増田カイロプラクティックセンターの近況レポート

筋骨格・神経・アレルギー(NAET)・感情の統合療法。
増田裕D.Cのブログ

2006年2月28日 不勉強が身にしみる

2006-02-28 23:11:08 | 近況
増田院長記

○この近況レポートも3日坊主で終わると思ったら、新年元旦以来1日も休まず続いている。これは奇跡ですね!日記といえば、小学生の時の絵日記には閉口した。平凡な日々の移り具合を描ける力なんて全然ないのに書かされる。あれは拷問ですね。それから、読後感想文。これが読書嫌いにする最大の原因。感想文のことを考えたら、どんな本も読むのがつまらなくなる。
 毎日のことで、しかも何か新しい、話題の提供となると、「今日はもういいや」と書きたくなくなるところ、踏ん張って書いている。毎日の新聞に連載漫画を載せている漫画家の心境がちょっぴりわかる。まさか、夏休みの絵日記で天気のことばかり書いていたようなわけにいかないからね。

○ゲルマニウムでアレルギー反応の出た患者さん。「ゲルマニウム温浴行ってきましたけど何もありませんでした」との報告。以前、ゲルマニウム温浴に行ったら、温浴中に両手にしびれが生じた。それで当院に来られて、緊急の措置でゲルマニウムのアレルギー反応を治療し、しびれはとれた。その後、食品アレルギーがあることがわかったので、継続的に治療をしてきた。「あの時は夏でしたから、冬のゲルマニウム温浴は気持ちがいいですよ」。

○本日は午後休診。自分たちの給料やスタッフの給料を支払う。駐車場などの必要な支払いも済ませる。その後レストランに行って遅いランチ。オニオングラタンスープ、チョリソー、スパッゲティである。家に帰ってきてから熱い風呂につかりながら、本を読む。

 井上ひさしの言ではないが、「ツン読」のなかの一冊「不勉強が身にしみる 学力・思考力・社会力とは何か」(長山靖生著、光文社刊)を手に取る。この本は、「読書の勧め」といった趣で、倫理、歴史、数学・科学についての基本図書のガイドがあって、読書欲をそそられる。第4章「正しい歴史」は存在するか、は納得がいく。歴史教育と愛国心教育とは別にしなければいけない。以前山崎正和が言っていたが、歴史教育を国家の統制から切り離す必要がある。政治の正義を歴史の正義に置き換えてはならない。どこの国のどこの民族の歴史にもすばらしい面とマイナスの面がある。

 倫理の面では論語を大人が再認識して子どもに聞かせることが、日本人の倫理の再建には不可欠ではないかとの提案には耳を傾かせるものがある。「論語物語」(下村湖人著)をもう一度読み直してみようかな。

 第6章「好きなら伸びる」は本当か、において、著者は今の風潮(子どもを一流にしようと親が資産を投入しているさま)に対して危惧を抱いている。著者は、学ぶことは「好きなことを見つける」のと「客観的評価を受ける」のと「嫌いなことでも理解し、水準以上に達する努力をする」というバランスが取れなければ、本当に伸びない、と書く。プロ化を目指す風潮とは別に、一般の人においても「自分の好きなことをやりたい」というフリーター、ニート、パラサイトシングルもいる。ところが、今の社会において自分の好きなことができる職場なんてどこにもない。もし本当にそうしたければ、自分で会社を立ち上げるしかない。いやなことでも率先してやり、仲間や上司の信頼を勝ち得てから、自分の自由な空間が少しずつ広がっていくのである。

○一時期、いや今でもそうなのかもしれないが、「自分探し」が流行ったことがある。しかし、本当の自分なんてあるはずがない。自分とは自分以外との人間、社会、自然との諸関係の総体なのだから、ラッキョウの皮むきのようにしたって、何もでてくるわけではない。せいぜい、前世的な占いに走るしか手はない。

○本日で2月も終り。忙しい月であったが、来月はもっと忙しくなる。つかの間の休息である。

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2006年2月27日 ムチ打ち

2006-02-27 23:30:02 | 近況
増田院長記

○患者さんの紹介で新患の方が来院した。愁訴は首の痛みである。昨年4月に道路のへこみに車がはまり込んだ衝撃で首を傷めた。整形外科医にほぼ毎日のように通った。4月から12月。牽引と電気治療である。「治ると思って毎日のように通いました」。ところが、どうにも埒があかないので、カイロプラクティックの治療院にも通いだした。昨年12月からずっと。1週間に4-5回。これまで50回以上の治療を受けた。しかし、いまいち症状がすっきりしない。首を伸展させると痛みがあり、可動域に制限がある。
 整形も整形なら、このカイロ治療院も治療院ですね。50回以上通院して良くならないムチ打ちなんてあるんでしょうか。
 アクティベーターで治療し、ニモで頚椎のマニピュレーションをする。首筋の硬結はほぐれ、首の伸展も軽々できるようになった。左の首筋はほぼ正常に戻ったが、右の首筋はまだ緊張が残っている。しかし、たった1回の治療でこれだけ改善する。話を聞くと、道路のへこみが原因なので、公共機関が補償してくれているそうだ。おそらく、治療者側にとっておいしい事案なので、劇的なスピードで治そうという気がないのだな、という印象だ。週2~3回通院してもらって、早期に改善をめざす。

