ギリシャ神話あれこれ:トロイア出征(続)

 
 さらに途中、レムノス島(アルゴー船も立ち寄った、女だけの島かな?)に立ち寄った際。
 ヘラクレスの弓を携えて参戦していたピロクテテスが、毒蛇に噛まれるというアクシデントが起こる。彼は、傷口が膿んで悪臭を放つやら、高熱のため昏睡に陥るやらで、とうとう一行(オデュッセウスの提言で)に見捨てられ、島に置き去られてしまう。

 島に一人残されたピロクテテスは、以来9年間、弓矢によって虚しく食いつないで生きていく。

 こうして、ようやくトロイアの海岸に到着したギリシア船隊。勇み立つアキレウスに、再びテティスが予言する。最初にトロイアの土を踏む者は死なねばならない、と。
 先陣を切ったのは、テッサリアの王プロテシラオス。が、沖合に集結する大船団を見ていたトロイア軍も、当然、海岸のそこかしこに待ち構えていたわけで……
 一番手のプロテシラオスは、呆っ気なく、物陰から飛び出した名も知れぬ兵の槍先に倒れた。

 アキレウスは二番手。プロテシラオスに続いてトロイアに降り立つ。待ち受けていたのは、トロイアの勇将キュクノス(白鳥)。ポセイドンの子である彼は、白鳥に養われたとも、全身が白かったともいい、鉄や青銅に傷つけられない身体を持っていた。
 が、神でない者の不死には必ずどこかに弱点がある。アキレウスは大石を投げつけ、キュクノスを倒す。キュクノスはそのまま白鳥になったという。

 To be continued...

 画像は、バリー「レムノス島のピロクテテス」。
  ジェームズ・バリー(James Barry, 1741-1806, Irish)

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