ギリシャ神話あれこれ:ペルセウスの冒険

 
 小学生のとき、クラスのお嬢系の女の子たちの一番人気のヒロインは、冥王にさらわれた乙女ペルセフォネだった。で、二番人気が、海の怪物の生贄となるところを英雄ペルセウスに助けられてハッピーエンドとなった、美しい王女アンドロメダだった。
 私は魔女ヘカテが好きだった。が、ペルセフォネとアンドロメダなら、後者に憧れるほうが、小学生の女の子としては健全だ、と思った。って、私も当時、小学生の女の子だったんだけど。

 ダナエたちが漂着したセリフォス島の王ポリュデクテスは、彼女らを助けてくれた漁師の兄なのだが、弟と違って傲慢で強欲で横暴。王は美しいダナエに恋慕し、しきりに言い寄るようになる。こうなっては、ダナエのそばでいつも毅然と母を護るペルセウスの存在は、王にとって煙たいばかり。
 
 王は何とかペルセウスをダナエから離そうと画策する。で、あるとき王は、島民に馬を供出するよう求める。多分、ペルセウスが馬など持っていないことを知ってたはず。
 ペルセウスはこう断る。……自分は他家で世話を受ける身であり、献上できる馬を持っていません。しかし、自分自身の腕で取れるものなら、たとえゴルゴンの首であろうと、必ず献上しましょう。と。

 王はこの言葉に飛びつき、ではゴルゴンの首を取ってまいれ、と難題を出す。

 ゴルゴンというのは、古き海神の血を引くポルキュスとケトとの娘たちで、ステンノ(強い女)、エウリュアレ(遠くへ飛ぶ女)、メドゥサ(支配する女)という3姉妹。その姿は蛇の髪、真鍮の牙、鱗だらけの青銅の手、黄金の翼、……と、とにかく身の毛もよだつ怪物そのもの。おまけに、ゴルゴンの眼を一目見た者は、その魔力で一瞬にして石になってしまうという。

 はて、困った。

 To be continued...

 画像は、ボルドーネ「メルクリウスとミネルヴァに武装してもらうペルセウス」。
  パリス・ボルドーネ(Paris Bordone, 1500-1571, Italian)

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