○本日、ようやく修理中のマイカーが戻ってきた。実に昨年12月24日以来である。年末年始を挟んだので、2週間は何も事態は動かなかったのだが、それにしても長かった。事故は交差点で横から当てられたために起きた損傷だったが、ディーラーの話を聞くと、ボディの歪みが大きくて、それを治すのに時間がかかったようだ。今回は、相手が100%悪かったので、今後の保険料には一切影響がなかった。久しぶりに乗るマイカーは、何か別の車のような感じだ。この事故では物損のみにして対人損傷は願い下げにした。その代わり、自分の治療院で事故の当日から毎日治療してもらって良くなった。

○車が返ってきたとき、たまたまムチ打ちの患者さんを治療していた。この方は11回目の治療で、保険会社が支払いを同意している。首の痛みは大幅に軽減し、朝方の痛みもなくなった。ただ、左耳やあごにつっぱりが残っている。顎関節を矯正すると改善する。まだ、顎関節がきちんととれていないようだ。
 というわけで、今日のお話はみんな車とムチ打ちに関するものでした。

○破綻の淵源の続きは、また後ほど。

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2006年2月26日 破綻の淵源

2006-02-26 19:45:31 | 近況
増田院長記

○「あの戦争は何だったのか」(保阪正康著、新潮社)を読んで以来、心にくすぶっていることがある。あの戦争の究極的破綻に行きついた淵源は何だったのか?著者は直接的には「2・26事件」による暴力のテロであり、遠因としては夜郎自大化した日清日露以来の対外膨張の国策にあったと見る。私もこの文脈に沿って考えたことを若干披露した。特に日露の勝利が逆に奢りを招き、破綻していった。しかし、日露までは良くて日露後が悪いのか?典型的な司馬史観がそうである。

○ここに、「民族とは何か」(関曠野著、講談社現代新書)という好著がある。もう5年前に出版された本である。著者とは友人を挟んで1度会ったことがある。ともかく秀才である。著者の初めての学究的成果である「プラトンと資本主義」という専門書を読んだが、とても歯が立たなかった。懐かしい名前なので、とりもとりあえず購入してみたのだが、新書版ということもあり、分かりやすく書いてある。しかし、扱っている内容は難しい。しかし、最終章の「日本人は民族たりうるか」という章は誰でも読めて、誰もが著者の問題提起に対して自問自答することができる。これが冒頭のあの戦争の淵源を考える上でヒントとなる。

 著者は江戸時代末期の開国をめぐる時期は日本人がひとつの民族となる絶好のチャンスだったと述べる。江戸幕府の権威が落ちて、諸大名列侯による話し合いでことを決める風潮ができていた。話し合いによって国の進路を決めるーこれこそ民族が形成される重要な契機であるという。
 徳川慶喜の幕府も大政奉還して1大名の列に下った。公武合体の路線が引かれていた。ところが、今では「偽勅」であることが分かっているーつまり、ニセの天皇の勅命で、大久保利通と岩倉具視らはクーデターを敢行し、討幕へ踏み切る。明治維新とはこの無理が通れば道理が引っ込むというクーデターであったと断じる。ニセの勅命による錦の御旗。
 このときから、天皇は政治的な利用の対象であった。そして、イデオロギーとして尊皇攘夷が利用された。明治国家とは正統性の欠けた分、それを補うための権威作りが必要とされた。それが天皇主権である。

 「王政復古のクーデターが作りだした明治国家は、天皇主権を大義名分として薩長の人間が同胞に対して占領軍のように振舞う国家だった。」ちなみに永井荷風はこの明治国家が大嫌いだった。夏目漱石もそのように見える。鴎外も官に使えながら、遺言には位階勲章を一切拒否し、石見の森新太郎として死すことを望んだ。明治の国家に反発する空気は根強い。 

