Texas Straight Talk 2012/11/19
Secession: Are We Free To Go?
連邦を脱退する自由(拙訳:チモシェンコ大村)
州の連邦脱退が最近話題になっていますが、これは大統領選の結果に失望した人たちの負け惜しみにすぎないのでしょうか。それとも、もっと深い意味があるのでしょうか。現在のところ、米国の50州すべてから、連邦脱退の請願書が提出されています。中でも、テキサス州はその署名数において先頭に立っています。テキサスは、連邦政府からの回答を得るのに必要な署名数を優に超える署名を集めました。テキサスが実際に連邦から分離独立するようなことがすぐに起こるとは思いませんが、今回の請願は、アメリカ合衆国の本質に関する重要な問題を提起しています。
合衆国から脱退しようとする動きは背信行為でしょうか。多くの人は、連邦脱退に関する問題は南北戦争をもって解決したと考えています。しかし、自治と自由意志による連帯が、合衆国建国時の基本的原則でした。明らかにトーマス・ジェファーソンも、連邦脱退は最終手段だとはしているものの、その正当性を主張しています。1825年にウィリアム・ガイルズに宛てた手紙の中で、ジェファーソンはこのように書いています。
「連邦解体か、無制限に権力を増大させる政府への屈服かの選択を余儀なくされた場合に限り、州は連邦から脱退すべきだ」
また、アメリカ独立宣言の初めと3番目のセクションには、中央政府が専制的になった場合には政治的統合体の解体もありえることが明確に示唆されています。
我が国の政府はすでに、“無制限に権力を増大させる政府”に相当するでしょうか。南北戦争で、連邦政府は暴力と武力行使により連邦解体を防ぎましたが、これは本当に正しかったのでしょうか。
連邦脱退は合衆国における重要な原則です。この国はそもそも脱退によって生まれたのです。当時、イギリスからの分離独立は裏切り行為だと考える人も一部にはいましたが、その“裏切り者”こそが、米国で最も偉大な愛国者になったのです。
国民の要望に耳を傾ける連邦政府を望むことは、裏切りでもなければ非国民的なことでもありません。そもそもそれが独立戦争の意義でした。現在の政府は、合衆国憲法で制限された権限を大幅に逸脱し、改善する兆候も見られません。先日の大統領選は、既得権益層(ステータス・クオ)をさらに保護するだけの結果になりました。連邦脱退という可能性が完全に断たれれば、連邦政府による国民の自由侵害に歯止めがかからなくなり、政府に辟易する国民は拠り所を失ってしまいます。
コロラド州とワシントン州で採択された、マリファナ合法化に関する住民投票案を考えてみてください。両州の住民は、麻薬に関して連邦政府とは異なる政策を行う用意があるという明確な意思表示をしました。しかし、彼らは、連邦政府によるとてつもない脅しにさらされることになるでしょう。カリフォルニア州では、医療用マリファナを使用する一般人が連邦政府により逮捕され、州と地方政府によって認可されたマリファナ薬局が強制捜査を受けました。このようなことは自由国家では起きてはならないことです。
非常に不評なオバマケア(医療保険改革法)を遵守せず、医療保険取引所の設立を拒んでいる州にこれから何が起こるかはまだ分かりません。州レベルでのこのような決定を、連邦政府が尊重するつもりはないでしょう。
自由国家では、政府は、統治される側の同意を得てはじめて権力をもつことができます。国民が、ある法律に対する同意を明らかに取り消しているのであれば、そこで話は終わりのはずです。連邦政府がこの事実を受け入れるのを拒み、国民を蹂躙し続けるのであれば、この国には自由がないということを我々は認めなければなりません。国民は、ますます専制的・圧政的になる連邦政府でつながったアメリカ合衆国という政治的統合体をいつ解体させるべきでしょうか。最終手段として合衆国を去るという選択肢が国民や州にないのであれば、本当に自分のことを自由だと言えるでしょうか。
国民が圧政的な国家から脱退できないのであれば、彼らのことを自由だとみなすことはできません。
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Secession: Are We Free To Go?
