦様の教えを心の支えにされ、お爺様から託された仏様に手を合わされていたそうです。
今では、すっかり新発田に馴染まれて様々な活動をされています。そんなチャミラさんに日本とスリランカの仏教の違いや、共通点などをお聞きします。蓮昌寺の女性ご住職との対談も愉しみ。私は司会をさせていただく予定です。どうぞよろしくお願いします。
6月29日(土)18:30~
会費 200円
会場 蓮昌寺 新発田市中央町1-4-8
お申し込み 電話0254-24-3821(伊藤)または0254-22-3509(蓮昌寺)まで
※長徳寺までご連絡いただいても結構です。
講演会後、懇親会(会費500円)もあります。チャミラさんの絶品スリランカカレーも登場予定。長徳寺では毎年チャミラさんにカレー教室を開催してもらっていますが、いつも大人気のカレーです!
今月末にスリランカ出身で新発田在住のチャミラさんの講演会があります。
詳細はあらためてご紹介しますが、フライヤーをUPします。