 「高位の軍人や官僚から村長や校長に到るまで天皇に連なるエリートの地位を維持すること自体が国家の至上目的になった。この国は上からの近代化によって封建社会ではありえないような大衆の動員や資源の集中を実現しながら、この増大した権力の統制は自らの地位にしか関心のない少数のエリート層のかけひきに委ねられていた。この国家には、思想も理念も人民の同意を得た国家目標もなく、とりわけ日本の開国の意味を問うという課題を中断し天皇主権で自足してしまっために、国際政治上の原則をもたなかった。このことが帝国の破滅の種を播く。」

著者は「なぜ征韓論だったのか」という節の中で次のように述べる。「クーデターで成立した政権に世論の支持などある筈もなく、そのうえ財政や軍事の面でも当時の明治政府の足元はぐらついていた。それだけに政府は権力の正統性の問題にはひときわ敏感にならざるをえなかったろう。そうした状況の中で同じ中国文明圏に属し儒教国としては先輩格とも言える韓国に国書の受け取りを拒否されることは、維新と明治政府の正統性に対して大きな打撃となりうるものだったのだろう。ゆえに維新と明治国家の正統性は、日本国内ではなく韓国においてテストされねばならないことになる。そこから征韓論が出てくる。」

本日はここまで。明日は続き。

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2006年2月25日 メニスコイド

2006-02-25 20:58:36 | 近況
増田院長記

○背骨の関節の可動域が低下することをカイロプラクティックの専門用語は「サブラクセイション」と呼ぶ。直訳すると亜脱臼となるのだが、それは間違い。カイロの概念ではそれに伴い神経系のはたらきに異常が起こる。つまり複合的概念なのである。簡単に言うと骨のずれに伴い神経のはたらきに異常が起こるのである。

 さて、そのサブラクセイションであるが、私が留学中あるセミナーを受けた時、背骨の後方関節である椎間関節のあいだにメニスコイドという物質が取り込まれて、これが関節の可動性を低下させるという新説が紹介された。もう15年ぐらい前の話である。そのときは新しい知識を得るのにワクワクしていたのでおもしろかったのだが、今となって考えると、問題はどうしてそのメ二スコイドができるのか?どうしてそれが取り込まれるのか、このことを深く考えないと意味がない。

 ここでもカイロの「なぜ?」を問わない、機能疾患を扱いながら、病理的志向を密輸入した思考パターンが如実に出てくる。これは結果である。原因ではない。まず、背骨の内在筋のアンバランスが起きる。これはそれらの筋肉を支配している神経のアンバラスの結果である。神経と筋肉の働きがアンバランスになると、血流やリンパの働きが低下する。そうすると、メニスコイドのような物質が産生されて、関節内に取り込まれて関節の可動性を低下させるのである。

 したがって、カイロの治療は神経のバランスや筋肉のバランスを整えれば、自然治癒力が出てきて、こうしたメニスコイドも消失していくのである。だから、アクティベータのような軽い刺激を与えるだけで非常に大きな結果を得ることができる。よく考えない人は、アクティベータでは関節内に取り込まれたこれらのメニスコイドは破砕されない、やはりOsseous Adjustmentでなければいけないと素朴に考えているようだが、臨床の世界は事実がものを言うのである。

 カイロプラクターに欠けているのは西洋医学の医師と同じように、「なぜ?」という疑問を持たないことである。肩が痛い。胸鎖関節、肩関節、肩鎖関節に障害がある。棘上筋に圧痛がある。これを治療する。しかしこれは治療の端緒である。問題は、「なぜこれらの障害が起きたのか?これを深く追求しないと対症療法に終わるということである」。アクティベータもそれだけでは対症療法に終わることもある。これは肝に銘じておかなければならない。

○以前書いたこともあると思うが、50代の女性。主訴は左股関節の痛みである。以前スポーツで傷めた右足首をかばっていたら、左の股関節が変形症を患うようになった。医者は人工股関節の手術を勧めるが、寿命は10年だというので、逡巡していた。整形の世界に詳しい人の話では、その10年という話も怪しいもので、左に体重のかかっている状態では5年も持たないかもしれない。実際に、3年くらいしか持たなかった例もあるという。それは、体重を支える軸受け部分の骨が損傷してしまうからだ。それで、当オフィスでは、アクティベータ、BK、NAETの治療法を組み合わせている。構造的アプローチではなく、機能的アプローチである。とくに、大腸経の遮断の関与が大きいと睨んでいる。最初よりは痛みは軽減してきているが、一日中立って仕事をしていると、夕方あたりは激痛で鎮痛薬や座薬をせざるをえないという。本人も辛いが、こちらも必死で治療している。早くトンネルを抜けられることを願いながら。

