チモシェンコ大村のロン・ポール研究+くだらない話

ロン・ポール氏のブログ翻訳を通じて、リバータリアン思想・オーストリア経済学について勉強しています。

私たち、政府の者です。救助にやってきました。

2011-09-08 15:51:20 | ボランタリズム
先週は、ハリケーン・アイリーンのおかげで大変でした。小生はニューヨーク州ロングアイランドに住んでますが、アイリーンが通過した後、6日間も停電が続きました。いや、というか、アイリーンと言うよりも、それは無能な電気会社のせいですね。あいむそーりぃ、あいりーん。

さて、おなじみ、リバタリアン代表ロン・ポール議員のブログから。

Texas Straight Talk 2011/09/05

We're from the government. We're here to help.

私たち、政府の者です。救助にやってきました(拙訳:チモシェンコ大村)

ハリケーン・アイリーンをきっかけに、連邦緊急事態管理庁 (FEMA)は、議会からもっとお金をもらおうと、ペコペコ頭を下げることでしょう。政府の他の部門同様、FEMAも一文無しなのです。FEMAに支給される追加予算は、他の部門での支出削減から賄われるべきだと提言されています。この考えは、経済を理解していない、大きな政府の主唱者にとっては、過激で人情に欠けるものかもしれません。しかし、私はさらに踏み込みたいと思います。FEMAはそもそも本来、設立されるべきではなかったのです。それは、災害救助における間違った考えに基づくものであるからです。

これは、FEMAが災害の現場に現れることで引き起こされる二次災害を経験したことのない人には衝撃的な考え方でしょう。しかし、FEMAの無能さを説明しているからと言って、災害の被害者を救助すべきでないと言っているのではありません。むしろ、その逆です。

災害の被害者には、可能な限りの支援をいかなる形であれすべきです。また、大惨事が起きた時の、善良なアメリカ市民の寛大さと慈悲深さには事実上際限がありません。これが本当であるかを知りたければ、ハリケーン・カトリーナの時の、市民から差し伸べられたあふれんばかりの支援の手を思い出すだけで十分でしょう。しかし、FEMAは、救援活動を行ったりその手助けをするどころか、むしろ救援の邪魔をしたのです。そのような事例は数え切れません。ボランティア消防隊員が募集されたとき、何千人ものボランティアの方が名乗り出ました。しかし、FEMAは、その管理体制や官僚的愚劣さのせいか、ボランティア隊員が実際に救援活動を行うことを許さなかったのです。例えば、消防団がヒューストンから到着したとき、彼らは迅速に現場に派遣されるどころか、その場で待機するよう命令されました。そして、何もせず2日間待った後、彼らはテキサスに送り返されたのです。また、火災がまさに激しさを増すなかで、千人のボランティア消防隊員がアトランタに送られ、セクシャルハラスメント講習を受けさせられていました。このバカバカしさの中で、残った隊員は、火を消すどころか、大統領をエスコートしたり、あるいはチラシを配布するために使われたのです。コンピューターエンジニアのジャック・ハリソン氏は、彼の能力が技術的インフラを再構築するのに必要だと言われました。彼は2週間ほどはぐらかされた果てに、FEMAが借りていたクルーズ船の安全担当者として配置されました。本来ならば、彼の能力を救援活動に使うべきであるにも関わらずです。人々が苦しみ、救助を待っているときに、FEMAによって、いかなる支援の手も葬り去られ、あるいは不適切に処理されたのです。FEMAのおかげで、赤十字でさえ何も自由にできませんでした。

9・11以来、事態は悪化するのみです。二つの船団にまつわる話を比較してみて下さい。一つは、9・11の時に組まれた船団、もう一つは、カトリーナの時のものです。9・11のテロ発生から1時間以内に、史上最大の海上輸送が、事態の緊急性を即座に察した地元住人によって、自発的に組織されました。他の逃げ道が閉ざされた中で、恐怖に襲われた50万人以上のニューヨーク市民が、フェリーやタグボート、娯楽船、漁船や荷船によって島を離れました。同じような船団が、カトリーナの時も民間で組織されました。物資が尽きて絶望的な状態にある病院から患者を救い出そうと、500隻の船がニューオーリンズを目指しました。しかし不幸なことに、その間にFEMAが指揮をとるようになり、救護船団は空しくも追い返されたのです。そんな中、患者の方たちは依然取り残されたまま困窮を極めたのでした。また悲劇的なことに、ハリケーン・アイリーンが襲った時、バーモント州空軍のヘリコプターはイラクにいました。彼らの力が地元でぜひとも必要だという時にです。

FEMAの創設は、「大きな政府は誰に対しても何でもできる」という盲信の現れです。FEMAは官僚主義的な組織です。官僚機構というものは、善意の人間により組織されているかもしれませんが、その本質上、仕事が遅く無駄が多いことで有名です。人間が飢え、負傷し、死にかけている時には、迅速性と能率性が求められます。それなのに、FEMAは書類や規則、ゴム印を手にしてやって来るのです。この類のことは、DMV(訳注:Department of Motor Vehicle;米国における車両登録や運転免許の申請・更新を扱う部局。お役所的な仕事の遅さ・傲慢さ・無愛想さの縮図みたいなもの)で十分です。しかし、一刻一秒を争う、生死にかかわる問題においては、そのようなことは許されるわけがありません。

被害者を本当に思いやりたければ、FEMAを排除することです。

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