連邦を脱退する自由(拙訳:チモシェンコ大村)
州の連邦脱退が最近話題になっていますが、これは大統領選の結果に失望した人たちの負け惜しみにすぎないのでしょうか。それとも、もっと深い意味があるのでしょうか。現在のところ、米国の50州すべてから、連邦脱退の請願書が提出されています。中でも、テキサス州はその署名数において先頭に立っています。テキサスは、連邦政府からの回答を得るのに必要な署名数を優に超える署名を集めました。テキサスが実際に連邦から分離独立するようなことがすぐに起こるとは思いませんが、今回の請願は、アメリカ合衆国の本質に関する重要な問題を提起しています。
合衆国から脱退しようとする動きは背信行為でしょうか。多くの人は、連邦脱退に関する問題は南北戦争をもって解決したと考えています。しかし、自治と自由意志による連帯が、合衆国建国時の基本的原則でした。明らかにトーマス・ジェファーソンも、連邦脱退は最終手段だとはしているものの、その正当性を主張しています。1825年にウィリアム・ガイルズに宛てた手紙の中で、ジェファーソンはこのように書いています。
「連邦解体か、無制限に権力を増大させる政府への屈服かの選択を余儀なくされた場合に限り、州は連邦から脱退すべきだ」
また、アメリカ独立宣言の初めと3番目のセクションには、中央政府が専制的になった場合には政治的統合体の解体もありえることが明確に示唆されています。
我が国の政府はすでに、“無制限に権力を増大させる政府”に相当するでしょうか。南北戦争で、連邦政府は暴力と武力行使により連邦解体を防ぎましたが、これは本当に正しかったのでしょうか。
連邦脱退は合衆国における重要な原則です。この国はそもそも脱退によって生まれたのです。当時、イギリスからの分離独立は裏切り行為だと考える人も一部にはいましたが、その“裏切り者”こそが、米国で最も偉大な愛国者になったのです。
国民の要望に耳を傾ける連邦政府を望むことは、裏切りでもなければ非国民的なことでもありません。そもそもそれが独立戦争の意義でした。現在の政府は、合衆国憲法で制限された権限を大幅に逸脱し、改善する兆候も見られません。先日の大統領選は、既得権益層(ステータス・クオ)をさらに保護するだけの結果になりました。連邦脱退という可能性が完全に断たれれば、連邦政府による国民の自由侵害に歯止めがかからなくなり、政府に辟易する国民は拠り所を失ってしまいます。
コロラド州とワシントン州で採択された、マリファナ合法化に関する住民投票案を考えてみてください。両州の住民は、麻薬に関して連邦政府とは異なる政策を行う用意があるという明確な意思表示をしました。しかし、彼らは、連邦政府によるとてつもない脅しにさらされることになるでしょう。カリフォルニア州では、医療用マリファナを使用する一般人が連邦政府により逮捕され、州と地方政府によって認可されたマリファナ薬局が強制捜査を受けました。このようなことは自由国家では起きてはならないことです。
非常に不評なオバマケア(医療保険改革法)を遵守せず、医療保険取引所の設立を拒んでいる州にこれから何が起こるかはまだ分かりません。州レベルでのこのような決定を、連邦政府が尊重するつもりはないでしょう。
自由国家では、政府は、統治される側の同意を得てはじめて権力をもつことができます。国民が、ある法律に対する同意を明らかに取り消しているのであれば、そこで話は終わりのはずです。連邦政府がこの事実を受け入れるのを拒み、国民を蹂躙し続けるのであれば、この国には自由がないということを我々は認めなければなりません。国民は、ますます専制的・圧政的になる連邦政府でつながったアメリカ合衆国という政治的統合体をいつ解体させるべきでしょうか。最終手段として合衆国を去るという選択肢が国民や州にないのであれば、本当に自分のことを自由だと言えるでしょうか。
国民が圧政的な国家から脱退できないのであれば、彼らのことを自由だとみなすことはできません。
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