○昨日のブログは書きすぎたので、今日はこれでお終い。

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2006年2月24日 ダーウィンの誤謬

2006-02-24 21:10:54 | 近況
増田院長記

○Biology of Belief、信念の生物学の細部がおもしろいので少し紹介しよう。第2章「バカだねえ、環境だよそれは」から。

1、「種の起源」の著者、自然選択説の進化論の祖であるチャールズ・ダーウィンは次のように書いていた。「これまで犯した中で最大の間違いは環境、すなわち食物、気候などの、自然選択とは独立した、直接的作用に十分な配慮をしなかったことであると思う。…「種の起源」を書いた時、またその後数年間、環境の直接的作用の十分な証拠を見つけることができなかった。しかし、今やたくさんの証拠がある。」

2、「ダーウィンに追随した科学者は同じ過ちを犯し続けている。この環境の過小評価の問題は遺伝子決定論という形式の「自然」の過大評価を導いた。この信念では、遺伝子が生物を「支配」するのである。」

3、「遺伝子時代の幕開け以来、ひとびとは遺伝子の力に従属しているという考えを受容するようにプログラム化されてきた。…非常に多くの人が健康でない原因を心、身体、感情、霊性の原因の組合せに求めるのではなく、身体の生化学的機序の不十分性だけに求めている。」

4、「…単一の遺伝子の疾患は人口の2%以下であり、大多数は幸福で健康な生活を送ることのできる遺伝子を携えて誕生する。今日の災難である、糖尿病、心臓病、ガンなどの病気は幸福で健康な人生を中断させている。しかし、これらの病気は単一の遺伝子の結果ではなく、多数の遺伝子と環境の要因の間の複雑な相互作用の結果である。」

5、「特異的な遺伝子が生体の振る舞いと性格に関連している。しかし、これらの遺伝子は何かによって誘発されるまでは活性化しない。何が遺伝子を活性化するのか?その優雅な回答は「形而上学と遺伝子と発生の役割」というNijhoutの論文(1990年)で明らかにされた。この論文は遺伝子の生物支配説は長い間何度も繰り返されてきたために科学者はそれが仮説であり、真実ではないことを忘れてしまったと述べる。現実には、遺伝子の生物支配説は推測であり、これまで決して証明されたものではなかった。むしろそれどころか、最新の科学研究で否定されているのである。遺伝子支配は我われの社会では形而上学になっているとNijhoutは主張する。(中略)しかし、形而上学は科学的真実ではない。Nijhoutはこの真実を要約して次のように言う。「遺伝子の産物が必要な時、環境からの信号がその遺伝子の表現を活性化するのであって、遺伝子自体が緊急事態にふさわしい信号を出しているからではない。すなわち、遺伝子支配ということについて言えば、「バカだねえ、環境だよそれは」ということになる。」

それとヒトゲノムの衝撃についてのコメント。人の遺伝子がすべて解明される前まで、多くに人は8万から10万あるいは12万の遺伝子があると予測していた。ところが、たったの2万5000であった。

6、遺伝子研究でよく使われる線虫C.elegansの遺伝子数は約2万4000である。ヒトの遺伝子数はこれより1500多いだけである。ミバエの遺伝子数は1万5000である。このより複雑な生体は原始的な線虫よりも遺伝子数は9000少ない。また、実験用のマウスの遺伝子数はほぼヒトの遺伝子数と同等であった。

7、「ひとつの遺伝子、ひとつのタンパクという考えは遺伝子決定論の基本的教義である。ヒトゲノムプロジェクトがこの概念を崩してしまった今、生命がいかに働くかという現在の理論は廃棄されなければならない。」

8、「Epigeneticistたちの発見によると、栄養、ストレス、感情などの環境からの影響がその基本的設計図を変更することなくこれら遺伝子を修正する。そして、これらの修正は次の世代に継承される。ちょうど、DNAが2重ラセンを通じて継承されるのと同じように。」

この点は医療の核心に関わる問題だと思える。

○民主党がガセネタに飛びついて大失態を犯した。この党は本当に政権を奪おうとしている戦闘集団なのか。政権は奪取するものであって、棚からぼた餅で転げ落ちてくるものではない。小学生でもわかるガセネタに引っ掛かってしまう幼稚さ。

政権担当能力があるかどうか、そんなものは知ったことではない。あの知性のへったくりもなにもなかった暴力集団の薩長の武士団に江戸幕府に替わる政権担当能力があったか。あるはずもなかった。だから、実際には明治政府は旧幕藩の優秀な人材をどんどん登用せざるをえなかった。勤皇という錦の御旗があっただけである。

