花衣やまとなでしこ日記~心理学者・華(はな)のこころのレポート~

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レポートが書けずに自殺した彼女の心

2007-04-10 12:28:06 | 心理学

高崎経済大学で、ゼミのレポートが提出できず、女子大生が自殺をした。

レポート課題を出せない、という事実が、彼女をなぜ「死」にまで
追い詰めたのだろう。

本来よりも早くにゼミに参加するということであるから
やる気はあり、まじめな学生なのであろう。

レポート未提出の中の「彼女」だけになぜ最終的な督促を
準教授はしたのだろうか。

レポート課題が難しく、彼女以外にも提出できていないものがいたらしい。
しかし、提出できた学生もいたようだ。
どのくらいの学生が提出できていたのだろうか。

そもそもセクハラや暴言、つまり、「暴力的」なかかわりが
あったようなのである。
でも、なぜそういう準教授のところに、学生は集まるか。
やりたいテーマをしているゼミだから?

大学の教員の中には、人間関係の持ち方に問題がある人が多くいる。
様々な理由もあろうが、
社会という組織の中でもまれていない、ようするに就職したことがない、
大学しか知らない、ということもあるようだ。

大学全入時代にあって、大学のサービスの質についても問われている。
「督促」メールはサービスかも知れない。
しかし、追い詰めるほどのサービスは、度を超えている。
大学人にも、「人間力」が問われているということだ。

「人間力」
今のワカモノは、電車の社内で化粧するとか、なんだとか、かんだとか
いうおとなは多いけれど・・・・・。
「人間力」の問題に、ワカモノも熟年もないのであろう。

誰にも言えなかった彼女、
レポートが出せないという状況に、彼女がおいこまれていたものはなんなのか。
「留年」ということばで追い込まれる自己像は何か。

きちんとできない自分?
留年して落ちこぼれている自分?
完璧ではなくなる自分?
目標が果たせない自分?

彼女にもう聞くことはできない。

誰かに相談できたらいいのに。自殺をしてしまうひとに限って
弱音をはかないで自分で決着をつけてしまうものなのです。

そして、暴力を起こした者はいうのです。
「不適切な指導はしていない」

「適切な関わり」
・・・・これについては今後検討されていくべきものであろう。

たぶんに、この準教授は、優しさというものを
経験したことがなかったのかも知れない。
優しく援助されたことがないひとは、ひとに優しくできないから。


「留年通告」ゼミ生自殺、高崎経済大准教授を懲戒免職(読売新聞) - goo ニュース