カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『狛犬ジョンの軌跡』垣根涼介 光文社文庫

2016-08-07 14:16:00 | 番外
 深夜のドライブ、突然飛び出してきた犬。大きな黒犬は切り傷を負っていた。これを助ける。自宅で建築士の仕事をする太刀川要。五歳年上の彼女とは時折ともに過ごす。果たしてこの犬は、犬?という話なのですが、垣根涼介の物語として、あまり楽しくない。☆☆ほ。

『本能寺の変 431年目の真実』明智憲三郎 文芸社文庫

2016-08-07 14:14:45 | 和物
『本能寺の変 431年目の真実』明智憲三郎 文芸社文庫
 明智光秀の末裔なる著者による。これまでの定説というものを「歴史捜査」なる手法で覆していく。光秀は何故、謀反を。その計画とは。その背景は。なかなか面白い。その仮説も壮大なもので、まんざらでもない気もする。様々な文献を渉猟し、イタリア宣教師の言葉も含めて。楽しみました。☆☆☆☆。

『弁護士の血』スティーヴ・キャヴァナー ハヤカワ文庫

2016-08-06 22:09:26 | 洋物
 これが処女作というから恐れ入る。北アイルランド在住の著者、その経歴も主人公ほどではないものの、なかなかのもの。弁護士のエディ・フリン。とある事件をきっかけに挫折。妻とは離婚。一人娘を愛している。それがロシアン・マフィアがらみの事件に巻き込まれる。最愛の娘の命、自身にも爆弾が巻かれ、という状況の中で、法廷を舞台に物語が進む。エディの過去、その友人。その意外な人生だけが彼を助ける。法廷物としても極めて鋭い。アクション物としても秀逸。まさに鉱脈が生まれようとしている。次回作、早くできないものか。☆☆☆☆ほ。

『明日の記憶』荻原 浩 光文社文庫

2016-08-03 20:17:17 | 番外
 広告代理店の営業部長の主人公、若年性アルツハイマーにかかる。妻と一人娘。その娘ができちゃった婚でもうすぐ結婚。進行する病気、娘の結婚までは今の職場でと願う。重いテーマ。そして実によく描かれている。記録を付ける主人公。その中にも変化が現れて。ハッピーエンドにはならないことは分かっていた。でも、と思うけど、描くのを止めることしかできないのか。読ませて、思わせて、読ませる。うまい作家だと思う。☆☆☆☆。