 しかし、この情報に弱いという体質は日本の伝統的弱さでもある。太平洋戦争中、アメリカは次の日本の作戦がどこに出てくるのか知りたがった。ある地名(暗号)が日本の電信に頻繁に出てくる。これがどうやら次の作戦目標らしい。そこで、アメリカ側はガセネタを流した。ミッドウェー島でアメリカ側が施設の改変をする方針であると。すると、その直後に日本側の電信にその頻繁に現れる地名が出た。そこで、アメリカは次の日本の作戦行動の目標がミッドウェーであることを知る。

 このようにして、日本のミッドウェー海戦の大敗北は情報戦において既に負けていたのだ。4隻の空母は突然空から米艦載機の急襲を受ける。待ち構えられていたのである。

 情報戦においてはDisinformationニセ情報の果たす役割が非常に大きい。虚虚実実の世界である。全く政治的にひ弱な民主党は赤子の手をひねられるようにいっぱい食わされてしまった。昔の社会党の爆弾質問をする議員の姿がいずれの陣営にとってもなつかしいのではないか。

○荒川静香選手の金メダルは大変素晴らしい。スポーツ選手で結果を出す選手は結果に拘泥しない。顕在意識で結果にこだわればこだわるほど、潜在意識は逆の方向逆の方向にいくことを知っているからだ。残るのは自分のベストを尽くすという一点である。これをOkness(構わない)という。メダルを取るまいが取れまいが構わない。結果はあとからついてくる。このニュートラルな気持ち。親や監督や友達やその他の人が私のメダルを取れないことがわかっても構わないという気持ち。あるのは自分の持ち味を全部出すという気持ち。これがゴールドメダリストのOKnessである。

 マウンドの投手のところに監督が行く。ピンチにホームランバッターの登場である。「インコースのホームランボールだけは投げるな」と指示する。投手はそこへ投げまい投げまいとするが、不思議とボールはそこに行ってしまい、ホームランで試合は負ける。ところが、「思い切ってど真ん中へ投げろ」と指示すると、速球でバッターは空振り三振となる。つまり顕在意識と潜在意識は逆に働くのである。

 実はこれはあらゆる人生における態度ととも通じている。まず、恐れ。人間は生にこだわればこだわるほど死が恐くなる。死のことを忘れよう忘れようとすればするほど死が恐くなる。これは死に縛られている。逆に言えば生にも縛られている。誰にもいつ死ぬなんか分からないのである。10分後に死んでしまうかもしれないはかない人生かもしれない。つまり、生きようが死のうが構わないという精神の自由が死の恐怖からの自由を得るのである。

 その日その日を充実して送る。自分のベストを尽くす。自分の本分を尽くす。これ以外に人生を生きる道はない。荒川選手おめでとう!

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2006年2月23日 遺伝子発現の形態

2006-02-23 21:07:02 | 近況
○昨日、Biology of Belief、「信念の生物学」の拾い読みをした。第2章「バカだねえ、環境だよそれは」と第4章「新物理学:薄い空気の上にしっかり両足で立つ」。このなかで、著者のBruce Lipton, PhDは現在の西洋医学の最先端部門の遺伝子研究を批判する論旨を展開している。そのキーワードはEpigenesisである。これは文字通りGenesis(遺伝子)のEpi(上)という意味で、分かりやすく言えば、遺伝子が活性化する発現形態のことである。

 世の中には「○○病の遺伝子発見、最先端医療に光明」というニュースが多く飛び込んでくる。あたかも、病気の原因は遺伝子にあるかのような趣だ。今では、高校の生物の教科書にも遺伝子のことは出てくる。ところが、遺伝子がタンパクを合成する仕組みはあたかも自動機械が動いているような形で書かれている。遺伝子は自動的に複製し、タンパクをつくるかのような刷り込みがある。しかし、遺伝子は自動機械ではない。遺伝子を活性化させるEpigenesisの機序があるのだ。それは環境からの刺激である。

 たとえば、神経線維(ニューロン)は刺激を受けた最初期遺伝子が活性化してタンパクを合成する。神経の標的組織も神経伝達物質の刺激を受けて、タンパク合成を行う。免疫細胞は細胞間の接触を通じて遺伝子が活性化されてタンパク合成を行う。
 
 このように、主として環境からの刺激を受けて遺伝子が活性化して、タンパクの合成が行われるのである。つまり、遺伝子決定論ではなく、実は環境からの刺激が生命活動の根幹なのである。

 また、最新の分子生物学によると、染色体には遺伝子のほかに遺伝子の暗号解読をONにしたりOFFにしたりする役割を規制タンパクが担っており、この部分のタンパクも情報を遺伝する。まさに、ラマルクの獲得形質も遺伝するのである。

NAETではアレルギーも遺伝すると述べているのは、まさにこの環境からの刺激を次の世代に送る染色体内の規制タンパクの役割にほかならない。

大分部の遺伝障害は遺伝子の器質的な損傷の割合は2%以下であり、あとの98%以上は環境の悪い因子が及ぼす機能障害である。

著者はこの環境からの刺激を、心理的、精神的、感情的、霊的な力も含めて考えている。これらの要素が遺伝子の働きに関与しているのである。

○ちょっと知らない間に、このような素敵な本がいろいろ出ている。日本に帰ってきてから11年、もう英語の本より日本語の本を読むほうがはるかに楽なのだが、それでも時々は英語の本に直接当たって勉強しないと、時代にキャッチアップできない。

○本日、遠方からの患者さんの宿をお世話していただいている提携先のホテルから電話がかかってきた。「お泊りの受験生があさって試験なんですが、顎関節症で困っているのでみてもらいたいんですけど」。このホテルの支配人の期待に応えなければならない。主訴は吹奏楽器を吹けなくなったというものである。試験はこの楽器の実技試験である。アクティベータで治療。顎関節も右の上方、左の下方変位がありこれを矯正する。マッスルテストでこれを確認。また、舌圧子を二つ折りにして左右の奥歯で噛んでもらいマッスルテスト。OKである。「先生、かみ合せがきちっと戻りました」と笑顔を浮かべる。

さらに、顎関節は心因性が絡んでいる場合が多いので、感情的遮断を調べると、肝系に「理屈に合わない(理不尽な)」という感情が現れた。現在と13才の時の思い当たる点を心に浮かべながら治療。なにか合点が入ったよう。すがすがしい表情をして帰っていた。明日念のためにもう一度診ることにした。

○本日、患者さんより本を贈呈された。「先生は読書家だからこの本を読んでみてください」。「国富消尽」(吉川元忠、関岡英之共著、PHP刊)。どうやら小泉改革はアメリカの対日隷属戦略の一環であり、日本の社会を崩壊させてしまうという警世の書である。読んでみよう。私の予めの結論は、既存のシステムの保護だけではいけないことははっきりしている。しかし、規制打破だけでは、アメリカ型の社会となり、アメリカ資本が無制限の自由を謳歌するだけになる危険性もあるので、そこは一定の枠をはめながら、構造改革をしていくことが望まれる。この私の意見にどのようなインパクトがあるのか。

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2006年2月22日 椎間板ヘルニア?

2006-02-21 16:15:54 | 近況
増田院長記

○「先生、私は椎間板ヘルニアでしょうか?前回は左側で7回ほどの治療で良くなったのですが、今回は右側に出て、やはり医者からはヘルニアと言われました。”ブロック注射をしましょう”といわれましたが、結構ですと断りました」 久ぶりに来院した30代の男性。

「そうですね。整形のお医者さんは患者さんが来る前から”椎間板ヘルニア”と診断が判っている”ヘルニア先生”が多いですから、あまり当てにならない例が多いですよ」

 この例としてアメリカの整形外科の機関誌に掲載された論文の趣旨を紹介する。MRIの画像を放射線診断医に見てもらったところ、いろんな病名がつけられた。なかには椎間板の膨隆や脱出、脊柱管狭窄などの病名もある。ところが、これらのMRIを撮った被検者はひとりも症状のない健康人ばかりであった。これは何を意味するか?MRIの画像診断だけを頼りにして診断をすると誤診を招くという結論である。
 この患者さんの場合も、症状はそれほどきつくない、下肢伸展挙上検査は陰性である。さらに椎間板ヘルニアで神経が圧迫されているとしたら、運動麻痺が起こるはずであるが、感覚系の異常だけである。絞扼症候群の場合、端的に運動系の麻痺が起こるが、椎間板ヘルニアと診断されたケースで運動麻痺は非常にまれである。この点からも、画像でヘルニアがあるからといって、症状との連関は非常に薄い。

だから、患者さんが「先生、椎間板ヘルニアは治りますか?」と聞かれることが多いが、「椎間板ヘルニアは治せませんよ。でも、痛みはとることができます」と応えることにしている。なぜなら、痛みは椎間板ヘルニアとは関係ないからである。

ここに「代替医療のすすめ」(対談、渥美和彦・廣瀬輝夫)がある。このなかで廣瀬氏は「たとえばカイロプラクターが椎間板ヘルニアを指圧して神経根を押し、腰の軟骨の突出が増悪して動けなくなったというようなこともあります」と指摘している。民間の損害賠償保険でも、椎間板ヘルニアをカイロプラクティックの禁忌症にするところもある。

この廣瀬氏の指摘は半ば当たっていることもあるが、半ば誤っている。それはどういうことかといえば、椎間板ヘルニアの手術によって治らないケースのほうがはるかに症例としては多いと思えるからだ。つまり、症状の原因として椎間板ヘルニアははたして妥当かという問題がある。

そのうえで、カイロプラクティック側の問題で言えば、構造的異常の視点から突出した部分を元に戻そうという治療は余計な負荷がかかり、筋肉や靭帯を痛めて、症状を悪化させることがありうる。こうしたアプローチとは異なり、機能的視点から、身体のバランスを整える治療をすれば、痛みは必ず取れる。このアプローチは「ヘルニアは治らない。しかし痛みはとれる」ということになろう。

○野球部の選手が再来院した。また同じ肩の痛みである。ポジションは捕手。悪いところは胸鎖関節、肩鎖関節関節、肩関節である。とくに鎖骨の内側端と外側端の関節が非常に不安定である。これを矯正して、肩の力が戻る。アレルギー治療も再開する。1週間後の予約を入れて終了。

○地元の金融機関から電話が入る。「あと2年で年金の支給が開始されますから、お宅様の年金の状況と大体の支給額をお調べするのをお手伝いします」。これはマイバンクからの電話なので、すなおにお願いすることにした。それにしても、そんな年代になったのか。がっくり。そう言えば、私は今悪名高き「団塊の世代」ではないか。これから益々現役で頑張ろうとしているのに、年金とは。トホホ。私は40才の時に第2の人生を始めたので、まだカイロ人生17年生にすぎない。まあ、年金をもらったら、社会的に有効につかわさせていただきます。まだ先のことだけど。



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2006年2月21日 感情とアレルギーと神経

2006-02-20 19:04:42 | 近況
増田院長記

○NET(神経感情テクニック)のセミナーを受講したときには、感情の生理学的停滞を取り除くと、身体の代謝が円滑となり、症状から解放されることを学んだ。うれしい時には体内の快楽物質が分泌される。このように、感情の生理学的基礎に神経ペプチドの分泌とレセプターの関連が強調されていた。だから、神経=感情である。また、この治療を進めていく上で、アレルギーがきちんと除去されないと、治療が停滞することもあるので、アレルギーの観点を入れた「ホームラン療法」を学んだ。

一方、アレルギー除去のNAETでは、食物アレルギーの基本項目をとらないと、感情が安定しないので、一定の基本項目除去後に、感情治療をするように指導している。また、この治療法は自律神経系が安定していないと、アレルギー除去が円滑に進まないことに気づき、治療の最初に必ず自律神経系のバランスをとることを入れている。

こうして見てくると、臨床上、感情、アレルギー、神経は相互に密接な関連にあることが知られる。事実、心理が免疫系に及ぼす影響に着目した臨床グループは心理神経免疫学Psychoneuroimmunology(PNI)を提唱している。免疫にはもちろんアレルギーの観点も含まれなければならない。

○患者さんからお手紙をいただいた。

「昨年12月、御診療いただきまして、誠にありがとうございました。その後、背中から右腕にかけての痛みが皆無になり、先生方には本当に感謝申し上げております。…(中略)また、先日の帰りには、御多忙のところ、静岡駅まで送っていただきまして、誠にありがとうございました。車中、花粉症に効くといわれる静岡特産のお茶の話を、私のほうからしたのですが、そのとき名前をとうとう思いだせなかったので、送って頂いたお礼も兼ね、同封させていただきます。私が飲んだ感触では、花粉症への効果はまだ分かりませんが、抗酸化作用は抜群のような気がいたします」

こうした気遣いは大変嬉しい。わざわざ遠方よりこられた期待に応えられた気がする。

○さて、本日は午後休診なので、ちょっとした骨休めである。1月からほとんど休みなしの状態が続いたので、いささかバテ気味である。昨日一昨日とぐっすり眠った。

○当オフィスは会社組織である。有限会社カイロプラネットの初の決算がまとまった。本日、税理士さんから説明があった。いろいろな事業への新規投資があったため、利益はそれほどでなかったが、まあまあという法人税を納めることができる。納税者として一安心である。あとは、税金の使われ方についての合理的な納得のいく政治をしてもらいたいと願う。

 全く無知をさらけ出すが、法人も人格なので、県民税、市民税があることを初めて知った。考えれば、市民社会においては当然のことである。
 また、決算期の移動、役員報酬の改定など、いろいろ細かな変更も簡単にできることも知らされた。やはり、専門家にまかせると、楽ですね。今まで、自営業でひとりで経理や確定申告などをしていたころがなつかしいですね。今では忙しくてそんなことは全くできない。それだけでも、心理的負担が減るのは楽である。
 大まかなところを押さえておくだけで、後の事務はスタッフと税理士さんにお願いしている。

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2006年2月20日 イライラの解消

2006-02-20 09:40:40 | 近況
増田院長記

○患者さんの話。「”治療が効いているんだ。最近全然イライラしなくなった”と娘が言うんですよ」。最初は母親が娘を無理やり連れてきた感があった。アレルギーの基本項目をひとつひとつ治療してきたら、このようにいい結果が出ている。

最近では自分からすすんで治療に来ている感じになっていた。「小さい時からいつもつまんなそうで、運動会の前の日でも浮かぬ顔をしているから、”楽しくないの?”と聞くと、”全然楽しくない”と返事。それに、自己評価が極端に低い子なんです」

アレルギーが強ければ、身体の弱さは心の弱さにもなる。逆に身体が健全になれば、心も健全になっていく。アレルギー治療が進んで、心が解放されていくことを願わずにおられない。

○「先生のところは、治療家の方が治療に良くこられるのですか?」最近、研修に来た先生からそう尋ねられた。
「良く来ますよ。特にアレルギー治療に関心のある先生方が多いようですね」
「技を盗もうという先生はおられないんですか?」
「そういう人はいませんねえ。たとえ、盗もうとしても盗めるものではないです。修行には数年かかりますから」

 私は「医療関係者のための治療センター」を目指そうという気持ちが強い。患者を治す前に、治療を受けて欲しい医療関係者が全国にゴマンといるはずだ。その一環としてもアレルギー治療がある。

○心不全の恐れのあったご婦人の脈拍は80台に落ち着いた。「3回目の治療以降、脈は上がっていません」
「それに、階段を昇るとき以前はたいへんだったんですが、今では非常に楽になりました」
 これはBBF(自律神経系)のアレルギー治療をしただけである。今日は卵mixの治療をする。

○今年はモーツァルト生誕250周年なので、思い切ってモーツァルト大全集を買ってしまった。CDで100枚ある。7つのカテゴリーに分かれていて、それぞれにしっかりした解説本がついている。CDの収容棚付である。これは聴き応えがありますね。「モーツァルト効果」でリラックスしながら仕事がはかどるといいですね。これを整理したケッフェル氏も大変でしたね。


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2006年2月19日 健康食品を摂る前に

2006-02-19 08:40:28 | 近況
増田院長記

○NAET BASICセミナーのプレゼン用の基本がほぼまとまった。3日目のアナフィラキシーの項目がまだ残っている。また、いくつかの細かな写真の用意などがのこっているが、早い時点で基本骨格ができたのは上々だ。プレゼン用がまとまった時点で、インストラクターの会合で検討し、修正や補正の必要性があればそれを行う。そして、インストラクター間の分担を決める。まあ、普段やっていることを整理するだけなので、自分たちの臨床をまとめる良い機会でもある。

 それから、ベーシックのテキストの翻訳が残っているので、それも急がなければならない。スタッフの野沢先生にある程度依頼しているのだが、それ以外にも訳さなければいけないところがある。

○また、「ガイドブックの修正作業」が意外と手間取っている。これも速やかに完了させたい。あれやこれやで、3月のDrデビのセミナーは出席を見合わせ。その代わりに、3日間クリニックを休診にして、セミナーの準備に使う予定だ。デビのセミナーは4,5月のアドバンスに出席することに変更。

○本日は定期的に通院している患者さん。50代後半の女性。見るなりいつもと表情が違う。青白い。すぐ血中酸素濃度を測ってみる。95と低い。アクティベータで治療するも血中濃度は改善しない。様子を聞くと、心臓の気分が悪い、不整脈がするという。また、胃の調子もおかしい。いつからか聞くと、1週間前からだという。

検査すると、何か飲物に関係している。何か新しく飲み始めたものがないか聞くと、健康食品を飲み始めたという。「ピュアシナジー」である。どうやら、これが犯人らしい。本人もそれを疑っていたようだ。

しかし現物がないので、インターネットで調べ、52の成分の中で最も疑わしい成分であるミネラルを治療した。

健康食品は必ず、アレルギーがあるかないかを確かめてとる必要がある。どんなによいものでも、その人との相性が悪いことがある。

○例のむち打ちの女性。改善の方向に向かっているのだが、顔のむくみが多少戻ることがある。そこで調べると、強いビタミンCのアレルギーが出た。「先生、私モウレツにみかんを食べているんですよ。それに野菜もたくさん」。「もともと、ビタミンCのアレルギーがあったんだろうけれども、今回の事故をきっかけに浮上してきた可能性がありますね。ビタミンCはとても血流障害と関係があるんです」

3日間の回避を指示してこの日は治療を終了。

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